「数学の問題集なら解けるのに、共通テストになると点数が取れない」
「問題文を読んでも、途中から何をすればよいのか分からなくなる」
「最後まで解こうとすると、いつも時間が足りなくなる」
共通テストの数学を勉強していると、このような悩みが出てくることがあります。
共通テストでは、公式を覚えて計算ができるだけでなく、長い問題文や与えられた条件を整理し、前の設問とのつながりを考えながら解き進める必要があります。
そのため、共通テストの数学が解けないからといって、必ずしも「もっと難しい問題を解かなければならない」とは限りません。
共通テスト数学のコツは、問題文や前の設問から次に使う考え方を読み取り、自分がどこで解けなくなったのかを確認して、その原因に合った対策をすることです。
たとえば、同じ50点だったとしても、
- 公式や基本的な解き方が分からず、各大問の前半から間違えている
- 基礎的な問題は解けるものの、後半の誘導にうまく乗れない
- 解き方は分かっているが、考える時間や計算に時間がかかっている
- 問題文や条件を読み違えている
- 考え方は合っているものの、途中のミスで得点できていない
というように、原因は異なります。
原因が違えば、必要な勉強も変わります。
基礎が身についていないのであれば、共通テストの過去問を繰り返すより、教科書や基礎問題へ戻った方がよい場合があります。
一方で、数学的な解き方は身についているのに共通テスト特有の出題形式に対応できていないのであれば、基礎問題を増やすより、問題文や設問の流れを利用して解く演習が必要です。
この記事では、数学が苦手な大学受験生に向けて、共通テスト数学を解くコツを、誘導の読み取り方、時間不足への対策、基礎へ戻るべき場合の見分け方まで含めて解説します。
「とにかく過去問をたくさん解く」だけではなく、自分がどこで止まっているのかを確認し、次に何を勉強すればよいのかを整理するために参考にしてください。
共通テストの数学を解くコツは?
共通テスト数学を解くコツは、特別な解法をたくさん覚えることではなく、基礎的な問題を確実に取り、問題文や設問の流れを利用しながら解くことです。
さらに、間違えたときには「できなかった」で終わらせず、なぜ解けなかったのかによって、その後の勉強を変えることも大切です。
共通テスト数学に特別な裏ワザは必要?
共通テスト数学では、特別な裏ワザを探すより、問題文・条件・前の設問から「次に何を使うのか」を読み取れるようにすることが重要です。
もちろん、計算を簡単にする方法や、短時間で処理するための工夫が役立つ場面はあります。
しかし、それだけで安定して問題を解けるようになるとは限りません。
たとえば、問題の途中で新しい条件が与えられたり、前の設問である値を求めさせたりしている場合には、
「なぜ、この条件が追加されたのか」
「なぜ、先にこの値を求めたのか」
と考えてみます。
前の設問で求めた結果が、次の設問を解くための材料として用意されていることもあるからです。
また、公式を知っていても、
「この問題では、なぜその公式を使うのか」
が分からなければ、初めて見る設定の問題では手が止まることがあります。
私が指導するときも、正解したかどうかだけではなく、
「何をきっかけに、その式や考え方を使おうと思ったのか」
を確認します。
たまたま選んだ方法で正解しただけでは、次の問題でも同じように解けるとは限らないためです。
したがって、共通テスト対策でも「使える裏ワザを増やす」というより、問題の中にある情報から、使う考え方を選べるようにすることを重視した方がよいでしょう。
共通テスト数学でまず身につけたい3つのことは?
共通テスト数学でまず身につけたいのは、「基礎的な問題を確実に取る」「誘導を利用する」「解けなかった原因に合わせて復習する」の3つです。
1.各大問の基礎的な問題を確実に取る
共通テストの結果を見るとき、合計点だけを確認するのではなく、各大問の基礎的な設問を正解できているかを確認します。
たとえば同じ50点でも、各大問の基礎部分は取れていて後半で失点している場合と、基本的な問題から間違えている場合では、必要な対策が違います。
基本的な問題で、どのように考えればよいのか分からなくなっているのであれば、共通テスト形式の演習だけを増やすのではなく、教科書や基礎問題集まで戻った方がよい場合があります。
2.問題文や前の設問から誘導を読み取る
共通テストでは、前の設問で求めた結果や、問題文の途中で示された条件が、その後の問題を解くために使われることがあります。
そこで必要になるのが、単に
「前の問題で何を求めたか」
を見るだけでなく、
「なぜ、それを先に求めさせたのか」
まで考えることです。
これが、この記事でいう「誘導に乗る」ことにつながります。
ただし、誘導に乗れないからといって、すぐに「共通テスト形式に慣れていないこと」が原因だとは判断できません。
誘導を無視して自分なりに考えても何をすればよいか分からないのであれば、その単元の考え方そのものが十分に身についていない可能性もあります。
この違いについては、次のセクションで詳しく説明します。
3.解けなかった原因に合わせて復習する
不正解だった問題をすべて同じ方法で復習する必要はありません。
私が指導するときは、まず本人に「なぜ間違えたのか」を考えてもらいます。
本人だけでは原因が見つからない場合には、
「この問題をどのように解いたのか」
を説明してもらいます。
実際に話してもらうと、計算の途中でミスをしただけなのか、問題文を読み違えていたのか、それとも最初から異なる考え方をしていたのかが分かることがあります。
考え方は合っていて、途中の計算ミスなどで失点したのであれば、そのまま共通テストの過去問を使った演習を続けることもあります。
一方で、問題に対してまったく異なる考え方をしていたのであれば、その単元について教科書や基礎問題集へ戻ります。
ここで大切なのは、
「間違えたから基礎に戻る」のではなく、「問題を解くために必要な考え方が身についていない場合に基礎へ戻る」
ということです。
共通テスト数学の対策では、過去問を何年分解いたかだけを見るのではなく、一問ごとに「なぜ解けたのか」「なぜ解けなかったのか」を確認し、次の学習を決めていくことが重要です。
共通テスト数学で「誘導に乗る」とは?
共通テスト数学で「誘導に乗る」とは、問題の作者がどのような考え方で答えにたどり着こうとしているのかを、問題文や前の設問から読み取ることです。
共通テストでは、一つの大問の中に複数の設問があり、前の設問で求めた結果を使って、その後の問題を解いていくことがあります。
そのため、自分が普段使っている解き方だけを考えるのではなく、
「なぜ、この設問を先に解かせたのだろう」
と考えることが大切です。
特に、基礎的な問題は解けるのに大問の途中から分からなくなる場合には、前の設問と次の設問のつながりを読み取れているかを確認してみましょう。
誘導に乗るとは、問題の作者の解き方を読み取ること
誘導に乗るためには、「自分ならどう解くか」だけでなく、「問題の作者はどのようにこの問題を解こうとしたのか」を考えます。
たとえば、ある大問が、
(1)ある値を求める
↓
(2)(1)の結果を使って別の値を求める
↓
(3)さらに条件を加えて考える
という構成になっていたとします。
このとき、(1)を解いて正解しただけで終わらせるのではなく、
「なぜ、この値を最初に求めさせたのか」
まで考えてみます。
(1)で求めた値が(2)を解くために必要だから、先に計算させている可能性があるからです。
これは会話形式の問題でも同じです。
問題文の中で新しい考え方が示されたり、途中の計算結果について登場人物が話し合ったりしているのであれば、それが後の設問を解くための手がかりになっていることがあります。
したがって、共通テスト数学の問題文を読むときには、書かれている情報を一つずつ独立したものとして見るのではなく、
- なぜこの計算をさせたのか
- なぜこの条件が書かれているのか
- なぜこの式をここで示したのか
- この結果を、この後どこで使えそうか
というつながりを考えます。
問題の作者が用意した解答までの流れが見えてくると、自分だけで最初から解法を作ろうとする必要がなくなります。
共通テストの誘導は、答えそのものを教えてくれるものではなく、次にどのような考え方を使うのかを考えるための手がかりとして利用します。
前の設問で求めた結果は、なぜ次の問題で使う?
前の設問で求めた結果は、その後の問題を解くための材料として用意されていることがあります。
そのため、
「(1)が解けたから次は(2)」
と機械的に進むのではなく、
「(1)で求めたものを、なぜここで求めさせたのか」
を一度考えてから次の設問へ進むことが大切です。
たとえば、前の設問である式を求め、次の設問で新しい条件が追加されたとします。
この場合には、
- 前の設問で何が分かったのか
- 次の設問では何が新しく加わったのか
- その2つを組み合わせると何が分かるのか
という順番で整理してみます。
ここで重要なのは、「前の結果を使う」と暗記することではありません。
「なぜ、この結果が必要なのか」を考えることです。
この確認を普段の演習から行っておくと、解説を読んだときにも、
「この式を使うのか」
だけで終わらず、
「問題文のこの情報があったから、この式を使うと考えたのか」
というところまで確認できます。
私が数学を指導するときにも、答えが合っているかだけではなく、
「何をきっかけに、その考え方を使おうと思ったのか」
を確認します。
正しい式を書けていたとしても、理由が分からないまま使っていたのであれば、設定が変わったときに同じ考え方を使えるとは限らないからです。
共通テストの過去問を解き直すときも、答えだけを確認するのではなく、
「問題文のどの情報をきっかけに、次の考え方を使うと判断したのか」
まで確認してみてください。
これが、別の問題でも誘導を利用して解くための練習になります。
共通テスト数学の誘導に乗れないときはどうする?
共通テスト数学で誘導に乗れないときは、一度その誘導を無視して、「この問題を自分ならどのように解くか」を考えてみます。
ここで確認したいのは、
「誘導に乗れない」のか、それとも「問題そのものをどう解けばよいか分からない」のか
という違いです。
私は指導の中で、生徒が共通テストの大問の途中で止まった場合、いったん誘導とは別に、
「この問題だけを見たら、どのように解きますか」
と確認することがあります。
そこで、共通テストが用意した流れとは違っていても、別の方法で正しく解けるのであれば、問題を解くための数学的な考え方そのものは身についていると考えられます。
この場合は、共通テストの出題形式に慣れ、前の設問の結果や問題文の条件を使って解く練習を続けます。
一方で、誘導を外した状態で考えても、
「何をすればよいか分からない」
となるのであれば、共通テスト特有の形式だけが原因とは限りません。
その単元で必要となる基本的な考え方や、典型的な問題の解き方が十分に身についていない可能性があります。
その場合には、共通テストの過去問を繰り返すより、教科書の節末問題や典型・標準問題に戻り、問題を見たときにどのように考え始めればよいのかをもう一度確認します。
整理すると、次のように分けられます。
誘導を無視すれば解ける
→ 数学的な考え方は身についている
→ 共通テストの問題文や誘導を使って解く練習をする誘導を無視すると何をすればよいか分からない
→ その単元の考え方そのものを確認する
→ 教科書の節末問題や典型・標準問題へ戻る
この違いを確認せずに、すべてを「誘導に乗るのが苦手だから」と考えてしまうと、本来は基礎や典型問題へ戻る必要があるのに、共通テスト形式の問題ばかりを繰り返すことになってしまいます。
反対に、別の方法なら十分に解ける生徒が基礎問題ばかり繰り返しても、共通テストの形式に合わせて解く力は身につきにくいでしょう。
「共通テスト数学の誘導に乗れない」と感じたときは、まず誘導を外してもその問題を解けるのかを確認し、その結果によって次に行う勉強を変えることが大切です。
共通テスト数学で時間が足りなくなるのはなぜ?
共通テスト数学で時間が足りない場合、計算速度だけでなく、「どのように解けばよいかを考えている時間」が長くなっていないかを確認することが大切です。
時間不足というと、「もっと速く計算しなければならない」と考えるかもしれません。
しかし実際には、
- 問題文や条件を何度も読み直している
- どの公式を使うのか決まらない
- 式を立てた後、どのように変形するのか迷っている
- 誘導と自分の考え方がつながらない
- 一つの問題に時間をかけすぎている
など、さまざまなところで時間を使っていることがあります。
そのため、「時間が足りなかった」という結果だけを見るのではなく、「どこで時間がかかったのか」まで確認することが、共通テスト数学の時間不足を改善する第一歩です。
時間が足りない原因は計算が遅いから?
共通テスト数学で時間が足りない原因は、必ずしも計算が遅いことだけではありません。
次に何をすればよいのかを決めるまでに時間がかかっている場合もあります。
実際に私が指導した生徒にも、根号を含む方程式を解く際に時間がかかっているケースがありました。
単純な四則計算が極端に遅いわけではありません。
両辺を2乗したあと、できた式を整理して高次方程式の形に直すところで時間がかかっていました。
この場合、
「計算をもっと速くしよう」
だけでは十分な対策になりません。
必要なのは、
「両辺を2乗した後、この式をどのような形に整理すれば解けるのか」
という一連の考え方を身につけることです。
問題を解く時間は、大きく分けると、
- 問題文・条件を読み取る時間
- どの考え方や公式を使うか決める時間
- 実際に計算する時間
があります。
たとえば計算そのものは1分で終わっていても、どの公式を使うか考えるのに3分かかっているのであれば、計算練習だけを増やしても短縮できる時間は限られます。
反対に、解き方はすぐに決まるのに途中の式変形や計算に時間がかかっているのであれば、計算や式変形の練習が必要です。
「時間が足りない=計算が遅い」と決めつけず、考える時間と計算する時間を分けて確認してみましょう。
どこで時間を使っているか、どう確認する?
問題を解き終わったあとに、「読み取り」「解き方を決める」「計算」のどこで止まったのかを振り返ると、時間不足の原因を見つけやすくなります。
単に、
「この大問に15分かかった」
と記録するだけでは、次に何を改善すればよいのかまでは分かりません。
たとえば時間がかかった問題について、次のように確認します。
① 問題文を読んだ段階で、何を求めればよいか分かったか
② 使う公式や考え方をすぐに決められたか
③ 解き方が決まった後の計算はスムーズだったか
④ 途中で何度も問題文や前の設問へ戻らなかったか
①で止まっているなら、問題文や条件の読み取りを確認する必要があります。
②で時間がかかっているなら、典型的な問題について「何をきっかけにその考え方を使うのか」が十分に身についていない可能性があります。
③で時間がかかっているなら、計算や式変形そのものを練習した方がよいでしょう。
④が多い場合には、前の設問とのつながりや誘導を整理しながら読む練習が必要なことがあります。
このように原因を分けると、
「もっと速く解く」
という曖昧な目標ではなく、
「この問題では解き方を決めるまでに時間がかかったから、同じ考え方を使う典型問題を確認する」
といった具体的な復習につなげられます。
また、本人が「なぜ時間がかかったのか分からない」という場合には、実際にどのように解いたのかを説明してもらうこともあります。
説明してもらうと、
「ここで条件を読み違えて、途中からやり直していた」
「この公式を使ってよいか迷っていた」
など、解答だけを見ていても分からない原因が見つかることがあります。
共通テスト数学の時間不足を改善するときは、時間だけを測るのではなく、その時間を何に使っていたのかまで確認することが重要です。
時間配分を決めれば共通テスト数学は速く解ける?
時間配分を決めることは大切ですが、それだけで共通テスト数学を速く解けるようになるわけではありません。
たとえば、
「この大問は15分まで」
と決めたとしても、問題を見てから何をすればよいか分からない状態では、その15分の多くを考えることに使ってしまいます。
そのため、時間配分と「問題を解くために必要な力」は分けて考える必要があります。
本番を想定した過去問演習では、あらかじめ大まかな時間配分を決めておくことは有効です。
一方で、練習後には、
「予定時間を超えたかどうか」だけでなく、「なぜ超えたのか」
を確認します。
たとえば、
- 解き方は分かっていたが計算に時間がかかった
- 問題文の意味を理解するまでに時間がかかった
- 使う公式や考え方がなかなか決まらなかった
- 誘導に気づかず、別の方法で長い計算をしていた
- 解けない問題を飛ばすまでに時間を使いすぎた
では、次に行う対策が異なります。
特に、典型的な問題でも「何をすればよいか」を決めるまでに時間がかかっている場合は、共通テスト形式の問題を時間内に解く練習だけを繰り返すより、教科書の節末問題や典型・標準問題に戻って考え方を確認した方がよい場合があります。
反対に、解き方はすぐに分かり、計算もできているにもかかわらず、一つの問題にこだわって全体の時間配分を崩しているのであれば、本番を想定した演習の中で「どこで次の問題へ進むか」を練習する必要があります。
共通テスト数学で時間が足りないときのコツは、単に速く解こうとすることではなく、「どこで時間を使っているのか」を特定し、その原因に合った練習をすることです。
共通テスト数学で誘導に乗るための具体的な手順は?
共通テスト数学で誘導に乗るには、「前の設問で分かったこと」「新しく与えられた条件」「次に求めるもの」の3つをつなげて考えます。
問題文を最初から何度も読み直すのではなく、次の手順で整理してみてください。
手順1.次の設問へ進む前に「前の設問で何が分かったか」を確認する
(1)が解けたら、すぐに(2)の計算を始めるのではなく、まず(1)によって新しく何が分かったのかを確認します。
たとえば、
- ある値が求められた
- 2つの数量の関係が分かった
- ある式が成り立つことが分かった
- 図形の長さや角度が分かった
といったことです。
ここでは答えの数値だけを見るのではなく、その結果によって何が分かるようになったのかまで確認します。
手順2.「なぜ、この設問を先に解かせたのか」を考える
次に、
「問題の作者は、なぜこれを先に求めさせたのだろう」
と考えます。
これが、誘導に乗るうえで特に重要です。
前の設問で求めた値や証明した関係が、その後まったく必要ないのであれば、わざわざ先に求めさせる必要はありません。
そのため、
前の設問で何を求めたか
↓
なぜ、それを求めさせたのか
↓
この後、どこで使えそうか
という順番で考えてみます。
手順3.次の設問で「新しく加わった条件」を探す
続いて、次の設問を読み、前の設問にはなかった条件や情報を探します。
たとえば、
- 新しい数値が与えられた
- (x) の範囲が指定された
- 2つの量が等しいという条件が加わった
- 新しい点や直線が追加された
- 表やグラフが示された
- 会話文の中で新しい考え方が提示された
といった部分です。
共通テストでは、問題文が長いため、すべての文章を同じように読むと情報を整理しにくくなることがあります。
「前の設問から分かっていること」と「今回新しく加わったこと」を分けて見ると、次に何をすればよいか考えやすくなります。
手順4.前の結果と新しい条件を組み合わせる
ここで初めて、
「前の設問で分かったことと、今回の条件を組み合わせると何ができるか」
を考えます。
たとえば前の設問で「sinα」の値が分かり、次の設問で
sinβ=sinα
という条件が与えられたのであれば、
「同じ正弦の値をとる角には、どのような関係があるのか」
と考えることができます。
そこから単位円を使って角の位置関係を確認する、という次の考え方につながります。
大切なのは、
「三角関数だから単位円を使う」と覚えるのではなく、「この条件が与えられたから単位円で考える」とつなげることです。
手順5.解いた後に「何がきっかけだったか」を確認する
問題が解けたら、答え合わせだけで終わらせません。
「何を見て、この解き方を使うと考えたのか」
を自分で説明してみます。
たとえば、
「前の設問でsinαを求めていて、次にsinβ=sinαとあったので、同じ正弦の値をとる角の関係を単位円で考えた」
というところまで説明できれば、単に解答の式を覚えるよりも、考え方を整理できます。
反対に、
「解説に単位円を使うと書いてあったから」
で終わっている場合には、別の問題で同じ考え方を使えるとは限りません。
共通テストの過去問を復習するときは、「正解できたか」だけでなく、「問題文のどの情報をきっかけに、その考え方を選んだのか」まで確認することが大切です。
整理すると、誘導に乗るための手順は次のようになります。
① 前の設問で何が分かったか確認する
↓
② なぜそれを先に求めさせたのか考える
↓
③ 次の設問で新しく加わった条件を探す
↓
④ 前の結果と新しい条件を組み合わせる
↓
⑤ 解いた後、「何をきっかけにこの解き方を選んだか」を確認する
この流れを共通テストの過去問演習で繰り返すことで、「誘導に乗る」を感覚だけで済ませず、具体的な読み方として練習できます。
共通テスト数学の点数が伸びない原因はどう見つける?
共通テスト数学で点数が伸びないときは、正解・不正解だけを見るのではなく、「その答えに至るまでにどのように考えたのか」を確認することが大切です。
同じ不正解でも、
- 解き方は合っていたが、途中で計算ミスをした
- 問題文や条件を読み間違えた
- 使う公式や考え方を間違えた
- 何をすればよいか分からなかった
- 前の設問で得た結果を利用できなかった
など、原因は異なります。
原因が違えば、その後に必要な対策も変わります。
そのため、「間違えた問題をもう一度解く」だけで終わらせず、どの段階で考え方がずれたのかを確認してから復習方法を決めるようにします。
間違えた問題は、まず何を確認する?
間違えた問題では、まず本人がミスの原因を探し、自分では分からない場合には「どのように解いたのか」を最初から説明してみます。
私が指導するときも、すぐに正しい解き方を説明するのではなく、まず本人に、
「どこで間違えたと思いますか」
と確認します。
自分で原因を見つけられれば、
「条件を一つ見落としていた」
「符号を間違えた」
「公式を勘違いしていた」
など、次に注意するところも明確になります。
一方で、本人が間違えた原因を見つけられないこともあります。
その場合には、その問題をどのように考えて解いたのかを順番に話してもらいます。
すると、書かれている途中式だけでは分からなかった原因が見つかることがあります。
たとえば、計算自体は正しくできていても、その前の段階で問題文の条件を違う意味に読み取っていれば、最後まで正しい答えにはたどり着けません。
この場合に必要なのは、同じ計算を何度も練習することではなく、問題文のどこをどのように読めばよかったのかを確認することです。
反対に、問題文の意味も解き方も合っていて、途中の符号や計算だけを間違えているのであれば、対策は変わります。
そのため、
① 自分で間違えた原因を探す
↓
② 分からなければ、どのように解いたのか説明する
↓
③ どの段階で考え方がずれたのか確認する
↓
④ 原因に合わせて復習する
という順番で確認します。
共通テスト数学のミスを減らすには、「間違えた」という結果だけでなく、その間違いがどこから始まったのかを確認することが重要です。
ミスをしたら基礎問題まで戻るべき?
解き方が合っていて途中でミスをしただけなら、必ずしも教科書や基礎問題まで戻る必要はありません。
ここで確認したいのは、
「答えを間違えたか」ではなく、「問題に対する考え方が合っていたか」
です。
私が指導するときには、間違えた問題について本人に解き方を説明してもらい、その内容によって次に行う学習を変えています。
たとえば、問題に対する考え方や使う公式は合っていて、途中の計算だけを間違えていたとします。
この場合には、その単元を最初からやり直すのではなく、ミスしたところを確認したうえで、共通テストの過去問や同じ形式の演習を続けます。
一方で、
「なぜこの公式を使ったのか説明できない」
「問題で求められているものとは違うことを計算している」
「最初からまったく異なる考え方をしている」
という場合には、共通テスト形式の問題を繰り返すだけでは改善しにくいことがあります。
その場合は、その単元の教科書や基礎問題集へ戻り、基本的な考え方から確認します。
つまり、
解き方は合っている+途中でミスした
→ ミスの原因を確認して、共通テストの演習を続ける解き方そのものが身についていない
→ 教科書・基礎問題集へ戻って考え方を確認する
と分けます。
ここで「不正解だったから基礎へ戻る」と判断してしまうと、すでに理解できている内容まで繰り返すことになります。
反対に、考え方そのものが身についていない状態で過去問ばかり解いても、同じところで止まる可能性があります。
基礎へ戻るか、共通テスト形式の演習を続けるかは、点数や○×だけではなく「どのように考えたか」を確認して決めることが大切です。
正解した問題も解き方を確認した方がよい?
正解した問題でも、「なぜその解き方を選んだのか」を確認することが大切です。
正解していても、考え方まで理解できているとは限らないからです。
私の指導でも、たまたま正解できたことを「できるようになった」と判断しないために、正解した問題についても考え方を確認します。
たとえば、
「なぜ、この公式を使ったのですか」
「問題文のどこを見て、この式を立てようと思ったのですか」
「前の設問で求めた結果を、なぜここで使ったのですか」
といったことを聞きます。
ここで理由を説明できれば、問題文の情報と解き方を結びつけて考えられていることを確認できます。
一方、
「何となくこの公式だと思った」
「選択肢にあったから選んだ」
「以前似た問題でこの式を使ったから」
という状態であれば、今回は正解していても、条件が少し変わった問題では解けなくなることがあります。
特に共通テスト数学は選択式の問題もあるため、答えが合っていることだけでは、どのように考えたのかまでは分かりません。
そこで、正解した問題についても、
「何をきっかけに、その考え方を使うと判断したのか」
を確認します。
これは、前のセクションで説明した誘導に乗る練習にもつながります。
前の設問で求めた結果や問題文の条件を見て、
「この情報があるから、この考え方を使った」
と説明できれば、正解までの流れを自分で整理できています。
共通テスト数学の点数を分析するときは、「何問正解したか」だけではなく、「正解した問題を自分の考え方で説明できるか」まで確認することが重要です。
不正解の原因を探すだけでなく、正解した問題についても考え方を確認することで、本当に身についている問題と、たまたま正解した問題を分けて考えられるようになります。
共通テスト数学で点数が伸びない原因別の対策
共通テスト数学で点数が伸びないときは、原因によって必要な対策を変えます。 「間違えたから過去問をもう一度解く」と一律に考えるのではなく、どこで考え方が止まったのかを確認してみましょう。
| 状態・原因 | 確認すること | 対策 |
|---|---|---|
| 公式や基本事項が分からない | 公式の意味や基本的な用語を説明できるか | 教科書・基礎問題集に戻る |
| 公式は知っているが、何を使えばよいか分からない | 問題文のどの条件から、その考え方を使うと分かるのか | 教科書の節末問題や典型・標準問題で、考え方と使う場面を結びつける |
| 問題文や条件を読み間違える | どの文章をどのように解釈したのか | 正しい読み方を確認し、条件を整理してから式を立てる練習をする |
| 前半は解けるが誘導に乗れない | 誘導を無視した場合、その問題を自分の方法で解けるか | 解けるなら、共通テスト形式で前問とのつながりを読む練習をする |
| 誘導を無視しても何をすればよいか分からない | その単元の典型的な問題なら解けるか | 節末問題・典型問題・標準問題へ戻る |
| 解き方は合っているが計算ミスをする | どの計算で、なぜ間違えたのか | ミスの原因を確認したうえで、共通テストの過去問演習を続ける |
| 解き方は分かるが時間が足りない | 読み取り・解法決定・計算のどこに時間がかかっているか | 時間がかかっている部分に合わせて練習内容を変える |
| 正解したが理由を説明できない | なぜその公式・式・考え方を選んだのか | 「何をきっかけにその解き方を選んだか」を説明してから解き直す |
特に注意したいのは、同じ「不正解」でも、基礎へ戻るべき場合と、そのまま共通テストの過去問演習を続けた方がよい場合があることです。
たとえば、考え方は合っているのに途中で計算を間違えただけなら、その単元を最初から学び直す必要はありません。
反対に、答え合わせをして、
「解説を読めば分かる」
という状態でも、問題を見たときに何をすればよいか自分では決められないのであれば、共通テストの形式に慣れることより、典型的な問題の考え方を身につけ直すことを優先した方がよい場合があります。
また、正解している問題についても安心せず、
「問題文の何を見て、この考え方を使うと判断したのか」
を確認します。
このように、正解・不正解だけではなく、そこに至るまでの考え方を確認して次の学習を決めることが、共通テスト数学の点数を分析するときの重要なポイントです。
共通テスト数学で30点~50点台なら何から勉強する?
共通テスト数学が30点・50点だからといって、点数だけで勉強内容を決めるのではなく、まず各大問の基礎的な問題をどこまで正解できているかを確認します。
たとえば、同じ50点でも、
- 各大問の前半にある基礎的な問題は正解できているが、後半で点数を落としている
- 得意な大問は最後まで解ける一方、苦手な単元では前半から正解できていない
- 解き方は分かっているが、計算ミスや読み間違いで点数を落としている
- 時間配分がうまくいかず、後半の大問にほとんど手をつけられていない
といった違いがあります。
この違いを確認せずに、
「30点だから基礎問題集からやり直す」
「50点取れたから、あとは過去問をたくさん解く」
と決めてしまうと、現在の課題と勉強内容が合わないことがあります。
共通テスト数学の点数を上げるには、現在の点数を出発点にはしても、点数だけで対策を決めないことが大切です。
点数だけで勉強方法を決めてもよい?
30点・50点といった合計点だけでは、どこから勉強すればよいかを正確に決めることはできません。
たとえば、同じ30点だったとしても、
Aさんは各大問の前半にある基本的な設問をある程度正解しているものの、後半の誘導を使った問題でほとんど得点できていないとします。
一方、Bさんは一つの得意な大問では点数を取れているものの、ほかの単元では前半の基礎的な設問から間違えているとします。
合計点だけを見れば同じ30点ですが、必要な対策は異なります。
Aさんの場合は、基礎知識そのものが不足しているとは限りません。
前の設問で得られた結果と次の設問をつなげる練習や、共通テストの形式に慣れるための演習が必要な可能性があります。
一方、Bさんの場合には、共通テスト形式の演習を増やす前に、正解できていない単元について教科書や基礎問題集まで戻った方がよい場合があります。
50点の場合も同じです。
50点取れているからといって、
「基礎はすべてできている」
とは限りません。
得意な単元で点数を取って、苦手な単元では基礎的な問題も落としていることがあるからです。
そのため、模試や過去問を復習するときは、
「何点だったか」から、さらに「どの大問の、どの段階まで自力で解けていたか」まで確認することが必要です。
まず「各大問の基礎的な問題」を取れているか確認する
共通テスト数学で30点・50点から勉強内容を考えるとき、私が特に確認するのは「どの大問でも基礎的な設問を正解できているか」です。
得意な単元だけを見るのではなく、各大問を一つずつ確認します。
たとえば、
大問1 前半から正解できている
大問2 前半は正解、後半の誘導で止まった
大問3 最初の基礎的な設問から間違えた
大問4 前半は解けたが、途中で計算ミスをした
というように整理します。
このように見ると、合計点だけでは分からなかった課題が見えてきます。
特に確認したいのは、各単元の基本的な知識や考え方を使えば解ける設問を正解できているかです。
もし各大問の基礎的な設問は正解できていて、その後の設問で点数を落としているのであれば、
- 前の設問の結果を次に使えているか
- 問題文の条件を正しく整理できているか
- 誘導を無視すれば自分の方法で解けるか
- 一つの問題に時間をかけすぎていないか
などを確認します。
反対に、複数の大問で最初の基礎的な設問から正解できていない場合には、共通テスト特有の形式だけが原因とは考えにくくなります。
その場合には、その単元の基礎がどこまで身についているのかを確認する必要があります。
ここでも重要なのは、○×だけで判断しないことです。
正解していても、
「なぜこの公式を使ったのか分からない」
「何となく選んだら合っていた」
という場合があります。
反対に、不正解でも、考え方は正しく途中の計算だけを間違えている場合もあります。
そのため、
「基礎的な設問を正解できたか」+「その解き方を説明できるか」
の両方を確認します。
基礎的な問題を落としている場合は何をする?
基礎的な問題を間違えた場合は、すぐに「数学を最初から全部やり直す」のではなく、その問題をどのように考えたのかを確認してから戻る範囲を決めます。
まず、間違えた問題について、
「どのように解こうとしましたか」
と確認します。
そこで正しい公式や考え方を選べていて、途中の計算ミスだけで間違えているのであれば、必ずしも教科書まで戻る必要はありません。
ミスの原因を確認したうえで、引き続き共通テストの過去問や類似した形式の問題を解いていきます。
一方、
「何をすればよいか分からなかった」
「使う公式をまったく違うものだと思っていた」
「解説を見れば分かるが、自分では最初の式を立てられない」
という状態であれば、その単元については教科書や基礎問題集へ戻ります。
ここでの基礎学習も、公式を暗記し直すだけでは十分とは限りません。
たとえば、
- その公式が何を表しているのか
- どのような条件で使えるのか
- 問題文の何を見て、その公式を使うと考えるのか
- 基本的な問題を解説なしで解けるか
まで確認します。
そのうえで、教科書の節末問題や典型問題などを使い、問題を見たときに必要な考え方を自分で選べる状態にしてから共通テスト形式へ戻ります。
流れとしては、
① 各大問の基礎的な設問を確認する
↓
② 間違えた問題について、どのように考えたか説明する
↓
③ 考え方が合っているなら、ミスを修正して共通テスト演習を続ける
↓
④ 考え方そのものが身についていなければ、教科書・基礎問題集へ戻る
↓
⑤ 基礎問題を解説なしで解けるようになったら、再び共通テスト形式で確認する
という進め方になります。
「30点だから基礎から」「50点だから過去問」と点数だけで決めるのではなく、各大問の基礎的な問題と、その問題を解くときの考え方を確認して、必要なところだけ戻ることが大切です。
これが、共通テスト数学のコツを身につけながら、現在の得点に合った勉強内容を決めるための基本になります。
共通テスト数学では公式を覚えるだけでは足りない?
共通テスト数学では、公式を覚えているだけでなく、「その公式が何を表しているのか」「どのような問題で使うのか」まで理解しておくことが大切です。
公式を暗記していても、問題を見たときに、
「この問題では、どの公式を使えばよいのか分からない」
という状態では、自分で解き方を決めることができません。
特に共通テストでは、問題文や会話文、前の設問などから必要な情報を読み取り、それをこれまでに学習した知識と結びつけて考える場面があります。
そのため、
公式を覚える → 基本問題で使う → どのような条件で使うのか説明する → 別の問題でも自分で選んで使う
というところまで確認しておく必要があります。
公式を覚えているのに問題が解けないのはなぜ?
公式を覚えているのに問題が解けない場合、「公式の意味を理解できていない」「ほかの知識と結びついていない」「使う場面を判断できない」のいずれかで止まっていないかを確認します。
数学の公式には、単に数値を代入するためだけではなく、その単元で学ぶ考え方が含まれています。
たとえば、公式を正確に書ける生徒でも、
「この公式は何を求めるものですか」
「なぜこの問題で、この公式を使うのですか」
と聞くと、うまく説明できないことがあります。
この場合、暗記した公式と問題を解くための考え方がまだ結びついていない可能性があります。
私が指導するときにも、公式を覚えているかどうかだけではなく、
「この公式は何を表していますか」
「問題文のどこを見て、この公式を使おうと思いましたか」
と確認します。
ここを説明できるかどうかは重要です。
たとえば微分では、
「微分係数は接線の傾きを表す」
という基本的な意味があります。
微分の計算方法を知っていても、この意味が結びついていなければ、問題文の中に「接線の傾き」に関する情報が出てきたときに、微分を使うという考え方につながらないことがあります。
これは、公式を忘れているのとは少し違います。
公式は知っているけれど、問題文の情報と数学の知識を結びつけられていない状態です。
共通テスト数学では、このような状態を減らすために、
問題文のどの情報を見て、その公式や考え方を使うと判断したのか
まで確認することが重要です。
例1.Σの意味を理解できているか、どう確認する?
数列のΣについては、「Σを使わずに同じ内容を書けるか」を確認すると、記号の意味そのものを理解できているか判断しやすくなります。
たとえば、
という式を見たときに、公式として計算できるかどうかだけを見るのではありません。
Σを使わずに、
と表せるかを確認します。
ここで、
「Σを使わないと、どう書けばよいか分からない」
となる場合には、Σを計算のための記号として覚えていても、何を表しているのかを十分に理解できていない可能性があります。
私の指導でも、数列のΣの公式を覚えている一方で、Σが何を意味しているのかを理解できていない生徒がいました。
そのような場合には、あえてΣを使わずに書いてもらうことで、どこまで理解できているかを確認します。
また、数列では、Σの公式と等比数列の公式を結びつけられないケースも多く見受けられます。
たとえば、Σを展開してみると、
のような形になっているとします。
この式を見れば、これまでに学習した等比数列の和と結びつけて考えることができます。
ところが、
「Σの問題だからΣの公式を使う」
とだけ覚えていると、展開した式が等比数列になっていることに気づけないことがあります。
ここで必要なのは、さらに新しい公式を覚えることではありません。
Σが何を表しているのか
↓
Σを使わずに書くと、どのような式になるのか
↓
その式は、これまでに習った何と同じ形なのか
と考えることです。
このように確認すると、別々に覚えていた知識をつなげられるようになります。
共通テスト数学では、「公式を覚えているか」だけではなく、「式の意味を説明できるか」「ほかの知識と結びつけられるか」まで確認することが大切です。
例2.数列の「和を求める問題」はどう復習する?
数列の和を求める問題は、一度解けただけで終わらせず、時間を空けてもう一度、解説を見ないで解けるか確認します。
私が指導してきた中でも、数列の「和を求める問題」は、一度理解して解けるようになっても、その後に解き方を忘れてしまうケースがあります。
授業や解説の直後であれば、
「この問題では、この公式を使えばよい」
と覚えているため、正解できることがあります。
しかし、それだけでは自分で解き方を選べるようになったかどうかは分かりません。
そこで、時間を空けてからもう一度同じ問題や類題を出し、解説を見ない状態で解いてもらいます。
このとき確認するのは、答えだけではありません。
「これはどのような数列ですか」
「何を求める問題ですか」
「なぜ、この公式を使うのですか」
「Σを使わずに書くと、どのような式になりますか」
といったことも確認します。
たとえば、一度は解けた問題でも、数日後に、
「どの公式を使えばよいか分からない」
となったのであれば、もう一度公式と問題の条件を結びつけるところから確認します。
また、同じ問題だけを繰り返していると、解き方そのものを覚えて正解している可能性があります。
そのため、同じ問題を解けるようになった後には類題でも確認します。
類題で、
- 何を求める問題なのか
- どのような数列になっているのか
- どの公式や考え方を使うのか
- なぜその方法を選ぶのか
を自分で判断できれば、考え方が身についてきたと考えられます。
流れを整理すると、
① 公式の意味を確認する
↓
② 基本問題を解く
↓
③ 解説を見ずにもう一度解く
↓
④ 時間を空けて再度解く
↓
⑤ 類題でも自分で解き方を選べるか確認する
という進め方になります。
「解説を読めば分かる」「一度は正解できた」という段階で終わらせず、時間を空けても自分で考え方を選び、解説なしで正解できるところまで確認することが重要です。
これは数列だけに限りません。
共通テスト数学のコツとして、公式を増やすことだけを考えるのではなく、「意味を理解する→使う場面を判断する→解説なしで再現する」までを一つの学習として繰り返すことが、問題文や誘導から必要な考え方を選ぶ力につながります。
共通テスト数学の過去問はどう使えばよい?
共通テスト数学の過去問は、何年分解いたかだけではなく、「なぜ解けなかったのか」を確認し、その原因に応じて解き直すことが大切です。
過去問を解く目的の一つは、出題形式や時間配分に慣れることです。
しかし、毎回時間を測って解き、採点して点数だけを記録していても、同じ原因で間違えていれば点数は伸びにくくなります。
過去問を解いた後には、
- 問題文や条件を正しく読めていたか
- 基本的な公式や考え方を使えていたか
- 前の設問から誘導を読み取れていたか
- 解き方は合っていたが計算ミスをしたのか
- どこで時間を使いすぎたのか
- 正解した問題についても、なぜその解き方を選んだのか説明できるか
まで確認します。
そのうえで、もう一度共通テスト形式の問題を解くのか、それとも教科書や基礎問題、典型問題へ戻るのかを決めます。
共通テストの過去問は何回も解けばよい?
共通テストの過去問は繰り返し解くことも大切ですが、回数を増やすだけではなく、1回ごとに「どこで考え方が止まったのか」を確認することが重要です。
たとえば1回目に50点だった問題を、解説を読んでからすぐに解き直し、80点になったとします。
点数だけを見れば大きく伸びています。
しかし、直前に読んだ解説の手順を覚えていて解けたのであれば、初めて見る問題でも同じように解けるとは限りません。
そこで、1回目の演習後には、間違えた問題を次のように分けます。
① 問題文や条件を読み間違えた
② 使う公式・考え方が分からなかった
③ 基本的な解き方は分かるが、誘導に乗れなかった
④ 解き方は合っていたが、計算ミスをした
⑤ 一つの問題に時間を使いすぎた
原因が分かれば、その後の復習も変わります。
①なら、どこをどのように読み間違えたのか確認します。
②なら、必要に応じて教科書や基礎問題、典型問題へ戻ります。
③なら、前の設問で求めた結果について、
「なぜ、この結果を先に求めさせたのか」
を考え、次の設問とのつながりを確認します。
④なら、計算のどこで間違えたのかを確認したうえで、同じ形式の演習を続けます。
⑤なら、問題を読む時間、解き方を決める時間、計算する時間のどこに時間がかかっていたのかを調べます。
このように、過去問は「解く→採点する→もう一度解く」だけではなく、「解く→原因を分析する→原因に合った勉強をする→もう一度確認する」という流れで使うことが大切です。
解説を読んで分かったら次の問題へ進んでよい?
解説を読んで理解できただけでは、まだ次の問題へ進まず、一度解説を閉じて自分だけで解けるか確認します。
数学では、解説を読んでいると、
「なるほど、この式を使えばよかったのか」
「ここで前の設問の結果を使うのか」
と理解できることがあります。
しかし、これは解説を見れば理解できる状態です。
本番では解説を見ることはできないため、
問題文を読んで、自分で必要な考え方を選び、正解まで進めるか
を確認する必要があります。
そのとき、
「なぜこの公式を使うのか」
「問題文のどこから、この式を立てると考えたのか」
「なぜ前の設問の結果をここで使うのか」
まで確認します。
さらに、同じ問題だけでなく類題でも確認します。
同じ問題は、一度解説を読んだことで解答の手順を覚えている可能性があるからです。
類題でも、
「問題文のどの情報をきっかけに、次の考え方を使うと判断したのか」
を説明しながら解ければ、考え方が身についてきたと考えられます。
過去問の復習は、
① 自分で解く
↓
② 間違えた原因を確認する
↓
③ 必要な解説・公式・考え方を確認する
↓
④ 解説を閉じてもう一度解く
↓
⑤ 時間を空けて再度解く
↓
⑥ 必要に応じて類題でも確認する
という流れで進めます。
「解説を読めば分かる」から「解説を見なくても、自分で考え方を選んで正解できる」まで進めることが、共通テスト数学の過去問を復習するときの重要なポイントです。
共通テスト形式の演習を続けるか、基礎に戻るかはどう決める?
共通テスト形式の演習を続けるか基礎に戻るかは、「間違えたかどうか」ではなく、その問題をどのように考えていたかを確認して決めます。
たとえば、後半の誘導問題を間違えたとします。
このとき、
「誘導に乗れなかったから、共通テストの演習量が足りない」
とすぐに判断するのではなく、一度その誘導を外して考えてみます。
「この誘導がなかったとしたら、自分ならこの問題をどのように解きますか」
と考えて、別の方法でも正しく解けるのであれば、その問題を解くための数学的な考え方は身についている可能性があります。
この場合は、教科書の基礎からやり直すよりも、共通テストの過去問や類似問題を使って、誘導を読み取る練習を続けます。
具体的には、
前の設問で何が分かったか
↓
なぜそれを先に求めさせたのか
↓
次の設問では何が新しく加わったか
↓
前の結果と新しい条件をどう組み合わせるか
を確認します。
一方、誘導を外した状態で、
「何をすればよいか分からない」
となる場合には、共通テストの形式以前に、その単元の基本的な解き方が十分に身についていない可能性があります。
その場合には、いったん過去問から離れて、教科書の節末問題や典型・標準問題へ戻ります。
そこで、
- 問題を見て使う考え方を自分で選べるか
- なぜその公式を使うのか説明できるか
- 解説を見ずに最後まで解けるか
を確認します。
できるようになったら、再び共通テストの問題へ戻ります。
つまり、
自分の方法なら解けるが、誘導に乗れない
→ 共通テスト形式の演習を続ける誘導を外しても、何をすればよいか分からない
→ 教科書・基礎問題・典型問題へ戻る
と分けて考えます。
また、計算ミスだけで間違えた場合も、その単元をすべて基礎からやり直す必要はありません。
解き方が合っていることを確認したうえで、ミスの原因を修正し、過去問演習を続けます。
「間違えたから基礎に戻る」のではなく、「問題を解くための考え方が身についていないから基礎に戻る」と考えることが大切です。
この区別ができると、すでに理解できている内容を必要以上にやり直したり、反対に基礎が不足したまま共通テストの過去問だけを繰り返したりすることを避けやすくなります。
共通テスト数学のコツは、過去問をたくさん解くことだけではなく、1問ごとに「なぜ解けなかったのか」を確認し、次に行う勉強を変えることです。
共通テスト数学で9割・満点を取るには?
共通テスト数学で9割・満点を目指す場合も、難しい問題ばかりを解くのではなく、まず各大問の基礎的な問題を確実に正解し、そのうえで誘導問題や時間配分への対応力を高めることが大切です。
高得点を目指すと、
「もっと難しい問題集をやった方がよいのではないか」
と考えることがあります。
しかし、9割を取るためには、まず取るべき問題を安定して正解する必要があります。
過去問や模試を復習するときには、合計点だけではなく、
- 各大問の基礎的な設問を確実に正解できているか
- 問題文や条件の読み間違いがないか
- 前の設問から誘導を読み取れているか
- 解き方は分かっているのに計算ミスをしていないか
- 一つの問題に時間を使いすぎていないか
- 正解した問題の考え方を説明できるか
まで確認します。
高得点を目指すほど、「解けない難問を増やすこと」だけではなく、「解ける問題を確実に得点すること」が重要になります。
高得点を目指す場合も基礎問題の確認は必要?
9割・満点を目指す場合でも、各大問の基礎的な問題を安定して正解できているかは必ず確認します。
高得点を取るためには、後半の難しい設問を解く力だけではなく、前半で取れる点数を落とさないことが必要です。
そのため、私が共通テストの結果を見る場合には、高得点を目指している生徒についても、まず「どの大問でも基礎的な選択肢を正解できているか」を確認します。
たとえば80点を取ったとしても、
- 難しい設問まで解けた大問がある
- 一方で別の大問では前半の基礎的な設問を落としている
ということがあります。
この場合、
「あと10点だから、もっと難しい問題を解こう」
と考える前に、基礎的な問題を落とした原因を確認します。
考え方は合っていたのに計算ミスをしたのであれば、どこでミスをしたのかを確認します。
問題文の条件を読み間違えたのであれば、
「どの文章を、どのように読み違えたのか」
まで確認します。
公式や考え方そのものが曖昧だったのであれば、その単元については必要な範囲まで戻ります。
また、正解した基礎問題についても、
「なぜ、この公式を使ったのか」
「問題文のどの条件から、この解き方を選んだのか」
を確認します。
正解していても、何となく選んだ答えが合っていただけなら、次回も同じように得点できるとは限らないからです。
9割・満点を目指すときは、「正解したから大丈夫」と考えるのではなく、基礎問題を自分の考え方で安定して正解できている状態を作ることが重要です。
そのうえで、各大問の後半にある誘導問題へ進みます。
基礎問題は安定して取れているのに後半で点数を落としているのであれば、
前の設問で何が分かったか
↓
なぜ、それを先に求めさせたのか
↓
次の設問では何が新しく加わったか
↓
前の結果と新しい条件をどう組み合わせるか
を確認しながら、共通テスト形式の問題で練習します。
このように、基礎的な問題の取りこぼしを減らすことと、後半の誘導を読み取ることを分けて対策すると、何を改善すればよいのかが明確になります。
難しい問題を最後まで解こうとするべき?
9割・満点を目指していても、一つの難しい問題に時間をかけ続けるのではなく、試験全体を見て得点できる問題を優先することが大切です。
高得点を目標にしていると、
「この問題も解かなければ満点にならない」
と考えて、一つの設問に長い時間を使ってしまうことがあります。
しかし、その結果として後の大問を確認する時間がなくなったり、本来なら解けた問題に手をつけられなくなったりすれば、全体の得点を下げることになります。
特に注意したいのは、難しい問題で手が止まったときです。
その場合には、ただ考え続けるのではなく、
- 問題文の条件は整理できているか
- 前の設問で求めた結果を使えないか
- 誘導の意図を読み取れているか
- 解き方は思いついているが計算に時間がかかっているだけか
- そもそも何をすればよいか分からないのか
を短時間で確認します。
そして、現時点で解き方が見えないのであれば、いったん次の問題へ進むことも必要です。
時間配分を決める目的は、「大問1は必ず○分で終える」と機械的に守ることではありません。
一つの問題に時間を使いすぎて、ほかの得点できる問題を失わないようにするためです。
過去問演習では、単に制限時間内に解くだけではなく、
「どの問題で止まったか」
「何分くらい考えてから次へ進んだか」
「後から解いたら解けた問題はなかったか」
も確認します。
もし時間切れになった後、落ち着いて解けばすぐに正解できる問題が残っていたのであれば、数学の知識だけではなく問題を解く順番や時間の使い方も見直す必要があります。
一方、時間を延ばしても解き方そのものが分からないのであれば、時間配分だけを改善しても解決しません。
その場合には、前のセクションで説明したように、誘導を外しても自分で解けるのかを確認し、必要であれば教科書の節末問題や典型・標準問題まで戻ります。
高得点を目指す場合の流れを整理すると、
① 各大問の基礎的な問題を確実に取る
↓
② 正解した問題も考え方を説明できるか確認する
↓
③ 後半で落とした問題は、誘導に乗れなかったのか、解き方自体が分からなかったのかを分ける
↓
④ 過去問で時間配分と問題を解く順番を確認する
↓
⑤ 解けなかった原因に合わせて、共通テスト演習か基礎・典型問題かを選ぶ
となります。
共通テスト数学で9割・満点を取るためのコツは、難問だけに対策を絞るのではなく、基礎問題の取りこぼし、誘導への対応、計算ミス、時間配分を一つずつ減らし、得点できる問題を安定して正解することです。
共通テスト数学のコツについてよくある質問
共通テスト数学の対策は文系でも同じ?
基本的な勉強の進め方は、文系でも変わりません。
まず、受験で必要な範囲について、基礎的な問題を解説なしで解ける状態にすることが必要です。そのうえで、共通テストの過去問などを使い、問題文から条件を読み取ることや、前の設問から誘導を読み取る練習をします。
文系だから特別な解き方を覚えるというより、必要な範囲について「基礎が身についているか」「共通テスト形式に対応できているか」を分けて確認することが大切です。
二次試験の数学が解ければ共通テスト対策は必要ない?
二次試験の数学が解ける場合でも、共通テスト形式の演習は行った方がよいでしょう。
数学の基礎力や典型・標準問題を解く力が身についていても、共通テストでは長い問題文から必要な情報を読み取ったり、前の設問で得た結果を使ったりしながら解き進める必要があります。
また、制限時間の中で複数の大問を解くため、時間配分にも慣れておく必要があります。
二次試験の問題を解く力がある場合には、基礎からやり直すのではなく、過去問を使って共通テスト特有の出題形式や誘導への対応を確認するとよいでしょう。
共通テスト数学ができないのは数学が苦手だから?
共通テスト数学ができないという結果だけで、数学そのものが苦手だとは判断できません。
教科書の節末問題や典型問題なら解けるのに、共通テストになると点数が取れない場合があります。
その場合は、数学の知識そのものではなく、問題文から必要な条件を読み取れていない、前の設問とのつながりに気づいていない、誘導に沿って考えることに慣れていない、一つの問題に時間を使いすぎている、といったところに原因がある可能性があります。
反対に、誘導を外して考えても「何をすればよいか分からない」のであれば、その単元の基本的な考え方まで戻って確認する必要があります。
共通テストができない原因を「数学が苦手だから」で終わらせず、どの段階で考え方が止まっているのかを確認することが大切です。
共通テスト数学で30点の場合、全部の単元を最初からやり直すべき?
30点だからといって、数学の全範囲を最初からやり直す必要があるとは限りません。
まず模試や過去問を大問ごとに見て、基礎的な設問をどこまで正解できているかを確認します。
ある単元では基礎問題を解けている一方、別の単元では最初の設問から解き方が分からないのであれば、後者を優先して戻ります。
点数ではなく、「どの単元の、どの考え方まで身についているか」から、戻る範囲を決めることが重要です。
共通テスト数学では問題文を最初から全部読んだ方がよい?
問題文は必要ですが、すべての文章を同じように読むのではなく、「何が分かっていて、何を求めるのか」を整理しながら読むことが大切です。
特に設問が続いている場合には、
「前の設問で何が分かったか」
「なぜ、それを先に求めさせたのか」
「次の設問で新しく何が加わったか」
を確認します。
問題文を何度も最初から読み直すのではなく、条件と設問のつながりを整理しながら読むことが、誘導を見つけることにもつながります。
共通テスト数学で高得点を取るには難しい問題集が必要?
高得点を目指す場合でも、難しい問題集を増やすことが必ずしも最優先ではありません。
まず確認したいのは、各大問の基礎的な問題を安定して正解でき、計算ミスや条件の読み違いによる失点を減らせているかです。
そのうえで、後半の問題について、数学的な解き方が分からないのか、それとも共通テストの誘導に乗れていないのかを確認します。
自分の方法なら解けるのであれば共通テスト形式の演習を増やし、問題そのものの解き方が分からないのであれば典型・標準問題まで戻ります。
難易度の高い問題集へ進む前に、自分がどこで点数を落としているのかを確認することが先です。
まとめ|共通テスト数学のコツは「どこで考え方が止まったか」を確認すること
共通テスト数学のコツは、特別な裏ワザを覚えることではなく、問題文や前の設問から次に必要な考え方を読み取り、解けなかった原因に合わせて勉強方法を変えることです。
重要なポイントを整理します。
- 誘導に乗るときは、「前の設問で何が分かったか」だけでなく「なぜそれを求めさせたのか」を考える
- 時間が足りないときは、計算・問題文の読み取り・解き方を決める時間のどこで時間を使っているか確認する
- 点数だけで基礎へ戻るかを決めず、実際にどのように考えたのかを確認する
- 公式は暗記だけで終わらせず、意味・使う条件・ほかの知識とのつながりまで確認する
- 過去問は「解く→原因を確認する→必要な勉強をする→解説なしで再現する」という流れで使う
特に大切なのは、「間違えたから基礎に戻る」のではなく、「問題を解くための考え方が身についていない場合に基礎へ戻る」ことです。
たとえば、共通テストの誘導どおりには解けなくても、自分の方法なら正解できるのであれば、数学の考え方そのものが不足しているとは限りません。
この場合には、共通テスト形式の問題を使って、前の設問と次の設問をつなげる練習をします。
一方、誘導を外しても「何をすればよいか分からない」のであれば、教科書の節末問題や典型・標準問題まで戻り、問題を見たときに自分で解き方を選べるところまで確認します。
まずは直近の模試や共通テストの過去問を1回分用意して、間違えた問題だけでなく、正解した問題についても「なぜこの解き方を選んだのか」を説明できるか確認してみてください。
自分だけでは、
「共通テストの形式に慣れていないのか」
「基礎まで戻った方がよいのか」
「どの単元からやり直せばよいのか」
を判断するのが難しい場合は、現在使っている問題集や模試・過去問の答案をもとに、数学のどこで考え方が止まっているのかを整理するところから、体験授業・ご相談で確認できます。


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