理系の大学受験に向けて数学を勉強していると、
「どの問題集を使えばよいのか分からない」
「青チャートを使っているけれど、自分には難しい気がする」
「基礎問題精講が終わったら、次は何を使えばよいのか」
「志望校のレベルを考えると、もっと難しい問題集をやった方がよいのではないか」
と迷うことがあります。
特に数学が苦手な理系の大学受験生の場合、志望校のレベルだけを見て問題集を選ぶと、現在の理解度と問題集の難易度が合わないことがあります。
たとえば、難関大学を志望しているからといって、最初から難しい問題集を使う必要があるとは限りません。
教科書の基本問題で式が立てられないのであれば、標準・応用問題を増やす前に、基本事項を確認した方がよい場合があります。
反対に、基本問題や典型問題を自力で解けるのであれば、同じレベルの問題を繰り返すだけではなく、志望校に合わせて次の段階へ進むことも必要です。
大学受験の理系数学で大切なのは、「評判のよい問題集を選ぶこと」だけではなく、「今の自分が自力で取り組める問題集を選ぶこと」です。
私は数学専門の家庭教師として高校生を指導するとき、問題集を何冊終えたかだけで学習状況を判断していません。
特に確認しているのが、
- 解説を見ずに問題を解けるか
- 問題を見て、必要な公式や考え方を自分で選べるか
- 「なぜこの解き方を使うのか」を理解しているか
- 一度解いた問題だけでなく、同じ考え方を使う類題も解けるか
という点です。
この記事では、大学受験の理系におすすめの数学問題集を紹介するだけでなく、
現在の理解度に合った問題集の選び方 → 基礎から入試までの参考書ルート → 次の問題集へ進む目安 → 過去問へのつなげ方
まで順番に解説します。
「おすすめされている問題集を使っているのに数学が伸びない」という場合も、問題集そのものではなく、現在の学習段階との組み合わせから確認してみてください。
大学受験に向けて理系数学のどんな問題集を選べばよい?
志望校の難易度だけではなく、現在どこまで自力で解けるかを確認して問題集を選びます。
難関大学を志望していても、基本問題を解説なしで解けない段階なら、最初に取り組むべきなのは難関大向けの問題集ではない可能性があります。
問題集を選ぶときは、
「最終的にどの大学を受験するか」と「現在どこまで自力で解けるか」を分けて考える
ことが重要です。
志望校は最終的に必要となる数学のレベルを決めるために使い、現在の実力は「今使う問題集」を決めるために使います。
志望校のレベルだけで数学問題集を選んでよい?
志望校のレベルだけで問題集を決めるのではなく、現在の数学の理解度を優先して選びます。
たとえば難関国公立大学を志望しているからといって、現在、教科書の基本問題で止まることが多い受験生が、すぐに難関大向けの問題集へ進む必要はありません。
志望校から逆算して必要なレベルを確認すること自体は大切です。
しかし、
「最終的に解けるようになる必要がある問題」と「今取り組むべき問題」は同じとは限りません。
ここを分けて考えます。
たとえば、二次関数の最大・最小の基本問題で、グラフを書かずに場合分けだけを覚えている状態なら、より難しい最大・最小の問題を増やす前に、グラフと定義域の関係を確認した方がよいでしょう。
数列でも同様です。
漸化式の典型的な解法を自分で選べない状態で難しい数列の問題を増やしても、解説を読む時間ばかりが増えてしまうことがあります。
この場合は、いったん典型問題へ戻り、
「この漸化式を見たとき、なぜこの変形をするのか」
まで確認してから次へ進みます。
したがって、問題集を選ぶときは、
志望校 → 最終的に必要なレベルを確認する
現在の実力 → 今取り組む問題集のレベルを決める
という2つを分けて考えると整理しやすくなります。
数学が苦手なら、最初に何を確認する?
数学が苦手な場合は、新しい問題集を選ぶ前に、教科書の基本問題を解説なしで解けるか確認してください。
ここでいう「基本ができる」とは、公式を覚えていることだけではありません。
たとえば微分の公式を覚えていても、問題を見たときにどの式を微分すればよいのか判断できなければ、入試問題を自力で解くところまではつながっていません。
私が指導するときにも、数学が苦手な生徒については、難しい問題を何問解けたかより、
「基本事項を使って、教科書レベルの問題を自分の力で正解まで持っていけるか」
を確認します。
具体的には、次のような状態になっているかを見ます。
- 公式や定義の意味を理解している
- 問題を見て、使う公式を自分で選べる
- 必要な式を自分で立てられる
- 途中の計算を最後まで進められる
- 解説を閉じても、もう一度自分で解ける
ここで止まる問題が多いのであれば、大学受験数学の基礎固めとして、教科書や基礎レベルの参考書から確認することを優先します。
一方、教科書の基本問題はほぼ自力で解けるのであれば、大学入試の典型問題を扱う問題集へ進む段階に入っています。
つまり、「数学が苦手だから簡単な問題集」と決めるのではなく、実際にどこまで自力で解けるかを確認して開始地点を決めることが大切です。
解説が分かりやすい問題集なら自分に合っている?
解説が分かりやすいことは重要ですが、「読めば分かる」だけでは自分に合った問題集とは判断できません。解説を閉じた後に自力で解けるかまで確認します。
高校数学の参考書でわかりやすいものを探している場合、図が多い、途中式が詳しい、解法が丁寧に説明されているといった点は、もちろん問題集選びの一つの要素になります。
ただし、数学の学習では、
「解説を理解できること」と「問題を自力で解けること」は別です。
解説を読んでいるときには、
「この公式を使えばよいのか」
「ここで場合分けするのか」
「この式に変形すればよいのか」
と理解できても、翌日に同じ問題を何も見ずに解くと、最初の一手が出てこないことがあります。
この状態では、解説の内容は理解できても、まだ自分で解法を選べるところまでは定着していません。
私は問題を解いた後に、
「どのように考えることをきっかけとして正解できたのか」
を確認することを重視しています。
たとえば、
「この条件を見て相似を使おうと考えた」
「この漸化式を見て、差を取ることを考えた」
「定義域が動くので、グラフを書いて最大値が変わる位置を確認した」
と説明できたとしても、そこで終わりにはしません。
同じ考え方を必要とする別の問題でも、その考え方を自分で選んで正解できるかを確認します。
そのため、数学の問題集を選ぶときは「解説が分かりやすいか」と同時に、「その問題集を使って解説なしで解ける状態まで練習できるか」を考えることが重要です。
次の段階では、この考え方をもとに、基礎・標準・難関のどのレベルの数学問題集から始めればよいのかを具体的に整理していきます。
理系数学の問題集は、どのレベルから始めればよい?
理系数学の問題集は、志望大学の難易度ではなく、現在「解説を見ずにどこまで解けるか」を確認して開始レベルを決めます。
大学受験の理系数学では、最終的に数学IIIまで含めて多くの内容を学習するため、「早く難しい問題集へ進まなければ」と考えることもあるでしょう。
しかし、基礎が十分に定着していない状態で標準レベルの問題集へ進むと、問題を解く時間よりも解説を読む時間の方が長くなることがあります。
反対に、基本問題をほぼ自力で解けるのであれば、いつまでも同じレベルを繰り返す必要はありません。
そこで、問題集の難易度を大きく、
- 基礎レベル:公式・定義・基本的な解法を使えるようにする
- 標準レベル:問題に応じて必要な考え方を自分で選ぶ
- 難関大レベル:複数の知識を組み合わせたり、より複雑な処理をしたりする
と分けて考えます。
大切なのは、問題集に書かれている「基礎」「標準」という名称だけではなく、実際に問題を解いて、自分がどの段階にいるのかを確認することです。
基礎レベルの問題集から始めるべき人は?
公式を覚えていても、教科書の基本問題を解説なしでは解けない場合は、基礎レベルの問題集から始めることをおすすめします。
ここで注意したいのは、「公式を知っている=基礎ができている」ではないことです。
たとえば、二次関数で平方完成の計算はできても、
「なぜ平方完成するのか」
「平方完成した式のどこを見れば頂点が分かるのか」
「定義域が変わったとき、最大値・最小値をどう考えるのか」
が曖昧であれば、入試問題で条件が少し変わったときに対応できないことがあります。
私が数学が苦手な高校生を指導していても、入試問題が解けない原因を確認すると、難しい問題の経験不足ではなく、その問題を解くために必要な基本事項の理解まで戻る必要があるケースがあります。
その場合には、難しい問題を追加するのではなく、教科書の例題や節末問題などに戻ります。
基礎レベルから始めた方がよいか迷ったら、次の点を確認してみてください。
基礎レベルから始める目安
- 教科書の例題・基本問題でも解説を見ることが多い
- 公式は覚えているが、どの問題で使うのか分からない
- 解答を読むと分かるが、自分では最初の式を立てられない
- 数学I・Aや数学II・B・Cの以前に学習した単元に抜けがある
- 同じ問題なら解けるが、数字や条件が変わると止まってしまう
複数当てはまる場合は、大学受験数学の基礎固めを優先する段階と考えてよいでしょう。
基礎レベルの問題集は「簡単な問題だけを解くため」に使うのではありません。
基本事項を、入試問題を解くときに自分で使える状態にすることが目的です。
標準レベルの問題集へ進んでよい目安は?
基本問題を解説なしで解けるようになり、問題を見て必要な公式や考え方を自分で選べるようになったら、標準レベルの問題集へ進む段階です。
ここでは、「基礎問題集を1周した」「学校でその単元を習い終えた」といった学習量だけで判断しないことが重要です。
たとえば、数列の問題で、
「等差数列だからこの公式を使う」
「和が与えられているから、一般項との関係を考える」
「この漸化式なら、この形に変形して考える」
といったことを、解答を見る前に自分で考えられるかを確認します。
標準レベルになると、問題文に「この公式を使いなさい」と書かれているわけではありません。
そのため、
問題を読む → 条件を整理する → 必要な知識を選ぶ → 式を作る → 計算して答えを出す
という流れを、自分で進める必要があります。
私が次の問題へ進めるかを確認するときにも、単に正解したかだけではなく、
「どのように考えることをきっかけとして正解できたのか」
を生徒に確認します。
その考え方を自分で説明でき、さらに同じ考え方を使う別の問題でも正解できれば、その内容を自分で使える状態に近づいていると考えられます。
したがって、標準レベルへ進む目安は「基礎問題集を終えたか」ではなく、「基本的な解法を自分で選んで使えるか」です。
基礎問題で間違えることが多少残っているからといって、すべてを100%にするまで次へ進めないわけではありません。
ただし、標準問題の解説を読むたびに基本公式や典型的な解法まで確認し直しているのであれば、まだ基礎問題と並行して学習した方がよいでしょう。
難関大向けの問題集はいつ必要?
基礎・標準レベルの問題を自力で処理できるようになり、志望校の過去問を確認した結果、さらに高度な演習が必要だと分かった段階で難関大向けの問題集を検討します。
難関大学を志望しているからといって、受験勉強の早い段階から難問ばかりを解く必要があるわけではありません。
特に数学が苦手な受験生の場合、
「難関大学を受けるのだから、難しい問題集まで終わらせなければならない」
と考えてしまうことがあります。
しかし、実際に優先すべき内容は、志望校の過去問と現在の実力との差によって変わります。
たとえば、過去問を解いてみて、
- 典型問題なのに解法を思い出せない
- 基本公式の使い方で止まる
- 計算途中のミスが多い
- 標準的な問題でも最初の方針が立たない
という状態なら、難関大向けの問題集を追加する前に、基礎・標準問題の完成度を上げる方を優先します。
一方で、
- 標準問題なら自力で方針を立てられる
- 典型的な入試問題は安定して解ける
- 過去問でも基本~標準問題は得点できる
- そのうえで、志望校特有の難しい問題への対応が不足している
のであれば、より高度な数学の演習を追加する意味があります。
つまり、難関大向け問題集は「難関大を受験する人が必ず使う本」というより、基礎・標準レベルと志望校の入試問題との間を埋める必要があるときに使う教材と考えるとよいでしょう。
問題集のレベルは、基礎→標準→難関と機械的に上げるのではなく、「今できていること」と「志望校で必要なこと」の差を確認しながら上げていくことが大切です。
数学が苦手な理系受験生の参考書ルートは?
数学が苦手な理系受験生は、「教科書・基礎理解 → 典型問題 → 標準・入試演習 → 過去問」という順番を基本にし、自力で解けることを確認しながら進めます。
ただし、全員が同じ問題集を同じ順番で進める必要はありません。
現在すでに教科書レベルの問題を自力で解けるのであれば、最初の段階を短くして典型問題へ進めます。
一方、数学I・Aや数学II・B・Cの基本事項に抜けがあるなら、学年に関係なく必要なところまで戻ります。
大まかな理系数学の参考書ルートは、次のように考えると整理しやすくなります。
数学が苦手な理系受験生の基本ルート
① 教科書・基礎レベルの教材
↓ 公式・定義を理解し、基本問題を自力で解ける② 典型的な入試問題を扱う問題集
↓ 問題を見て、使う解法を自分で選べる③ 標準・実戦レベルの問題集
↓ 複数の知識を使う問題にも対応できる④ 志望校の過去問
↓ 足りない内容が見つかったら②・③へ戻って補う
ここで重要なのは、参考書ルートを「問題集を順番に終わらせる計画」にしないことです。
一冊終わるたびに次の教材へ進むのではなく、その問題集で身につけるべき内容を自力で使えるようになったかを確認してから次の段階へ進みます。
最初は教科書と白チャートなどで基礎を固める?
教科書の基本問題を自力で解けない単元が多い場合は、難しい入試問題集へ進む前に、教科書や白チャートなどを使って基礎を確認することをおすすめします。
ここでの目的は、教科書や参考書を最初から最後まで読み直すことではありません。
「入試問題が解けない原因になっている基本事項を見つけ、その部分を自力で使える状態にすること」が目的です。
たとえば、数学IIの微分法で接線の問題が解けないとします。
その場合、
- 微分係数の意味が分からない
- 微分の計算ができない
- 接線の傾きと微分係数が結びついていない
- 点と傾きから直線の方程式を作れない
など、止まっている場所によって戻る内容は変わります。
「微分が苦手だから微分の問題をたくさん解く」と決めるのではなく、正解まで進めない原因がどこにあるのかを確認してから問題を選ぶ方が学習内容を絞りやすくなります。
私が指導するときにも、入試レベルの問題で止まった生徒に対して、すぐにその問題の解説だけをするとは限りません。
必要であれば教科書や基本問題まで戻り、
「ここまでは自分でできる」
「ここから考え方が分からなくなる」
という境目を確認します。
そのうえで、基本問題を解き直し、解説を見なくても正解できるようになってから元の問題へ戻ります。
そのため、大学受験数学の基礎固めに使う参考書は、難易度だけでなく「自分が分からないところまで戻って確認できるか」という点も大切です。
白チャートのように基本事項から確認できる教材も、数学が苦手な受験生にとっては選択肢になります。
ただし、すでに基本問題を十分解ける単元まで、すべて最初からやり直す必要はありません。
できる単元とできない単元を分け、必要なところに時間を使うことが重要です。
基礎問題精講などの典型問題集にはいつ進む?
教科書レベルの基本問題を自力で解けるようになったら、基礎問題精講などを使って、大学入試で使われる典型的な考え方を身につける段階へ進みます。
この段階では、公式をそのまま当てはめるだけではなく、
「この問題では何を使えばよいのか」
を自分で考えることが重要になります。
たとえば確率であれば、
「順列を使うのか」
「組合せを使うのか」
「余事象から考えた方がよいのか」
「場合分けが必要なのか」
といった判断が必要です。
問題集の解説を読むと、この判断も含めて解法が示されています。
そのため、解説を読んで、
「なるほど、余事象を使えばよかったのか」
と理解しただけでは、まだ同じ種類の問題を自力で解けるとは限りません。
私はこの段階で、
「どのように考えることをきっかけとして、この解き方を選んだのか」
を確認します。
そして、理解した直後にもう一度解くだけでなく、同じ考え方を必要とする類題でも、その解法を自分で選べるかを確認します。
つまり、典型問題集の役割は、単に「入試問題をたくさん経験すること」ではありません。
問題文の条件から必要な考え方を判断し、解説を見なくても正解まで進めるようにすることが、この段階の目標です。
基礎問題精講などを使っていて解説を見る問題が非常に多い場合は、「自分にはこの問題集が難しすぎるのではないか」と一度確認してみてもよいでしょう。
基本事項まで戻る必要がある単元だけ、教科書や基礎レベルの教材と並行して進める方法もあります。
標準問題・実戦問題集にはいつ進む?
典型問題を見て必要な解法を自分で選べるようになったら、志望校で必要な難易度に応じて標準・実戦レベルの問題集へ進みます。
標準レベル以上では、一つの公式や典型解法だけで終わらず、複数の知識を組み合わせる問題も増えてきます。
たとえば、
「微分の問題だと思って解き始めたら、途中で方程式や不等式の処理が必要になる」
「ベクトルの問題だが、図形的な条件を式へ変換する必要がある」
といった問題です。
この段階では、問題集を解いたときに、
「解けた・解けなかった」だけでなく、「どの部分までは自分で考えられたのか」
を確認します。
最初の方針は正しかったが途中の計算で間違えた場合と、何を使えばよいか全く分からなかった場合では、復習する内容が違うからです。
後者が多い場合は、標準問題を何度も読み直すより、典型問題へ戻って必要な解法を確認した方がよい場合があります。
また、大学受験の理系だからといって、全員が同じ実戦問題集まで進む必要はありません。
どのレベルまで演習するかは、志望大学・学部の入試問題によって変わります。
したがって、標準・実戦問題集は、
「有名だから取り組む」のではなく、「志望校の問題を解くために、このレベルの演習が必要だから使う」
という位置づけにします。
過去問は参考書を終えてから使う?
過去問はすべての問題集を終えてから初めて使うものではありません。
基礎・典型問題がある程度仕上がった段階で確認し、その結果をその後の問題集選びに使います。
もちろん、まだ教科書の基本問題で止まる段階から、本格的な過去問演習を繰り返す必要はありません。
一方で、
「基礎問題集を終わらせる」
「標準問題集を終わらせる」
「難関大向け問題集を終わらせる」
「最後に過去問を始める」
という順番に固定すると、実際の志望校で必要のない問題まで長期間取り組む可能性があります。
ある程度の基礎ができたら志望校の過去問を確認し、
- どの単元が頻出なのか
- 基本・標準問題でどこまで得点できるのか
- どの問題で方針が立たないのか
- 記述や計算にどの程度の力が必要なのか
を確認します。
そこで不足している内容が分かったら、その内容を練習できる問題集へ戻ります。
たとえば、過去問の数列が解けなかったとしても、必ずしも「もっと難しい数列の問題集」が必要とは限りません。
漸化式の典型的な処理を自分で選べなかったのであれば、典型問題へ戻ります。
一方、典型的な処理はできているものの、複数の条件を組み合わせるところで止まったのであれば、標準・実戦レベルの演習を追加することを検討します。
このように、
基礎 → 典型問題 → 標準・実戦 → 過去問
と一方向に進むだけではなく、
過去問 → 原因を確認 → 必要なレベルの問題集へ戻る → 類題で確認 → 再び過去問
という流れも作ります。
理系数学の参考書ルートは「何冊終わらせるか」ではなく、志望校の問題と現在の実力との差を一つずつ埋めるために組むことが大切です。
理系の大学受験生におすすめの数学問題集は?
大学受験の理系におすすめの数学問題集は、一冊に決められるものではありません。
現在の理解度と志望校で必要なレベルに合わせて選ぶことが大切です。
特に数学が苦手な理系受験生の場合、「難関大学の合格者が使っているから」という理由だけで問題集を選ぶと、解説を読むことが学習の中心になってしまうことがあります。
この記事では、問題集を次のように位置づけます。
基礎を確認したい
→ 白チャートなど大学入試の典型問題を練習したい
→ 基礎問題精講など標準~応用レベルの演習が必要
→ 標準問題精講・重要問題集など難関大に向けてさらに高度な演習が必要
→ 理系数学の良問プラチカなど
ここで示した順番を、すべての受験生が最初から最後まで進める必要はありません。
「どの問題集が一番よいか」ではなく、「今の自分にはどの問題集が必要か」で選ぶことが基本です。
白チャートはどんな理系受験生におすすめ?
白チャートは、数学が苦手で、教科書の基本事項から入試に向けた基礎まで確認したい理系受験生に向いています。
特に、
- 学校の授業を受けても理解できていない単元がある
- 教科書の基本問題でも解き方が分からないことがある
- 公式は覚えているが、問題になると使えない
- 数学I・Aや数学II・B・Cまで戻って確認したい
- 難しい問題集では解説を読むことが中心になっている
という場合は、基礎レベルの教材から確認することを検討してよいでしょう。
数学が苦手な受験生の場合、「大学受験なのだから、もっと入試らしい問題を解かなければならない」と考えることがあります。
しかし、たとえば数学IIIの微分・積分で苦戦している原因が、数学IIの微分・積分や、さらに前に学習した関数・方程式の扱いにあることもあります。
その場合は、現在学校で習っている範囲だけを繰り返すより、必要な単元まで戻って確認します。
ただし、白チャートなどの基礎固めの参考書を使う場合も、「最初のページからすべて解く」と決める必要はありません。
すでに自力で解ける単元まで同じように時間をかけると、大学受験までの限られた学習時間を使ってしまいます。
白チャートなどの基礎教材は、ページを進めることを目的にするのではなく、自力で解けない基本事項を見つけて補うために使うことが重要です。
基礎問題精講はどの段階で使う?
基礎問題精講は、教科書の基本事項をある程度使えるようになった後、大学入試の典型問題で「どの考え方を使うか」を練習する段階で使います。
「基礎」という名前がついているため、数学が苦手なら最初から基礎問題精講を使えばよいと考えるかもしれません。
しかし、問題を解くために必要な公式や基本事項そのものが分からない場合は、教科書やより基本的な教材まで戻った方が取り組みやすいことがあります。
一方で、
- 教科書の例題や基本問題は解ける
- 基本公式は理解している
- 基本的な計算はできる
- しかし入試問題になると何を使えばよいか分からない
という場合は、典型的な入試問題の演習へ進む段階です。
ここで重要なのは、解法を覚えるだけで終わらせないことです。
たとえば、ある問題の解説を読んで、
「ここでは相加平均と相乗平均の関係を使うのか」
と分かったとします。
その直後に同じ問題を解けば、解法を覚えているため正解できる可能性があります。
しかし、本当に確認したいのは、別の問題を見たときにも、
「この条件なら相加平均と相乗平均の関係を使えそうだ」
と自分で考えられるかどうかです。
そのため私は、問題を解き直すだけでなく、同じ考え方を必要とする類題でも確認することを重視しています。
基礎問題精講などの典型問題集では、「解答を覚える」のではなく、「問題から必要な解法を判断できるようにする」ことを目標にします。
標準問題精講・重要問題集などは誰に必要?
標準問題精講や重要問題集などは、基本・典型問題を自力で処理できるようになり、志望校対策としてさらに標準~応用レベルの演習が必要な受験生が検討する問題集です。
この段階では、典型問題で身につけた一つの解法をそのまま使うだけでは解けない問題も出てきます。
複数の知識を組み合わせたり、条件を整理して自分で方針を立てたりする力が必要になります。
そのため、基礎・典型問題の段階で、
- 問題を見るたびに解説を確認している
- 典型的な解法を自分で選べない
- 基本的な式変形や計算で頻繁に止まる
- 一度解いた問題でも、時間を置くと方針が分からなくなる
という状態なら、すぐに問題集の難易度を上げる必要はありません。
たとえば標準問題を解いていて、解説の中に出てくる基本的な解法そのものが分からないのであれば、その標準問題を何度も読み直すより、該当する典型問題へ戻ります。
反対に、基本的な解法は分かっているものの、
「複数の考え方をどう組み合わせるか」
「条件をどのように式へ変換するか」
というところで止まるのであれば、標準レベルの数学問題集で演習する意味があります。
また、標準問題精講と重要問題集のどちらを選ぶ場合でも、問題集の名前だけで「この大学ならここまで」と決めるのではなく、実際の志望校の過去問と照らして必要性を判断することが大切です。
問題集の難易度を上げること自体が目的ではありません。
志望校の入試問題を解くために不足している力を補う必要があるときに、標準・応用レベルの問題集を使います。
理系数学の良問プラチカなど難しい問題集は必要?
理系数学の良問プラチカなどの難しい問題集は、すべての理系受験生に必要なわけではありません。
志望校の出題レベルと、現在の実力との間に必要性がある場合に使います。
難関大学を志望していると、
「基礎問題集だけでは足りないのではないか」
「有名な難問集まで終わらせないと合格できないのではないか」
と考えることがあります。
しかし、難しい問題集に取り組む時間を増やした結果、入試で得点したい基本・標準問題の復習時間が減ってしまっては、問題集を追加する意味が薄くなります。
まず確認したいのは、志望校の過去問です。
過去問を解いたとき、
- 基本・標準レベルの問題は安定して得点できる
- 典型問題では使う解法を自分で判断できる
- 解法の知識そのものが原因で止まることは少ない
- そのうえで、難しい問題への対応力をさらに上げる必要がある
という状態なら、より難度の高い問題集を取り入れることを検討できます。
一方、過去問で得点できない原因が、
「典型問題の解法を忘れていた」
「基本的な公式を使えなかった」
「標準問題でも方針が立たなかった」
というものであれば、難しい問題集を追加する前に、その原因となったレベルまで戻ります。
これは、難関大学を目指す場合でも同じです。
難しい問題集を使っていることと、難しい入試問題を自力で解けることは同じではありません。
問題集を選ぶ際には、評判や数学参考書の難易度ランキングだけで判断するのではなく、
「この問題集で身につける内容が、今の自分と志望校の間に本当に必要なのか」
を確認します。
そのため、大学受験の理系におすすめの数学問題集は、最終的には一人ひとりの現在の理解度によって変わります。
基礎が不足しているなら基礎へ戻り、典型問題を自力で処理できるようになったら標準へ進み、さらに必要であれば難関大向けの演習へ進む。
問題集の冊数を増やすのではなく、今使っている問題集で身につけるべきことを自力で使えるようにしてから、必要な次の一冊へ進むことが重要です。
志望大学別では、数学問題集をどこまで進めればよい?
数学問題集をどこまで進めるかは、「MARCHだからこの問題集」「国公立だからこの問題集」と大学群だけで決めるのではなく、志望する大学・学部の過去問から逆算して決めます。
同じ大学群でも、学部や入試方式によって数学の出題内容や求められる力は異なります。
そのため、大学受験の理系数学では、
① 志望校の過去問で必要なレベルを確認する
↓
② 現在、自力で解けるレベルを確認する
↓
③ その差を埋めるために必要な問題集を選ぶ
という順番で考えます。
難関大学を志望しているから難しい問題集まで進むのではありません。
反対に、基礎レベルの問題集を一冊終えたから、それだけで志望校対策が完了するとも限りません。
問題集の到達点は大学名ではなく、実際の入試問題を解くために必要な力から決めることが大切です。
MARCHなど私立理系ではどのレベルまで必要?
MARCHなどの私立理系を志望する場合も、「この問題集まで終わらせればよい」と一律には決められません。まず志望大学・学部の過去問を確認し、必要なレベルまで問題集で補います。
MARCHという大学群だけを見て、
「標準問題集まで必要」
「この参考書を終わらせれば十分」
と決めてしまうと、実際の入試問題とのずれが生じることがあります。
同じ大学の理系学部でも、受験する学部・方式によって対策すべき内容が変わる可能性があるためです。
そこで、まず過去問を確認します。
見るのは、単に「難しい・簡単」ということだけではありません。
- どの単元から出題されているか
- 基本・典型問題でどこまで対応できるか
- 標準レベルの問題にどの程度対応する必要があるか
- 制限時間内にどの程度処理できるか
- 自分がどの問題で止まっているか
まで確認します。
たとえば過去問を解いてみて、典型的な微分・積分や数列、ベクトルなどで方針が立たないのであれば、難しい問題集へ進む前に、典型問題の解法を自分で選べる状態にすることを優先します。
一方、典型問題は安定して解けるものの、少し条件が変わった問題になると対応できないのであれば、標準レベルの問題集で演習を増やすことを検討します。
このときも、
「標準問題集を何周したか」
ではなく、
「初めて見る問題でも、これまで学習した考え方を自分で選んで使えるか」
を確認します。
特に数学が苦手な受験生の場合、MARCH理系を志望しているからといって、最初から標準・応用問題ばかりを解く必要はありません。
現在の基礎・典型問題の完成度を確認し、不足している段階から積み上げることを優先します。
国公立理系の参考書ルートはどう考える?
国公立理系の参考書ルートは、共通テストと二次試験を分けて考え、特に二次試験については志望大学の出題内容に合わせて問題集を選びます。
「国公立理系の参考書ルート」を探していると、基礎問題集、標準問題集、難関問題集というように、使用する教材が順番に紹介されていることがあります。
こうしたルートは全体像を把握するには役立ちますが、すべての国公立大学の受験生が同じところまで進むわけではありません。
特に確認したいのが、二次試験の数学です。
志望大学・学部の過去問を見て、
- 数学が何題出題されるのか
- どの分野からの出題が多いのか
- 基本・標準問題をどこまで確実に取りたいのか
- 記述式の答案をどこまで作る必要があるのか
- 試験時間に対して問題量はどうか
といった点を確認します。
そのうえで、現在の実力との差を見ます。
たとえば、解法そのものは分かっているのに答案としてうまくまとめられないのであれば、さらに難しい問題を増やすことだけが対策ではありません。
途中式や根拠を書きながら、正解までの過程を記述する演習が必要になります。
反対に、記述以前に問題を見ても方針が立たないのであれば、典型問題や標準問題へ戻って、使う考え方を自分で選ぶ練習を優先します。
共通テストについても、二次試験用の問題集を進めているから、それだけで十分とは限りません。
共通テストでは実際の出題形式を使った演習も必要になるため、志望校対策とは別に現在の得点状況を確認して学習内容を調整します。
したがって、国公立理系だから、
基礎問題集 → 標準問題集 → 難関問題集
をすべて終わらせる、と最初から決める必要はありません。
共通テストと二次試験で必要な力を確認し、現在不足している内容を補うように参考書ルートを組むことが重要です。
旧帝大・難関大志望なら難問集まで必要?
旧帝大などの難関大学を志望していても、必ず難問集まで進まなければならないとは限りません。
まず標準的な問題を自力で解ける状態を作り、そのうえで過去問から必要性を判断します。
難関大学を目指していると、難しい問題集に取り組むことを優先したくなるかもしれません。
しかし、難問に時間を使っていても、標準的な問題で、
- 必要な解法を選べない
- 基本的な計算で失点する
- 一度解いた典型問題を解き直せない
- 条件が少し変わると方針が立たない
という状態が残っているのであれば、先に改善したい部分があります。
私は数学が苦手な生徒を指導するとき、難しい問題が解けなかったという理由だけで、さらに難しい問題を追加することはしていません。
まず、
「その問題を正解するために、何ができなかったのか」
を確認します。
たとえば難関大学の過去問で積分の問題が解けなかった場合でも、原因はさまざまです。
積分計算そのものに問題があるなら、計算練習まで戻ります。
典型的な置換積分や部分積分を選べなかったのであれば、そのレベルの問題へ戻ります。
基本的な処理はできているものの、複数の考え方を組み合わせる部分で止まったのであれば、そこで初めて、より高度な入試問題の演習を検討します。
つまり、
難関大学志望=難問集が必要
ではなく、
過去問で必要な力 − 現在できること=これから問題集で補う内容
と考えます。
この考え方であれば、数学が苦手な状態から難関大学を目指す場合でも、「難しい問題集を急いで終わらせなければならない」と考える必要はありません。
基礎に不足があれば基礎へ戻り、典型問題が不十分なら典型問題を練習し、標準問題まで自力で解けるようになったうえで、志望校に必要なら難しい問題へ進みます。
志望大学の難易度が高いほど難しい問題集を使う、という単純な考え方ではなく、過去問を基準に「今の自分に足りない問題」を選ぶことが、理系数学の問題集選びでは重要です。
数学問題集は何周すれば次へ進んでよい?
数学問題集は「3周したら次へ」のように回数だけで判断するのではなく、解説を見ずに自力で正解できるようになったかを確認してから次へ進みます。
同じ問題集を繰り返すことは、大学受験の数学では大切な学習です。
しかし、
「1周目が終わったから2周目」
「3周したから次の問題集」
と回数だけを目標にすると、まだ自力で解けない問題を残したまま先へ進んでしまうことがあります。
反対に、すでに自力で解ける問題まで毎回同じように解き直せば、必要以上に時間を使うことになります。
そのため私は、問題集を何周したかよりも、
- 解説を見ずに方針を立てられるか
- 必要な公式や解法を自分で選べるか
- 途中で止まらず正解まで出せるか
- なぜその解き方を使うのか説明できるか
- 同じ考え方を使う類題でも解けるか
を確認します。
問題集を繰り返す目的は「周回数を増やすこと」ではなく、一人で問題を解ける状態にすることです。
1周終わったら次の問題集へ進んでよい?
1周終わったという理由だけで次の問題集へ進むのではなく、間違えた問題や解説を見た問題を、何も見ずに解き直せるか確認します。
1周目には、問題を大きく3つに分けておくと復習しやすくなります。
① 自力で正解できた問題
方針から計算まで自分で進められた② 途中まではできた問題
方針は分かったが、途中の処理や計算で止まった③ 解説を見なければ解けなかった問題
最初の方針や使う解法を自分で決められなかった
特に復習したいのは②と③です。
ただし、②と③も同じように扱う必要はありません。
たとえば、方針は正しく立てられていたものの計算ミスで間違えた問題と、解説を見るまで何をすればよいか分からなかった問題では、必要な復習が異なります。
前者なら計算過程や見直し方を確認します。
後者なら、
「問題のどの条件に注目すれば、その解法を考えられたのか」
まで戻って確認します。
そして解説を閉じ、もう一度最初から解き直します。
ここで正解できれば一度は理解できたことになりますが、それだけで次の問題集へ進むとは限りません。
時間を置いてもう一度解いたときにも、自分で考え方を再現できるかを確認します。
したがって、1周目は問題集を「終わらせる」ためだけではなく、自分がどの問題を自力で解けて、どこに課題があるのかを確認する機会と考えるとよいでしょう。
解説を見た後に解ければ「できた」と考えてよい?
解説を見た直後に解けただけでは、「自力で解けるようになった」とは判断しません。
時間を置いた解き直しや類題でも、同じ考え方を自分で使えるか確認します。
これは、私が数学を指導するときに特に重視している点です。
問題が解けなかったときは、まず、
アウトプット → インプット → アウトプット
の順番で確認します。
最初に、自分の力で問題を解いてみます。
そこで止まったら、解説や説明によって必要な知識・考え方を確認します。
そして、そのまま解説を読み続けるのではなく、もう一度何も見ずに問題を解きます。
流れを整理すると、
① まず自力で解く
↓
② どこで止まったのか確認する
↓
③ 必要な公式・知識・考え方を確認する
↓
④ 解説を閉じて、もう一度自力で解く
↓
⑤ 同じ考え方を使う類題を解く
となります。
ここで⑤まで確認する理由があります。
解説を見た直後は、「次に何をするか」を覚えているため、考え方を十分理解していなくても同じ問題なら解けることがあるからです。
たとえば、ある確率の問題で解説を読んだ後に余事象を使って正解できたとします。
その場合、
「この問題は余事象を使う」
という手順だけを覚えている可能性もあります。
そこで、同じ考え方を使う別の問題を出して、
「この問題でも、余事象から考えた方がよい」と自分で判断できるか
を確認します。
私が指導するときには、正解した生徒に、
「どのように考えることをきっかけとして正解できたのか」
を聞くことがあります。
生徒が考え方を説明できたら、さらにその考え方を別の問題で実際に使えるかを確認します。
解説の内容を理解することがインプットであり、それを使って何も見ずに問題を解くことがアウトプットです。
大学受験の数学では、このアウトプットまで確認することが重要です。
問題集を卒業する基準は?
問題集を次へ進んでよいかは、「何周したか」ではなく、学習した考え方を解説なしで使い、類題でも正解できるかを基準にします。
たとえば3周した問題集でも、解説を見なければ方針が立たない問題が多いのであれば、まだ確認する内容が残っています。
一方、2周しかしていなくても、多くの問題について、
- 問題文から必要な条件を読み取れる
- 使う公式や解法を自分で選べる
- 「なぜその解法を使うのか」を説明できる
- 解説を見ずに最後まで正解できる
- 同じ考え方を使う類題でも対応できる
という状態になっていれば、次のレベルへ進むことを検討できます。
ここで特に大切なのが、同じ問題を覚えて解けることと、その問題で学んだ考え方を使えることを区別することです。
たとえば数列の問題を何度も解き、
「この問題では、この式変形をして、この漸化式にする」
という手順を覚えたとします。
その問題自体は正解できるようになります。
しかし、数字や条件、問われ方が変わったときに同じ考え方を選べなければ、まだ入試問題に対応できる状態とは言いにくいでしょう。
そのため、問題集を卒業する前には、同じ問題の解き直しだけでなく、同じ考え方を必要とする類題での演習も取り入れます。
すべての問題を完全に解けるまで次へ進んではいけない、という意味ではありません。
苦手な単元は以前の問題集で復習しながら、得意な単元は次のレベルへ進むという方法もあります。
重要なのは、問題集を一冊単位で考えすぎないことです。
「3周したから卒業」ではなく、「この問題集で身につけるべき考え方を、自分の力で使えるようになったから次へ進む」と判断することが、数学問題集を進めるときの基本です。
数学問題集をやっても成績が上がらないときは何を見直す?
数学問題集に取り組んでいるのに成績が上がらない場合は、問題集を増やす前に、「解説なしで解けるようになっているか」「自分で解法を選べているか」「前提となる内容に抜けがないか」を確認します。
問題集を何冊も進めていても、解説を読んで理解することが学習の中心になっていると、初めて見る問題を自力で解くところまでつながらないことがあります。
特に数学が苦手な理系受験生を指導していると、
- 解説を読めば内容は理解できる
- 一度解いた問題なら解き直せる
- 公式もある程度覚えている
- それでも模試や初めて見る問題では手が止まる
ということがあります。
このような場合、新しい数学問題集を追加することが最初の対応とは限りません。
「なぜその問題を自力で解けなかったのか」を確認し、原因に応じて学習方法や戻るレベルを決めることが重要です。
解説を読めば分かるのに、自力で解けないのはなぜ?
解説を理解することと、問題を見て必要な解法を自分で選ぶことは別だからです。
数学の解説には、
「ここでこの公式を使う」
「このように式変形する」
「この条件から場合分けする」
といった、正解までの道筋がすでに示されています。
そのため、解説を読んでいると、
「この式を使えばよかったのか」
「ここで場合分けすればよいのか」
と理解できます。
しかし、実際の大学入試では、当然ながらどの公式や解法を使うのかは書かれていません。
問題文を読み、自分で、
「何に注目するのか」→「どの知識を使うのか」→「どのように式を立てるのか」
を考える必要があります。
たとえば、最大値・最小値を求める問題の解説を読んで、「微分して増減表を作ればよい」と理解したとします。
ここで確認したいのは、微分の計算ができることだけではありません。
別の問題を見たときに、
「この問題では微分を使って変化を調べよう」
と自分で判断できるかどうかです。
そのため私は、解説を確認した後には、いったん解説を閉じてもう一度問題を解いてもらいます。
さらに、
「どのように考えることをきっかけとして、この解き方を選んだのか」
を確認します。
ここで、
「解説にそう書いてあったから」
ではなく、
「最大・最小を求めたいので、まず関数の増減を調べようと考えた」
と説明できれば、考え方の理解が進んでいることが分かります。
ただし、説明できただけで終わりにはしません。
同じ考え方を使う別の問題でも、その解法を自分で選んで正解できるかを確認します。
「解説を読めば分かる」状態から、「問題を見て自分で考え方を選べる」状態へ変えることが、数学の成績につなげるために必要です。
同じ問題は解けるのに、類題が解けないのはなぜ?
同じ問題の解答手順を覚えていても、「何をきっかけにその解法を使うのか」が整理できていないと、条件が変わった類題では解けないことがあります。
同じ問題を何度も解き直すこと自体は大切です。
一度間違えた問題をそのままにせず、正解できるまで復習する必要があります。
ただし、繰り返しているうちに、
「1行目はこの式を書く」
「次にこの公式を使う」
「最後にこの形へ変形する」
という手順そのものを覚えることがあります。
これだけでは、問題文や数値が変わったときに、同じ解法を使う問題だと気づけない場合があります。
たとえば、ある図形問題で相似を使って正解したとします。
同じ問題を解き直せるようになったら、次に確認したいのは、
「なぜこの図で相似を考えたのか」
という部分です。
「平行な直線があるから同位角・錯角を確認した」
「共通する角と等しい角が見つかったので相似を考えた」
というように、解法を選ぶきっかけまで確認します。
そのうえで、図の形や数値が違っていても同じ考え方を使う問題を解きます。
高校数学でも同様です。
たとえば数列で漸化式の変形方法を覚えるだけではなく、
「この形の漸化式を見たときに、何を作れば既知の数列として扱えるのか」
まで確認します。
この学習では、単に同じ単元の問題を選べばよいわけではありません。
同じ「考え方」を使って解く類題を選ぶことが重要です。
私が家庭学習として類題を出すときにも、元の問題と見た目が似ているかだけではなく、正解するために使う考え方が同じかを確認して選びます。
そして次の指導時に、解説なしでその考え方を使えるかをもう一度確認します。
同じ問題を覚えて解ける状態から、同じ考え方を別の問題にも使える状態へ進むことが、入試問題への対応につながります。
難しい問題集へ変えれば数学は伸びる?
成績が上がらない原因が基本事項や典型問題の理解不足にあるなら、難しい問題集へ変えるより、必要なレベルまで戻って学習することを優先します。
大学受験の理系数学では、勉強を続けていると難しい問題集が気になることがあります。
特に志望校のレベルが高い場合、
「今の問題集では簡単すぎるのではないか」
「もっと難しい問題を解かないと入試に間に合わないのではないか」
と考えることもあるでしょう。
しかし、成績が上がらない原因を確認せずに問題集の難易度だけを上げると、解説を見る問題がさらに増えることがあります。
まず、現在使っている問題集で間違えた問題について、
① 計算で間違えたのか
→ 計算方法や確かめ方を見直す② 公式・定義を理解していなかったのか
→ 教科書や基礎教材へ戻る③ 公式は知っていたが、使うと判断できなかったのか
→ 基本・典型問題で解法を選ぶ練習をする④ 典型的な解法は使えたが、組み合わせ方が分からなかったのか
→ 標準・実戦レベルの演習を検討する
というように原因を分けて考えます。
たとえば、標準問題で解説を読むたびに、
「この公式を忘れていた」
「この基本的な変形を知らなかった」
という状態であれば、さらに難しい問題集へ進む段階ではない可能性があります。
一方で、基本事項や典型的な解法は自力で使えていて、複数の考え方を組み合わせるところで止まっているのであれば、標準・応用レベルの演習を増やすことが次の課題になります。
つまり、問題が解けなかったときに確認したいのは、
「もっと難しい問題を解く必要があるか」ではなく、「正解するために必要だった何ができなかったのか」
です。
ここが分かれば、教科書へ戻るのか、基礎問題を解くのか、典型問題を復習するのか、標準問題へ進むのかを決めやすくなります。
数学問題集をやっても成績が上がらないときは、新しい一冊を探す前に、間違えた原因を分けて確認し、その原因を解消できるレベルの問題へ戻ることが大切です。
過去問と数学問題集はどう使い分ける?
過去問は「志望校で何が求められているか」と「現在の自分に何が足りないか」を確認するために使い、数学問題集は、その不足している力を身につけるために使います。
そのため、数学問題集をすべて終えてから過去問へ進むと考える必要はありません。
ある程度の基礎・典型問題を学習した段階で志望校の過去問を確認すると、
- どの単元で得点できているか
- どの問題で方針が立たないか
- 基礎・典型問題の理解に不足がないか
- 標準・応用レベルの演習が必要か
- 記述や計算速度に課題があるか
といったことが分かります。
そして、解けなかった原因に応じて問題集へ戻ります。
つまり、
問題集で力をつける → 過去問で確認する → 課題を見つける → 必要な問題集へ戻る → 再び過去問で確認する
という使い方が基本です。
過去問と問題集を別々の学習として考えるのではなく、行き来しながら志望校に必要な力を身につけていきます。
過去問はいつから始める?
教科書の基本事項と典型的な入試問題をある程度自力で解けるようになったら、すべての問題集が終わるのを待たずに志望校の過去問を確認します。
ここでいう「過去問を始める」は、最初から合格点を取ることを目的に何年分も繰り返す、という意味ではありません。
早い段階では、志望校の数学で何が求められているのかを確認するために過去問を使うという考え方もできます。
たとえば、
- どのような問題が出題されているのか
- 自分が学習した内容でどこまで対応できるのか
- どの単元がまだ不足しているのか
- 問題集で学んだ典型的な解法が実際の入試で使えるか
などを確認します。
一方、教科書の基本問題でも解説を見ることが多く、典型問題についても方針を立てられない段階では、過去問を何年分も解き続けることを優先する必要はありません。
過去問を見ても、ほとんどの問題について解説を読むことになるからです。
その場合は、過去問から現在の課題を確認したうえで、教科書や基礎レベルの問題集へ戻ります。
反対に、
「問題集をすべて完璧にしてからでないと過去問を解いてはいけない」
と考える必要もありません。
問題集だけを長期間続けていると、自分が取り組んでいる問題と志望校の入試問題との間に、どのような差があるのかを確認できないまま学習が進むことがあります。
過去問を始める時期は「問題集を何冊終えたか」ではなく、基礎・典型問題をある程度自力で解けるようになったかを一つの目安にします。
過去問が解けなかったら何をする?
過去問が解けなかったときは、すぐに解説を覚えるのではなく、「なぜ解けなかったのか」を確認し、その原因に合った問題まで戻ります。
同じ「不正解」でも、原因は一つではありません。
たとえば、次のように分けられます。
① 公式や定義を理解していなかった
→ 教科書・基礎問題へ戻る② 公式は知っていたが、使うと判断できなかった
→ 典型問題で解法を選ぶ練習をする③ 方針は立ったが、途中の処理ができなかった
→ 該当する計算・式変形・関連単元を確認する④ 一つひとつの解法は知っていたが、組み合わせられなかった
→ 標準・実戦レベルの演習を行う⑤ 解ける問題だったが、時間内に処理できなかった
→ 解答時間も含めて演習方法を見直す
このように原因を分けると、過去問で間違えたからといって、必ずしも「もっと難しい問題集」が必要なわけではないことが分かります。
たとえば、大学受験の理系数学の過去問で積分の問題が解けなかったとします。
解説を読んで、
「部分積分を使えばよかった」
と分かっただけで終えるのではなく、
「なぜこの問題では部分積分を考える必要があったのか」
まで確認します。
そして、必要であれば問題集へ戻り、部分積分を使う典型問題や類題を解きます。
そのときも、解説を見ながら解くのではなく、自分で部分積分を使うと判断できるかを確認します。
その後、元の過去問をもう一度何も見ずに解きます。
つまり、
過去問でアウトプット → 解けなかった原因を確認 → 問題集で必要な内容をインプット → 類題でアウトプット → 過去問でもう一度アウトプット
という流れです。
過去問の解説を理解することをゴールにせず、最終的に同じ問題を解説なしで正解できるところまで戻すことが重要です。
過去問から問題集へ戻るときは何を探す?
過去問から問題集へ戻るときは、「同じ単元の問題」だけではなく、「正解するために必要だった考え方を使う問題」を探します。
たとえば、志望校の過去問で数列の問題を間違えたとします。
そこで問題集の「数列」のページを最初からすべて解き直す方法もありますが、まずは何ができなかったのかを確認します。
漸化式を見て、
「この形なら特性方程式を利用する」
「両辺の差を考える」
「新しい数列を置いて処理する」
といった方針を立てられなかったのであれば、その考え方を使う問題を選びます。
一方、漸化式の処理はできていたものの、その後の和の計算で止まったのであれば、戻るべき問題は異なります。
図形でも同じです。
ベクトルの問題が解けなかったからといって、ベクトルの問題を無作為に何十問も解くのではなく、
「内分点をベクトルで表せなかったのか」
「平行・垂直などの図形条件を式にできなかったのか」
「位置ベクトルを設定するところで止まったのか」
まで確認します。
私は問題を復習するとき、単元名だけではなく、
「どのように考えることをきっかけとして正解できる問題なのか」
を確認することを重視しています。
その考え方が分かったら、同じ考え方を必要とする類題を選びます。
そこで解説を見ずに正解できれば、元の過去問へ戻ります。
この方法なら、過去問で見つかった課題に対して、必要な演習を絞って行うことができます。
過去問は合否を確認するためだけの教材ではなく、今後どの問題集のどの問題へ戻るべきかを見つけるためにも使えます。
そのため、大学受験の理系で数学問題集を使うときは、「問題集を終えてから過去問」ではなく、「問題集と過去問を行き来しながら不足している力を補う」ことを意識するとよいでしょう。
大学受験の理系数学で問題集を選ぶときの最終チェック
大学受験の理系数学で問題集を選ぶときは、「評判がよいか」「難関大向けか」だけではなく、今の自分がその問題集を使って自力で解ける状態を作れるかを最後に確認します。
ここまで、基礎・標準・難関という問題集のレベルや、志望大学別の考え方、過去問との使い分けについて説明してきました。
実際に問題集を選ぶ段階では、次の点を確認してみてください。
数学問題集を選ぶときの最終チェック
- 今の自分の理解度に合っているか
- 解説を読んで終わる問題ばかりになっていないか
- 志望校の過去問を解くために必要な内容が含まれているか
- 間違えた問題を繰り返し復習できるか
- 問題集を終えること自体が目的になっていないか
- 次の問題集へ進む条件を自分で確認できるか
特に数学が苦手な理系受験生の場合は、新しい問題集を探す前に、現在使っている問題集が本当に合っていないのかも確認したいところです。
問題集そのものを変更しなくても、使い方を変えることで改善できる場合があるからです。
今使っている数学問題集を続けるべき?
現在の問題集で、自力で取り組める問題があり、間違えた後に必要な内容を理解して解説なしで解き直せるのであれば、すぐに別の問題集へ替える必要はありません。
問題集を使っていて解けない問題が出てくると、
「この問題集は自分に合っていないのではないか」
「もっと分かりやすい参考書に替えた方がよいのではないか」
と考えることがあります。
しかし、問題集には本来、まだ解けない内容を学習する役割もあります。
そのため、間違える問題があることだけを理由に問題集を変更する必要はありません。
確認したいのは、間違えた後の状態です。
たとえば、
- 解説を読めば、どこで考え方を間違えたか分かる
- 必要な公式や解法を確認すれば理解できる
- 解説を閉じた後には自力で解き直せる
- 時間を置いても再び解ける
- 同じ考え方を使う類題にも取り組める
という状態なら、その問題集を使って学習を続けることができます。
一方で、ほとんどの問題について、
「問題を読む」
↓
「何をすればよいか分からない」
↓
「すぐに解説を見る」
という流れになっている場合は、問題集の難易度が現在の理解度に合っているかを確認します。
解説を読んでも途中の式変形や使われている公式が分からないのであれば、さらに前の段階へ戻る必要があるかもしれません。
逆に、ほとんどの問題を短時間で自力で解け、間違える問題もほとんどないのであれば、次のレベルへ進むことを検討できます。
つまり、
「何問間違えたか」だけではなく、「間違えた後に自分の力で解けるところまで持っていけるか」
を見ることが大切です。
また、周囲で評判のよい数学問題集があったとしても、現在使っている教材で必要な学習ができているのであれば、途中で何冊も追加する必要はありません。
今使っている問題集で自力で解ける問題を増やせているなら、まずその一冊を活用することを優先します。
新しい問題集へ進んでよいかは何で決める?
新しい問題集へ進むかどうかは、現在の問題集を何周したかではなく、そこで学習した考え方を解説なしで使い、類題でも正解できるかで判断します。
たとえば、基礎レベルの問題集を3周したとしても、
「この問題は前にも解いたから、この公式を使う」
と解答手順を覚えているだけなら、初めて見る問題に対応できるとは限りません。
そこで、次の問題集へ進む前に確認したいのが、
「なぜその解法を選んだのか」
という部分です。
たとえば二次関数の最大・最小の問題なら、
「以前この問題で平方完成したから」
ではなく、
「最大値・最小値を求めたいので、まずグラフの頂点と定義域の位置関係を確認する必要がある」
と考えられるかを確認します。
数列なら、
「この問題ではこの式変形をした」
と覚えるのではなく、
「この形の漸化式なので、既知の数列として扱える形に変形できないか考えた」
というように、最初の考え方まで確認します。
さらに、その考え方を使う類題を解いてみます。
そこで問題の見た目や数字が変わっても、自分で同じ考え方を選び、最後まで正解できるのであれば、その内容は身についてきていると判断できます。
新しい問題集へ進む前には、次のように確認するとよいでしょう。
次の問題集へ進む目安
- 基本的な問題は解説なしで解ける
- 問題を見て必要な公式・解法を自分で選べる
- なぜその解法を使うのか説明できる
- 間違えた問題も、復習後には自力で解き直せる
- 同じ考え方を使う類題にも対応できる
- 志望校の過去問を確認すると、次のレベルの演習が必要になっている
最後の項目も重要です。
現在の問題集を十分に使えるようになったとしても、志望校の過去問を解くために次のレベルが必要でなければ、難しい問題集を追加することが最優先とは限りません。
反対に、現在の問題集で学んだ内容は自力で使えているものの、過去問ではさらに複数の知識を組み合わせる力が必要なのであれば、標準・実戦レベルの演習へ進む理由があります。
したがって、大学受験の理系で数学問題集を選ぶときは、「有名だから」「3周したから」「難関大を受けるから」ではなく、現在の問題集で学んだことを自力で使えるようになったか、その先の演習が志望校対策として必要かを確認して決めることが大切です。
よくある質問
Q1.数学の問題集は1冊に絞った方がよい?
同じ目的・レベルの問題集を何冊も並行して進めるより、まずは1冊を自力で解ける状態にすることをおすすめします。
問題集を増やしても、解説を読んで次の問題へ進む学習を繰り返しているだけでは、使える解法が増えたとは限りません。
一方で、目的が異なる教材を併用することはあります。たとえば、基本事項を確認する参考書と、入試問題を演習する問題集を使い分ける方法です。
「何冊持っているか」ではなく、それぞれの教材を何のために使うのかを明確にすることが大切です。
Q2.数学参考書の難易度ランキングは問題集選びの参考になる?
難易度ランキングは候補を絞る参考にはなりますが、それだけで自分に合う問題集を決めない方がよいでしょう。
同じ「標準レベル」とされる問題集でも、問題の構成や解説の詳しさ、前提としている知識などには違いがあります。
また、自分では標準問題集が必要だと思っていても、実際に解いてみると基本的な公式の使い方で止まっていることもあります。
ランキング上の難易度と、自分が実際に解けるレベルは分けて考えることをおすすめします。
Q3.青チャートと白チャートは両方やった方がよい?
基本的には、同じ範囲を学習するために白チャートと青チャートの両方を最初から最後まで取り組む必要はありません。
大切なのは、「白チャートを終えたら青チャート」という本の順番ではなく、現在の理解度と志望校で必要な数学との差です。
基本事項の確認が必要なら、そのための教材を使います。基本・典型問題を自力で解けるようになっているなら、次に必要なのが別の網羅系参考書なのか、入試問題の演習なのかを考えます。
参考書を替えること自体を目標にせず、次に身につける必要がある力から教材を選びましょう。
Q4.数学の問題集は答えをノートに書いた方がよい?
途中の考え方を後から確認できるように、式や必要な説明を残して解くことをおすすめします。
大学受験数学では、最終的な答えが間違っていた場合でも、途中まで正しく考えられていることがあります。
反対に、答えが合っていても、途中の根拠が曖昧だったり、偶然正しい式を選んでいたりすることもあります。
途中式を残しておけば、「どこまでは自力でできて、どこから間違えたのか」を確認しやすくなります。
特に間違えた問題では、答えだけを直すのではなく、最初に考え方がずれた箇所を確認することが重要です。
Q5.数学の問題集で分からない問題は何分くらい考えるべき?
時間だけで一律に決めるより、「何が分からなくて止まっているのか」を確認してから解説を見ることが大切です。
まったく方針が立たないまま長時間考え続けても、必要な知識そのものを知らなければ解決できないことがあります。
解説を見る前に、
「問題文から何が分かるか」
「使えそうな公式や定理は何か」
「どこまでは自分で進められたか」
を一度整理します。
そのうえで解説を確認すれば、自分に足りなかった知識や考え方がどこだったのかを見つけやすくなります。
Q6.数学の問題集に直接書き込んでもよい?
繰り返し解き直す予定があるなら、問題集には答えを書き込まず、ノートなどに解く方法が使いやすいです。
一度答えや途中式を書き込むと、次に解いたときにそれがヒントになり、本当に自力で解けたのか判断しにくくなることがあります。
特に間違えた問題は、後日もう一度、何も見ずに解けるか確認したいところです。
「前回の解答が見えない状態で再現できるか」を確認できるようにしておくと、復習にも使いやすくなります。
まとめ|「難しい問題集」より「今必要な問題集」を選ぶ
大学受験の理系数学で問題集を選ぶときに最も大切なのは、評判や志望校の難易度だけで決めず、「今の自分が解説なしでどこまで解けるか」を確認することです。
この記事のポイントを整理します。
- 数学が苦手なら、教科書・基礎→典型問題→標準・実戦問題→過去問の順を基本にする
- 問題集は「何周したか」ではなく、解説なしで正解できるかを基準にする
- 同じ問題だけでなく、同じ考え方を使う類題でも解けるか確認する
- 過去問で解けない問題があれば、原因を確認して必要な問題集・単元まで戻る
- 志望校が難関大学だからといって、現在の理解を飛ばして難しい問題集へ進まない
問題集を選ぶとき、
「MARCHを目指すなら、どの問題集までやればよいのか」
「国公立理系なら、どの参考書ルートがよいのか」
と考えることは大切です。
しかし、その前に確認してほしいのが、
「今の自分は、どのレベルの問題なら解説を見ずに解けるのか」
ということです。
私は数学を指導するとき、その場で一度正解できただけでは「できるようになった」と判断していません。
解説を閉じてもう一度解き、さらに同じ考え方を使う類題を解いてもらいます。次の指導でもこちらで問題を選び、「どのように考えることをきっかけとして正解できたのか」まで確認します。
問題集を何冊も増やすより、まず現在使っている問題集について、
「自分で考え方を選び、解説なしで正解できるか」
を確認してみてください。
もし、
「問題集は何冊もやっているのに、模試や過去問になると解けない」
「基礎からやり直した方がよいと思うが、どこまで戻ればよいのか分からない」
「志望校から逆算して、どの問題集をどの順番で進めればよいのか整理できない」
という場合は、現在使っている問題集や模試、志望校の過去問を確認しながら、今どこまで戻り、何をできるようにすればよいのかを整理することができます。
数学専門の家庭教師として、現在の理解度と志望校で必要な数学のレベルを確認したうえで、学習の進め方をご提案しています。
自分に必要な数学の問題集や参考書ルートが分からない場合は、体験授業・ご相談からお問い合わせください。


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