大学受験の数学対策として青チャートを使い始めたものの、
- 問題数が多くて、最後まで終わる気がしない
- 青チャートは例題だけ解けばいいのか分からない
- 解説を読むと分かるのに、少し時間がたつと解けなくなる
- 数学が苦手なのに、このまま青チャートを続けていいのか不安
- コンパス3や4まで、どこまで解けばいいのか分からない
という受験生は少なくありません。
青チャートは多くの問題を収録しているため、「最初から全部解かなければならない」と考えると、数学が苦手な受験生ほど進めること自体が目的になりやすくなります。
しかし、数学の青チャートの使い方で大切なのは、何ページ進んだかではなく、解説を見ないで自力で解ける問題が増えているかを確認することです。
たとえば、例題が分からなかったときに解説を読んで、
「なるほど、そうやって解くのか」
と理解できたとします。
ここで次の例題へ進んでしまうと、その問題はまだ「自分で解ける問題」になっていないことがあります。
私が数学を指導するときも、解説を理解できたことだけでは「できるようになった」とは判断していません。
解説を確認した後にいったん閉じて、もう一度問題だけを見てもらいます。
そして、問題文から必要な考え方を自分で取り出し、式を立て、最後まで正解できるかを確認します。
さらに類題を解き、後日もう一度確認して、それでも自力で解ける状態になっているかを見ます。
青チャートでも、この考え方は同じです。
この記事では、数学が苦手な大学受験生に向けて、
- 青チャートは例題だけでもよいのか
- 基本例題・練習問題・Exerciseをどう使い分けるのか
- 解説を読んだ後に何をすればよいのか
- 間違えた問題をどう復習するのか
- コンパス3・4をどこまでやればよいのか
- 青チャートを1周する期間をどう考えるのか
を、数学専門の家庭教師としての指導経験も踏まえて解説します。
青チャートを「終わらせる」ことではなく、大学受験で自分から使える数学を身につけるための進め方を整理していきましょう。
青チャートは数学が苦手な受験生にも使える?
数学が苦手な受験生でも青チャートは使えます。
ただし、最初からすべての問題を順番に解くのではなく、現在の理解度に合わせて使う範囲と進め方を変えることが大切です。
青チャートを使っていて、
「問題数が多すぎて終わらない」
「解説を読めば分かるけれど、自分では解けない」
「難しい問題になると、何をすればよいのか分からない」
という状態になることがあります。
この場合、すぐに「自分には青チャートは難しすぎる」と判断する必要はありません。
まず確認したいのは、どの段階で止まっているのかです。
私はこれまで算数・数学専門の家庭教師として200名以上を指導してきましたが、数学が苦手な生徒に対しては、現在学習している問題だけを見るのではなく、「どこから自力で解けなくなっているのか」を確認することを重視しています。
青チャートでも同じです。
大きく分けると、
① 解説を読んでも分からない
→前提となる内容まで戻る
② 解説を読めば分かるが、自力では解けない
→基本例題を解説なしで解けるまで練習する
③ 基本例題を解説なしで解ける
→類題や練習問題へ進み、自分で解法を選べるか確認する
という3段階で考えることができます。
数学が苦手だから青チャートを使わない、と一律に決めるのではなく、「今の自分は青チャートをどのように使えばよい段階なのか」を確認することが重要です。
青チャートはどのくらいのレベルの参考書?
青チャートは、教科書レベルの内容から大学入試対策まで、幅広いレベルの問題を扱う参考書です。
青チャートを発行している数研出版は、青チャートについて、教科書レベルから入試レベルまで幅広い問題を掲載している参考書として案内しています。
また、商品情報でも、日常学習の教科書レベルから大学入試対策までの必須問題を効果的に配列していることが説明されています。
そのため、
「青チャート=数学が得意な受験生だけが使う難しい問題集」
と考える必要はありません。
一方で、教科書レベルから入試レベルまで掲載されているからこそ、数学が苦手な受験生が最初からすべての問題に取り組む必要もありません。
現在の理解度によって、
- 基本事項の確認を優先する
- 基本例題を中心に取り組む
- 類題や練習問題まで進む
- 必要に応じて難しい問題へ進む
と、青チャートの使い方を変えます。
特に大学受験では、
「青チャートを全部終わらせたか」
より、
「志望校で必要になる問題について、どこまで解説なしで解けるようになっているか」
を確認することが重要です。
数学が苦手でも最初から青チャートを使っていい?
青チャートの基本例題の解説を読んで内容を理解できるのであれば、数学が苦手でも青チャートを使って学習を進めることはできます。
ただし、
「解説を読めば分かる」
だけで次々に新しい例題へ進まないことが大切です。
数学が苦手な受験生には、
問題だけを見ると解けない
↓
解説を読む
↓
「なるほど」と理解する
↓
次の問題へ進む
という勉強になっていることがあります。
この方法では、「解説を読んだ問題」は増えても、自力で解ける問題が十分に増えないことがあります。
私は実際の数学指導でも、解説を聞いてその場で正解できただけでは、「できるようになった」とは判断していません。
一度理解した問題は、解説を見ない状態でもう一度解いてもらいます。
さらに必要に応じて類題を家庭学習として出し、次回の指導では、その中からこちらで問題を選んで小テストを行います。
そこで確認するのは、答えを覚えているかではありません。
時間を空けた後でも、問題文を読んで必要な考え方を自分で選び、式を立てて正解までたどり着けるかを確認します。
青チャートでも、
まず自力で解く
↓
分からなければ解説を読む
↓
解説を閉じる
↓
同じ例題を最初から解く
↓
類題を解く
↓
後日もう一度確認する
という進め方ができます。
したがって、
「数学が苦手だから青チャートはまだ早い」
と点数や偏差値だけで決める必要はありません。
青チャートの解説を理解でき、その内容を使って基本例題を自力で解ける段階まで持っていけるのであれば、青チャートを使って学習を進めることができます。
青チャートより先に教科書へ戻ったほうがいいのはどんな人?
青チャートの解説を読んでも内容が理解できない問題が多い場合は、その問題を繰り返すより、教科書や前提となる単元へ戻った方がよい場合があります。
ここで重要なのは、
「青チャートが難しいから、教科書を最初から全部やり直す」
ことではありません。
現在の問題を解くために不足している知識がどこにあるのかを確認して、必要なところまで戻ります。
実際に私が指導した高校1年生に、等比数列の一般項を正しく求められない生徒がいました。
最初は「等比数列が分からない」という状態に見えます。
しかし、実際に途中の計算を確認すると、原因の一つは中学校で学習した指数計算にありました。
等比数列では、
a_n=ar^{n-1}
のように指数を含む式を扱います。
そのため、等比数列の公式自体を理解していても、指数法則を使った計算が不安定であれば、一般項を正しく求められないことがあります。
そこで、この生徒にはいったん数列の問題を進めるのを止め、中学校で学習した指数法則を使う計算を練習してもらいました。
その計算が安定してから等比数列へ戻ると、数列の一般項を正しく答えられるようになりました。
この場合、
「高校1年生だから高校1年生の範囲だけを復習する」
「数列ができないから青チャートの数列を何度も繰り返す」
という方法では、原因となっていた部分を十分に補えません。
数学では、現在学習している内容が、それ以前の知識の上に積み重なっています。
そのため、青チャートの解説が分からないときには、
どの式から分からなくなったのか
↓
その式ではどの知識を使っているのか
↓
その知識を使った基本問題を自力で解けるか
と確認します。
たとえば、
二次関数で平方完成ができない
→平方完成の基本計算へ戻る
数学Ⅱの三角関数が理解できない
→数学Ⅰの三角比を確認する
等比数列の計算で止まる
→指数計算を確認する
というように、戻る場所を決めます。
反対に、青チャートの解説を読めば十分理解できるのに、問題だけを渡されると解けないのであれば、必ずしも教科書へ戻る必要はありません。
その場合に不足しているのは基礎知識ではなく、理解した解法を自分でアウトプットする練習である可能性があります。
整理すると、
解説を読んでも分からない
→教科書や前提単元まで戻る
解説を読めば分かるが、自力では解けない
→青チャートの基本例題を解説なしで解き直す
基本例題を解説なしで解ける
→類題・練習問題へ進む
という使い分けになります。
数学が苦手な受験生が青チャートを使えるかどうかは、「数学が得意か苦手か」だけで決まるものではありません。
今取り組んでいる問題について、どこまで理解でき、どこから自力でできなくなるのかを確認し、その状態に合わせて青チャートと教科書を使い分けることが大切です。
青チャートは例題だけやればいい?
数学が苦手な受験生は、最初から青チャートの問題を全部解こうとせず、まず例題を優先して進めても構いません。
ただし、「例題だけやる」と「例題の解説だけ読んで進む」は別です。
青チャートには多くの問題が掲載されているため、
「例題も練習問題も全部やらなければいけない」
と考えると、なかなか先へ進めなくなることがあります。
特に大学受験までの時間が限られている場合は、すべての問題を均等に解くより、まず例題を使って、その単元で必要になる基本的な考え方や解法を身につける方が進めやすくなります。
ただし、ここで目標にしたいのは、
「例題を一通り見た」
という状態ではありません。
目指したいのは、
「問題だけを見て、自分で必要な考え方を選び、解答まで進められる例題を増やす」
ことです。
その状態まで到達しているかによって、例題を続けるのか、類題や練習問題へ進むのかを判断します。
数学が苦手なら、まず基本例題を優先していい?
数学が苦手な段階では、青チャートのすべての問題へ手を広げるより、まず基本例題を優先して、自力で解ける問題を増やしていく方法があります。
たとえば、1つの単元に、
・基本となる例題
・その考え方を使う類題
・さらに条件を変えた問題
・複数の知識を組み合わせる問題
がある場合、基本となる考え方がまだ定着していない段階で、すべての問題へ進む必要はありません。
まず例題に取り組み、
「この問題では、なぜこの公式を使うのか」
「問題文のどの条件から、この解法を選ぶのか」
を確認します。
私の指導でも、問題集を使うときに、単純に「今日はここからここまで進める」というページ数だけで学習量を決めることはしていません。
できなかった問題については、
自力でどこまで考えられたのか
→何が分からなかったのか
→説明後に自分で解き直せるのか
→別の問題でも同じ考え方を使えるのか
と段階を追って確認します。
青チャートでも、まず基本例題でこの確認を行い、基本的な考え方を自分でアウトプットできる状態を作ってから、問題の幅を広げる方が学習状況を把握しやすくなります。
ただし、「基本例題を優先する」というのは、受験まで基本例題だけを繰り返すという意味ではありません。
基本例題は、その先の演習へ進むための土台として使います。
「例題をやった」と判断するのはどの状態?
青チャートの例題について、解説を読んで理解しただけでは「できた」と判断しません。
問題だけを見て、自分で解法を選び、正解までたどり着けることを一つの基準とします。
たとえば、例題に取り組んだ後の状態は、次のように分けられます。
| 状態 | 判断 | 次にすること |
|---|---|---|
| 最初から自力で正解できた | ○ | 次の例題へ進む |
| 方針は合っていたが途中で止まった | △ | 止まった部分を確認して解き直す |
| 解説を読めば理解できた | △ | 解説を閉じて最初から解き直す |
| 解説を見ながらなら解けた | △ | 何も見ずに再度解く |
| 解説を閉じると解けない | × | 同じ例題をもう一度練習する |
| 数日後にも自力で解けた | ○ | 類題・次の段階へ進む |
特に注意したいのが、
「解説を読めば分かった」
という状態です。
これは大切な途中段階ですが、大学入試で求められる状態とは異なります。
本番では、青チャートの解説を確認してから問題を解くことはできません。
そのため、
問題を読む
→何を使うか判断する
→式を立てる
→必要な計算をする
→答えまで出す
という一連の流れを、自分で行えるかを確認します。
さらに、その日のうちに解けただけでは、解説の内容を覚えている可能性があります。
そこで、数日後にもう一度問題だけを見て解いてみます。
私の実際の指導でも、その場でできた問題について、次回の指導でこちらから問題を選んで小テストを行うことがあります。
これは、宿題をやったかどうかだけを確認するためではありません。
時間を空けても、自分で考え方を再現できるかを見るためです。
したがって、青チャートでも、
「例題を何問やったか」より、「例題のうち何問を解説なしで解けるようになったか」
を確認する方が、現在の学習状況を把握しやすくなります。
例題が解けたら練習問題やExerciseまでやるべき?
例題を自力で解けるようになったら、必要に応じて練習問題やExerciseへ進み、「少し違う問題でも同じ考え方を使えるか」を確認します。
ここで初めて、例題以外の問題に取り組む意味が大きくなります。
例題を解いた直後は、
「このページではこの公式を使う」
「さっきの例題と同じ方法で解く」
と判断しやすい状態です。
しかし、実際の模試や大学入試では、どの例題と同じ考え方を使えばよいのかは書かれていません。
そこで類題や練習問題では、
条件が変わっても解けるか
数値が変わっても考え方を再現できるか
例題と少し違う聞かれ方をしても解法を選べるか
を確認します。
例題は解けるのに練習問題で止まる場合には、
「例題を理解していなかった」
とすぐに判断する必要はありません。
たとえば、
・例題と問題文の形が変わると使う公式を選べない
・2つ以上の知識を組み合わせられない
・途中の計算で止まる
・問題の条件を式に直せない
など、別の原因が考えられます。
このときは、練習問題の答えだけを覚えるのではなく、例題ではできていたことのうち、何ができなくなったのかを確認します。
一方、基本例題もまだ自力では安定して解けない状態であれば、Exerciseまで無理に広げるより、例題の定着を優先する方法もあります。
例題→練習問題→Exerciseと機械的に全部進めるのではなく、例題で身につけた考え方を別の問題でも使えるかを確かめるために、次の問題へ進むという考え方です。
受験生のタイプ別 青チャートの進め方
青チャートを例題だけ進めるか、練習問題やExerciseまで取り組むかは、受験生の現在の状態によって変えます。
目安を整理すると、次のようになります。
| 現在の状態 | 優先する学習 |
|---|
| 基本例題でも自力では解けない | まず基本例題を解き直す |
| 解説後なら基本例題を再現できる | 後日もう一度基本例題を確認する |
| 基本例題を安定して自力で解ける | 類題・練習問題へ進む |
| 類題でも考え方を使える | Exerciseなどで問題の幅を広げる |
| 単元別では解けるが模試では解法を選べない | 複数単元を混ぜた演習を増やす |
| 青チャートでは解けるが志望校の過去問では止まる | 過去問から不足している考え方を確認する |
ここで大切なのは、「例題だけで合格できるか」という問いを、すべての受験生に共通する問題数の話にしないことです。
たとえば、まだ基本例題を自力で解けない受験生にとっては、Exerciseを増やすより基本例題の習得が優先されます。
反対に、基本例題をほとんど自力で解ける受験生が、いつまでも例題だけを繰り返していても、初めて見る問題に対応する練習は不足します。
さらに、青チャートの問題をかなり解けるようになった段階では、志望校の過去問で実際に何が足りないのかを確認することも必要です。
私が指導した一橋大学志望の高校3年生にも、青チャートのCompassで示された問題まで解くことができ、考え方も正しくアウトプットできる生徒がいました。
それでも、一橋大学の過去問では、青チャートの典型的な例題とは違う問題の捉え方が必要になり、最初は解法を見つけられないことがありました。
このように、青チャートの例題や演習を十分に解けることと、志望校の問題をすべて解けることも同じではありません。
したがって、青チャートは、
基本例題で典型的な考え方を身につける
→類題・練習問題で使えるか確認する
→必要に応じてExerciseへ進む
→過去問で志望校に必要な力との差を確認する
という順番で使うと、現在の課題を整理しやすくなります。
数学が苦手な受験生は、最初から青チャートを全部解くことを目標にする必要はありません。
まず例題を自力で解ける状態にし、その考え方を別の問題でも使えるようになったら、練習問題・Exercise・過去問へと学習を広げていくことが大切です。
青チャートの効果的な使い方は?1問をどう進める?
青チャートの1問に取り組むときは、「解けなかったら解説を読む」で終わらず、解説から得た考え方を、もう一度自分でアウトプットするところまでを1セットにします。
私が数学を指導するときに重視しているのは、
アウトプット→インプット→アウトプット
という順番です。
最初から解説を読むのではなく、まず自分で問題を考えます。
分からなければ、そこで初めて解説を使って必要な知識や考え方をインプットします。
そして最も重要なのが、その後です。
解説を閉じて、もう一度自分の力で同じ問題を解きます。
青チャートを使う場合も、
① 問題だけを見て自力で解く
→② 分からないところを確認する
→③ 解説を読む
→④ 解説を閉じて同じ問題を解く
→⑤ 類題で使えるか確認する
→⑥ 時間を空けてもう一度確認する
という流れを基本にします。
「何ページ進んだか」だけではなく、1問から得た考え方を、次に解説なしで取り出せる状態にすることを意識します。
最初から解説を読んでもいい?
基本的には、最初に問題だけを見て、自分で考える時間を作ります。
すぐに正解までたどり着けなくても構いません。
まず、
「何を求める問題なのか」
「どの単元の知識が使えそうか」
「最初にどんな式を書けばよさそうか」
を考えます。
ここで大切なのは、正解できるまで長時間粘ることではなく、自分がどこまで考えられるかを確認することです。
たとえば、問題を見た段階で、
A:解法が分かり、そのまま解けそう
B:使いそうな公式や考え方は分かるが、その先へ進めない
C:何を使えばよいのか分からない
という違いがあります。
BとCでは、同じ「不正解」でも学習上の意味が違います。
Bなら、途中まで考えた方針と解説を比較できます。
「考え方は合っていたが式変形で止まった」
「この条件の使い方だけ思いつかなかった」
など、修正すべき部分を限定できます。
Cなら、解説を読むときに、
「なぜこの解法を選ぶのか」
を特に確認します。
青チャートの解説を見る目的は、答えを知ることではありません。
自分の考え方と解説との違いを見つけるために使います。
そのため、途中まででも自分で考えてから解説を読んだ方が、
「ここまでは自分でも考えられた」
「ここから発想できなかった」
という境目が分かりやすくなります。
一方で、全く方針が立たない問題を30分、40分と考え続ける必要もありません。
大学受験までの時間は限られています。
ある程度考えても進まなければ解説を確認し、分からなかった考え方を学んでから、自分で使えるようにすることへ時間を使います。
解説を読んだ後は何をすればいい?
解説を理解したら、一度解説を閉じて、何も見ない状態から同じ問題を解き直します。
ここが、私が実際の指導でも特に重視しているところです。
解説を読んでいる最中は、
「なるほど」
「この公式を使えばいいのか」
「この式変形なら分かる」
と思えても、解説を閉じると最初の1行が書けないことがあります。
これは、
解説の内容を理解できたこと
と、
自分でその考え方を取り出せること
が別だからです。
そこで解説を読み終えたら、答えや途中式をなるべく見ない状態にして、問題文からやり直します。
このとき、解答を丸ごと暗記して再現するのではなく、
「なぜ最初にこの式を立てるのか」
「問題文のどの条件を見て、この公式を使うと判断したのか」
「次の式へ進む理由は何か」
を確認しながら解きます。
途中で分からなくなった場合には、もう一度解説へ戻って構いません。
ただし、確認したら再び解説を閉じます。
たとえば、
解説を読む
→3行目までは自分でできる
→4行目が分からない
→4行目の理由を確認する
→解説を閉じる
→最初からもう一度解く
という使い方です。
青チャートでも、解説は「読むためのもの」で終わらせず、次に自分で解くための材料として使うことが大切です。
青チャート1問の具体的な勉強手順は?
1問の学習は、「正解・不正解」だけでなく、どの段階まで自力でできたかを記録しながら進めると復習しやすくなります。
私なら、たとえば次のように進めます。
STEP1 問題だけを見て解く
まず解答・解説を見ずに取り組みます。
途中式も残しておきます。
間違えた場合に、自分がどこで考え方を間違えたのか確認できるからです。
↓
STEP2 自分の状態を確認する
問題を、
○=解説なしで最後まで正解できた
△=方針は分かったが途中で止まった、または間違えた
×=解法そのものが分からなかった
などに分けます。
単純に正解なら○、不正解なら×とするのではなく、自分がどこまで考えられたかも確認します。
↓
STEP3 必要なところだけ解説を確認する
△なら、自分の解答と青チャートの解説を比較します。
×なら、答えそのものより、
「なぜこの考え方を使うのか」
を中心に読みます。
分からない計算や公式が出てきた場合には、その部分も確認します。
↓
STEP4 解説を閉じて同じ問題を解く
解説を理解したら、白紙の状態からもう一度解きます。
ここでは、
「解答を覚えているから書けた」
ではなく、
問題文→解法の判断→式→計算→答え
を自分でつなげられるか確認します。
途中で止まったら、再び必要な部分だけ解説を確認して、もう一度やり直します。
↓
STEP5 類題で確認する
同じ問題を解けるようになったら、条件や数値の異なる類題に取り組みます。
ここでは、解答の手順を覚えたのではなく、考え方そのものを使えるかを確認します。
↓
STEP6 後日もう一度解く
その日にできた問題でも、数日後には解き方を忘れていることがあります。
そこで、△や×だった問題を中心に、時間を空けてもう一度問題だけを見て解きます。
私の指導でも、家庭学習として取り組んだ問題の中から、次回の指導時にこちらで問題を選び、小テストとしてもう一度解いてもらいます。
生徒自身が、
「これは昨日やったからできる」
と選ぶのではなく、こちらから問題を出すことで、時間を空けても考え方を取り出せるかを確認するためです。
このときに解説なしで解ければ、初めて○へ変更します。
反対に、もう一度解けなくなっていれば、再び△や×として復習します。
青チャートを効率よく進めるとは、1問にかける時間をできるだけ短くすることではありません。
「次に同じ考え方が必要になったとき、自分で取り出せる状態」にしてから進むことです。
例題と類題の進め方
例題と類題は、「例題で解法を覚えて、類題で同じ手順を繰り返す」という関係だけではありません。
例題で学んだ考え方を、条件が変わった問題でも自分で選べるかを確認するために類題を使います。
たとえば、例題を解説を見ながら解いた直後に、ほとんど同じ形の類題を解けば、正解できることがあります。
しかし、それだけでは、
「考え方を理解したから解けた」
のか、
「直前に見た解答の手順を覚えていたから解けた」
のか判断しにくくなります。
そこで、
例題を自力で解き直す
→類題を解く
→少し時間を空ける
→もう一度例題または類題を解く
と確認します。
さらに、学習が進んだら、同じ単元の問題だけでなく、別の単元の問題も混ぜます。
たとえば、微分では、
「極値を求めるために微分する」
ことは分かっていても、導関数が2次関数になったときに、
3次関数が極大値・極小値を持つ
→導関数が0になる異なる2点が必要
→導関数として得られた2次方程式が異なる2つの実数解を持つ
→判別式を使って条件を調べる
というつながりを作れないことがあります。
実際の指導でも、
「2次方程式が異なる2つの実数解を持つ条件は判別式で調べる」
という知識と、
「関数の極値を調べるために微分する」
という知識をそれぞれ持っていても、一つの問題の中で両者を結びつけられない生徒がいます。
この段階になると、単に同じ例題を繰り返すだけではなく、
「今まで習ったどの知識を組み合わせれば、この問題を解けるのか」
を考える演習が必要になります。
そのため青チャートでは、
例題で一つの解法を理解する
→解説を閉じて自分で再現する
→類題で使えるか確認する
→時間を空けて再現する
→別の知識と組み合わせても使えるか確認する
という順番で、1つの考え方を少しずつ自分のものにしていきます。
青チャートの1問は、答え合わせをしたところで終わりではありません。
「分からなかった問題から何を学び、その考え方を次に自分で使えるようになったか」まで確認して、1問の学習を終えることが大切です。
青チャートの復習はどうすればいい?
青チャートの復習では、すべての問題を同じ回数繰り返す必要はありません。
自力で解ける問題を復習から少しずつ外し、まだ解けない問題に時間を使うことが大切です。
青チャートは問題数が多いため、
「2周目も最初から全部やる」
「3周しないと身につかない」
と決めてしまうと、すでにできる問題にも多くの時間を使うことになります。
そこで、1周目から問題ごとの状態を分けておきます。
たとえば、
○=解説なしで自力で解けた
△=考え方は分かったが、途中で間違えた・止まった
×=解法を自分で判断できなかった
というように記録します。
2周目以降は、△と×を中心に復習します。
そして△や×だった問題が自力で解けるようになったら○へ変え、復習の優先順位を下げます。
つまり、青チャートの復習は、
全部の問題を繰り返す学習
ではなく、
まだ自力で解けない問題を見つけ、それを減らしていく学習
と考えると進めやすくなります。
間違えた問題は何回解き直す?
「間違えた問題は3回解く」のように、すべての問題について復習回数を固定する必要はありません。
解説なしで安定して解けるようになるまで確認します。
同じ×の問題でも、できるようになるまでに必要な回数は違います。
たとえば、
1回解き直しただけで、その後も自力で解ける問題もあれば、
何度取り組んでも、
「解説を見れば分かるけれど、数日後にはまた解法を忘れている」
という問題もあります。
後者については、単純に「あと2回やれば終わり」とするのではなく、何が原因で再び解けなくなったのかを確認します。
たとえば、
- 公式を忘れている
- 最初の方針を思いつかない
- 途中の式変形で止まる
- どの条件を使えばよいか分からない
- 別の問題になると同じ解法だと判断できない
などです。
原因によって、必要な復習も変わります。
特に注意したいのは、同じ問題を短期間に何度も繰り返して、解答そのものを覚えてしまうことです。
3回、4回と連続して同じ問題を解けば、途中式まで覚えて正解できる場合があります。
しかし、それだけでは大学受験で必要な力が身についたとは判断できません。
そのため、できるようになったと思った問題ほど、少し時間を空けてもう一度確認します。
そのときに、
問題文を読んで、自分で最初の方針を決められるか
を見ることが重要です。
私の指導でも、「何回解いたから終了」とは決めていません。
一度できた問題でも、後日の小テストで再び解けなければ復習対象へ戻します。
反対に、以前はできなかった問題でも、時間を空けた後に自分で解法を選んで正解できれば、復習の優先順位を下げます。
復習回数ではなく、「時間を空けても自分で解けるか」を終了の基準にします。
正解した問題も復習する必要がある?
一度正解した問題を、すべて同じように復習する必要はありません。
ただし、「正解した=完全に身についている」とも限りません。
たとえば、正解した問題でも、
「公式を確認してから解いた」
「前の例題と同じだと分かっていたから解けた」
「途中で解説を少し見た」
「たまたま計算が合った」
という場合があります。
このような問題は、答えが合っていても△として扱ってよいでしょう。
一方、
問題だけを見て解法を判断し、途中の考え方も説明でき、最後まで自力で正解できた
のであれば、毎回同じ頻度で復習する必要はありません。
ただし、青チャートを単元ごとに進めていると、
「このページは数列だから数列の公式を使う」
「このページはベクトルだからベクトルで考える」
と、単元名そのものがヒントになることがあります。
そこで、一度○になった問題でも、しばらく後に別単元の問題と混ぜて出題すると、理解度をより正確に確認できます。
たとえば、
単元別では○
→時間を空けても○
→他単元と混ざっていても○
となれば、復習の優先順位はかなり下げられます。
反対に、単元別では正解できても、問題が混ざった途端に解法を選べなくなるのであれば、まだ復習する意味があります。
正解した問題を復習するかどうかも、正解した回数ではなく、「ヒントのない状態で考え方を取り出せるか」で判断します。
青チャートを何周すれば大学受験で使える?
青チャートは「3周すれば完成」「5周すれば合格できる」と一律に考えるより、自力で解けない問題がどれだけ残っているかで判断する方が実際の学習状況を把握しやすくなります。
たとえば1周目で、
○が70%
△が20%
×が10%
だったとします。
2周目に○の問題まですべて解き直すより、まず△と×を中心に取り組めば、復習に使う時間を絞ることができます。
そして、
×→△→○
と変わった問題を、少しずつ復習対象から外していきます。
この方法なら、「青チャート3周目」といっても、3周目に全ページをもう一度解く必要はありません。
実際の指導でも、私は「この問題集を全員3周」「5周すれば完成」といった形で回数を統一していません。
以前は解説が必要だった問題、途中で止まった問題、時間を空けると再び解けなくなった問題を優先します。
そして、×だった問題を○へ変えていくことを重視します。
この考え方なら、
「青チャートを3周したのに成績が上がらない」
という場合にも、単純に4周目へ進むのではなく、
3周した結果、どの問題が自力で解けるようになったのか
を確認できます。
また、青チャートの問題がかなり安定して解けるようになったら、青チャートだけを何周も続けるのではなく、模試や志望校の過去問を使って別の課題がないか確認する段階へ進みます。
したがって、「青チャートを何周すればよいか」への答えは、固定された数字ではありません。
自力で解けない問題を中心に復習し、それらが時間を空けても解けるようになったら、次の演習へ進むという考え方が基本になります。
青チャートの復習記録はどう付ければいい?
復習記録は複雑にしすぎず、「現在の状態」と「最後に確認した日」が分かる程度で十分です。
たとえば、問題番号の横に、
○=自力で解けた
△=途中までできた・ヒントが必要だった
×=解法が分からなかった
★=もう一度確認したい
などの印を付けます。
さらに日付を付けておけば、
「前回できなかった問題が、今回はできた」
「先週はできたのに、今回は解けなかった」
という変化も分かります。
たとえば、
9/5 ×
9/7 △
9/14 ○
となっていれば、最初は解けなかった問題が、時間を空けても自力で解ける状態へ変わったことが分かります。
反対に、
9/5 ○
9/12 ×
となった場合は、一度正解していても復習対象へ戻します。
さらに、△や×には短い理由を残しておくと便利です。
たとえば、
× 公式が出ない
△ 方針○・計算ミス
× 場合分けできず
△ 判別式につながらず
程度で十分です。
長い反省文を書く必要はありません。
目的はノートをきれいに作ることではなく、次に青チャートを開いたとき、「どの問題から復習すればよいか」がすぐ分かるようにすることです。
また、この記録があれば、
「今日は30ページ進める」
ではなく、
「今日は×を5問、△を5問確認する」
というように、その日の勉強内容を決められます。
青チャートは問題数が多いからこそ、全部を毎回同じように扱うのではなく、できる問題とできない問題を分けることが重要です。
青チャートの復習で目指したいのは、周回数を増やすことではありません。
時間を空けても解説なしで解ける問題を増やし、復習しなければならない問題を少しずつ減らしていくことです。
青チャートはコンパス3まで?コンパス4も必要?
青チャートをコンパス3までやるのか、コンパス4まで取り組むのかは、数字だけで一律に決めるのではなく、現在の学力と志望校で必要になる問題を見ながら判断します。
青チャートでは、例題についてコンパス印によって難易度が示されています。
数研出版も、コンパス印は例題の難易度を示し、自分の学習レベルを確認するためのものと説明しています。
一方、青チャートそのものは、教科書レベルから大学入試レベルまで幅広い問題を掲載した参考書です。
そのため、
「数学が苦手ならコンパス3まで」
「難関大学ならコンパス4まで」
と、コンパスの数字だけで学習範囲を固定する必要はありません。
大学受験で重要なのは、コンパス4まで終わらせたという事実ではなく、自分の志望校で必要になる問題に対応できることです。
特に志望校が決まってきたら、青チャートだけを見て学習範囲を決めるのではなく、実際の過去問と行き来しながら、取り組む問題を選ぶことをおすすめします。
数学が苦手ならコンパス3まででいい?
数学が苦手な受験生の場合、まずコンパス3程度の問題を安定して解けるようにすることを一つの目標にする方法があります。
ただし、「コンパス3までやれば大学受験対策は終わり」という意味ではありません。
ここで避けたいのは、
「コンパス4は難しいから全部飛ばす」
と最初から決めてしまうことです。
反対に、
「大学受験ならコンパス4まで全部やらなければならない」
と考える必要もありません。
志望校によって、必要になる問題は異なります。
たとえば、コンパス3までの内容にまだ不安が多い段階で、コンパス4の問題ばかり増やしても、学習が進みにくくなることがあります。
一方、コンパス3の問題がかなり安定してきたら、コンパス4の問題にも触れながら、
「大学入試では、基本的な知識がどのような形に変わって出題されるのか」
を知ることには意味があります。
私は、特にコンパス3や4にある入試問題について、大学入試で実際にどのような問題が出題されてきたのかを知るための「カタログ」のようなものとして見ることもできると考えています。
青チャートの問題を、
「このページを全部終わらせなければならない」
という視点だけで見るのではなく、
「大学入試には、こういう問題の出され方があるのか」
と知るためにも利用するということです。
この見方をすると、コンパス4についても「全部やる・全部やらない」の二択ではなくなります。
コンパス3はどこまでできれば次へ進んでいい?
コンパス3の問題で確認したいのは、正答率だけではなく、その問題で必要な考え方を自分で選択できるかどうかです。
たとえば、問題を見たときに、
何を使う問題なのか判断できる
最初の方針を自分で立てられる
必要な途中式を書ける
最後まで自分で答えを出せる
という状態になっているかを確認します。
さらに、同じ単元の中で解けるだけでなく、別の問題と混ざった状態でもその考え方を選べることが理想です。
コンパス3の問題をかなり解けるようになっているのであれば、同じ問題を何度も繰り返すだけでなく、コンパス4や志望校の過去問を見てみます。
そこで、
「今まで習った知識で考えられそうだ」
「コンパス3の考え方を少し発展させれば解けそうだ」
「これは今までとは違う発想が必要そうだ」
という違いを確認します。
つまり、コンパス3を終えること自体を目的にするのではなく、次の問題へ進むための土台として使います。
コンパス4まで解いたほうがいいのはどんな受験生?
コンパス3程度の問題が安定して解け、志望校の過去問を見たときに、より発展的な問題への対応が必要だと分かってきた受験生は、コンパス4まで学習範囲を広げる価値があります。
特に、
志望校がある程度決まっている
基本的な典型問題では大きく止まらない
過去問で、もう一段階考える必要のある問題が出ている
という場合には、コンパス4の問題を利用できます。
ただし、ここでも「コンパス4を全部終わらせる」ことだけを目標にはしません。
私は、コンパス3や4に掲載されている入試問題を解いたら、そこで終わらせず、その問題が実際に出題された大学の過去問を調べてみるという使い方もおすすめします。
たとえば、青チャートである大学の入試問題を解いたとします。
その問題について、
① どの大学で出題されたのか確認する
↓
② その大学の別年度の過去問を見る
↓
③ 似た考え方や解法を使う問題がないか探す
↓
④ 見つかったら実際に解いてみる
という流れです。
こうすると、青チャートの1問が、その大学の入試問題へつながる入口になります。
同じ大学の問題を何年か見ていくと、
「この大学では、この単元をこういう形で出すことがある」
「青チャートでは1つの典型問題だったが、実際の入試では別の単元と組み合わせている」
といった違いが見えてくることもあります。
青チャートを問題集としてだけでなく、大学入試問題を知るためのカタログとして使い、そこから実際の過去問へ広げていくという考え方です。
志望校によって青チャートの使い方はどう変える?
志望校が決まってきたら、「コンパス4まで全部終えてから過去問」と考えるのではなく、青チャートと過去問を行き来する使い方がおすすめです。
青チャートは、教科書レベルから入試レベルまで幅広い問題を扱っています。
さらに数研出版では、青チャートと受験用問題集「実戦 数学重要問題集」の対応表も公開しており、青チャートで扱った内容を入試演習へつなげられるようになっています。
ただし、最終的に受験するのは「青チャートのテスト」ではありません。
志望大学の入試問題です。
そのため志望校が決まった段階では、
青チャートで典型問題を学ぶ
↓
過去問を見る
↓
解けない問題を分析する
↓
青チャートに似た考え方の例題がないか探す
↓
必要な問題を復習する
↓
再び過去問へ戻る
という往復をします。
また、青チャートで扱われている入試問題の出典大学が志望校、あるいは志望校と出題レベルの近い大学であれば、その大学の過去問を調べてみます。
ここで大切なのは、まったく同じ問題を探すことではありません。
「同じ公式を使う」
「同じように場合分けする」
「同じ量に注目して考える」
「同じように別の単元の知識と組み合わせる」
といった、似た考え方で解く問題を探します。
青チャートで学んだ解法が、実際の入試ではどのように姿を変えて出てくるのかを経験するためです。
そして、過去問を解いてみて青チャートのコンパス4相当の問題まで必要だと判断できれば、その分野はコンパス4まで取り組みます。
反対に、ある単元についてはコンパス3程度の典型問題を確実に解けることの方が優先されるのであれば、そこへ学習時間を使います。
「コンパス3までか、4までか」を先に決めるのではなく、志望校の過去問から逆算して、どこまで必要なのかを決めるということです。
青チャートには多くの問題があります。
だからこそ、
コンパスの数字=全部クリアしなければならない課題
と考えるだけではなく、
コンパス3・4の入試問題=大学受験ではどのような問題が出題されるのかを知るためのカタログ
として利用することもできます。
青チャートで入試問題の「型」を知り、そこから実際に出題した大学の過去問へ進み、似た考え方を使う問題を探して解く。
この使い方ができると、青チャートでの学習を志望校対策へつなげやすくなります。
青チャートは何日で終わる?
青チャートが何日で終わるかは、「1周」の意味と、1日に新しく取り組む問題数によって大きく変わります。
そのため、「○日で終わらせればよい」と一律に決めることはできません。
「青チャート 何日で終わる」と調べる受験生の中には、
「夏休み中に1周したい」
「大学受験まで時間がない」
「毎日何問やれば間に合うのか知りたい」
という人もいるでしょう。
しかし、ここで最初に決めたいのは日数ではなく、何をもって「青チャートを終えた」とするのかです。
たとえば、
例題を一度すべて解いた
という意味の1周と、
できなかった問題を解き直し、自力で解ける問題を増やした
という意味の1周では、必要な時間がまったく違います。
また、1日に20問「見る」ことと、1日に5問について自分の弱点まで確認することも、同じ20問・5問という数字だけでは比較できません。
大学受験では、青チャートを短期間で最後のページまで進めることそのものが目的ではありません。
受験までに必要な範囲について、自分で使える知識と解法を増やすことを目的に、学習期間を決めます。
青チャートを1周するには何日かかる?
青チャートを1周する日数を考えるときは、まず「1周で何をするのか」を決めます。
たとえば、
「例題に一度ずつ取り組む」
ことを1周とする場合と、
「例題に取り組み、できなかった問題をその場でできる状態まで確認する」
ことを1周とする場合では、同じ問題数でも必要な時間は変わります。
さらに、数学ⅠAだけなのか、数学ⅡBCまでなのか、数学ⅢCまで取り組むのかによっても違います。
そのため、
青チャートは30日で1周
3か月あれば終わる
という数字だけを目標にするのはおすすめしません。
まず、
取り組む範囲
×
1日に新しく取り組める問題数
+
復習に必要な時間
から、おおよその期間を考えます。
たとえば、取り組みたい例題が300問あり、1日に新しく5問ずつ進めるなら、単純計算では60日です。
しかし実際には、毎日5問ずつ新しい問題だけを解けばよいわけではありません。
前日にできなかった問題や、以前取り組んだ問題の確認も入ります。
そのため、
新しい問題を進める時間
と、
以前の問題を確認する時間
を最初から分けて考えた方が現実的です。
また、同じ5問でも、すべて短時間で解ける日と、1問について長く考える日では必要な時間が違います。
したがって、「1周○日」という数字は、学習計画を立てるための目安にはなりますが、その日数に合わせるために理解できていない問題まで飛ばしてしまわないことが大切です。
1日に何問進めればいい?
1日の問題数は、「新しく取り組む問題」と「復習する問題」を分けて決めると管理しやすくなります。
たとえば、
新規5問+復習5問
とすれば、その日に扱う問題は10問です。
翌日には、
新規5問+前日までの復習
という形で進めます。
ここで、新規問題を増やしすぎると、数日後には復習しなければならない問題が大量に残ることがあります。
逆に、復習だけを続けて新しい範囲へまったく進めなければ、受験までに必要な単元を学習できない可能性があります。
そのため、
新しい問題を進めること
と、
以前できなかった問題をできるようにすること
を並行して行います。
1日に進める問題数も固定する必要はありません。
たとえば、比較的理解できている単元なら、新しい問題を多めに進めることができます。
一方、苦手な単元では、同じ時間でも新しく進められる問題数は少なくなります。
数学の学習では、
「毎日必ず10問」
と問題数だけをそろえるより、
今日は新規問題を何問進め、どの問題を復習するのか
を決める方が、その日の目的が明確になります。
学習レベル別に青チャートの進め方を変える
同じ青チャートを使っていても、現在の学習レベルによって1日に進められる量は変わります。
目安として、次の4段階に分けて考えることができます。
| 現在の状態 | 青チャートでの学習の中心 |
|---|---|
| 解説を読んでも理解できない問題がある | 前提知識の確認を優先する |
| 解説を読めば理解できるが、自力では解けない | 基本的な例題の習得を優先する |
| 基本的な例題は自力で解ける | 類題・演習へ学習範囲を広げる |
| 例題・類題とも安定している | 入試問題や過去問へ進む |
最初の段階では、青チャートを速く進めようとしても、途中で止まる問題が多くなります。
この段階では、進度を落としてでも不足している知識を補う時間が必要です。
一方、基本的な問題が安定して解けるようになれば、同じ1時間でも扱える問題数は増えていきます。
つまり、
青チャートは最初から最後まで同じペースで進める必要はありません。
苦手な範囲ではゆっくり進み、理解できている範囲では速く進む。
さらに学習が進めば、新規の例題に使う時間を減らして入試演習へ移していく。
このように、現在の状態に合わせて進め方を変えます。
「毎日○ページ」と一定の速度を守ることより、自力で解ける問題が増えるにつれて学習の段階を変えていくことが重要です。
青チャートが受験までに終わらないときはどうする?
受験までに青チャートが全部終わらないと分かった場合、残っている問題を急いで全部消化しようとするのではなく、取り組む範囲に優先順位を付けます。
特に高校3年生になってから青チャートを始めた場合や、数学を基礎からやり直している場合には、
「入試までに全ページ終わらない」
ということもあります。
この場合に、
「1日30問に増やして、とにかく最後まで進む」
とすると、解説を読むだけの問題が増えてしまう可能性があります。
そこで、残り時間から逆算します。
まず、
受験まであと何か月あるか
を確認します。
次に、
まだ学習していない単元
理解が不十分な単元
学校や模試で繰り返し間違えている単元
入試までに優先して習得したい単元
を整理します。
そのうえで、青チャートの中から優先して取り組む問題を決めます。
たとえば、残り4か月しかないのに、現在数学ⅠAの最初から全問題を順番に進めているのであれば、その方法を続けるべきか一度見直します。
一方で、残り時間が少ないからといって、難しい入試問題ばかりに切り替えればよいわけでもありません。
基礎的な計算や典型的な解法が不足しているのであれば、そこへ時間を使う必要があります。
つまり、
残り時間が少ない
=青チャートを速く終わらせる
ではなく、
残り時間が少ない
=今から何をできるようにするかを絞る
と考えます。
そして、青チャートの「終了日」だけで学習計画を作るのではなく、
○月までに数学ⅠAの優先範囲を固める
次の期間で数学ⅡBCの必要な単元へ進む
その後は入試演習の割合を増やす
というように、段階ごとに期限を設定します。
こうすれば、青チャートが最後のページまで終わっていなくても、大学受験に向けて必要な学習を前へ進めることができます。
青チャートを何日で終えるかよりも、「受験までの残り時間で、何をどこまでできるようにするのか」を決めることが重要です。
青チャートは、その計画を実現するために使う教材の一つとして考えましょう。
青チャートを使っても数学の成績が上がらないのはなぜ?
青チャートを何度も勉強しているのに数学の成績が上がらない場合、「青チャートをもっとやる」と考える前に、テストで何ができていないのかを確認する必要があります。
青チャートの問題では正解できるようになっているのに、模試や大学入試の問題になると点数が取れないことがあります。
この場合、原因は一つではありません。
たとえば、
解説を読めば理解できるが、自力では解けない
解答の手順を覚えてしまっている
単元が分かっていれば解けるが、テストでは解法を選べない
青チャートの典型問題は解けるが、志望校では違った問題の捉え方が必要になる
という違いがあります。
したがって、成績が上がらないからといって、すぐに別の問題集へ変えたり、青チャートをもう1周したりするのではなく、どの段階で止まっているのかを見つけることが先です。
解説を読んで「分かった」で終わっていない?
青チャートの解説を理解できることと、テストで自力で問題を解けることは同じではありません。
数学の参考書を使っていると、
「解説を読んだら全部理解できた」
「途中式も分かった」
という状態になることがあります。
しかし、テストでは解説がありません。
問題文を読んだところから、
何を使うのか
どこから計算を始めるのか
どの条件に注目するのか
を自分で判断する必要があります。
そのため、青チャートをかなり勉強しているのに成績が上がらない場合には、
「解説を理解できるか」
ではなく、
「問題だけを渡されたときに、最初の一手を自分で決められるか」
を確認します。
特に、
「解説の2行目からは全部分かる。でも、その最初の1行を自分では思いつかない」
という状態なら、知識がまったくないわけではありません。
不足しているのは、問題文と解法を自分で結びつける力です。
この違いを確認しないまま青チャートを読み続けても、「分かる問題」は増えても「自分で解ける問題」が十分に増えないことがあります。
答えや解法を覚えてしまっていない?
同じ問題を何度も解いて正解できるようになっても、解答の手順そのものを覚えているだけでは、初めて見る問題に対応できないことがあります。
たとえば、
「この問題では判別式を使う」
「この数列ではこの式を立てる」
と覚えていれば、青チャートの同じ問題を解き直したときには正解できます。
しかし、入試で少し形が変わると、
「どの考え方を使えばよいのか分からない」
ということがあります。
そこで確認したいのは、途中式を再現できるかだけではありません。
「なぜこの方法を使うのか」を説明できるかです。
たとえば微分では、
「3次関数が極値を持つ条件を求める」
という問題に対して、
「判別式を使う問題だから (D>0)」
と手順だけを覚えるのではなく、
3次関数が極大値と極小値を持つ
→導関数が0となる異なる2点が必要
→導関数は2次関数
→その2次方程式が異なる2つの実数解を持てばよい
→したがって判別式を考える
というつながりを理解している必要があります。
実際の指導でも、
「2次方程式が異なる2つの実数解を持つ条件」
も、
「微分して極値を調べる方法」
もそれぞれ知っているのに、一つの問題の中で両者を関連づけられない生徒がいます。
このような場合に必要なのは、新しい公式を増やすことではありません。
すでに持っている知識を、問題に合わせて組み合わせる練習です。
例題と同じ単元なら解けるのに、模試では解けないのはなぜ?
単元別の学習では、どの分野の知識を使うかが最初から分かっているため、実際のテストより解法を選びやすくなっています。
たとえば「数列」のページを開いて問題を解いていれば、
「これは数列の問題だ」
という大きなヒントをすでにもらっています。
しかし、模試では、
「この問題では数列を使いなさい」
「ここでは判別式を使いなさい」
とは書かれていません。
問題文を読んで、自分で判断します。
さらに、1問の中で複数の知識を組み合わせることもあります。
そのため、単元別の問題で正解できるようになった後には、
何の単元か分からない状態で問題を解く
ことが必要になります。
私の指導でも、学習した問題をそのまま出すだけでなく、複数の内容から問題を選んで小テストをすることがあります。
そこで見たいのは、
「この公式を知っているか」
だけではありません。
問題を見て、自分で必要な知識を選択できるかです。
青チャートではできるのに模試で点数が取れない場合には、知識不足だけでなく、知識を選ぶ練習が不足していないかも確認します。
そもそもテストに出る問題と青チャートの類題が違うこともある
青チャートの典型的な問題を十分に解けるようになっていても、大学入試では、それまでとは違う問題の捉え方を求められることがあります。
これは、私が実際に指導した一橋大学志望の高校3年生でもありました。
この生徒は青チャートを使っており、Compassで示された問題にも取り組むことができ、問題を解くときの考え方も正しくアウトプットできる状態でした。
つまり、
「青チャートの基礎問題がまだできていないから、過去問が解けない」
という生徒ではありませんでした。
ところが、一橋大学の2018年の入試問題で手が止まりました。
この問題では、
とし、
上の点
における接線 (l) と、半円
で囲まれた部分の面積 (S) のとりうる値の範囲を考えます。
生徒が最初に考えたのは、面積 (S) を数学Ⅱで学習する多項式の積分によって直接求められないかという方法でした。
しかし、円と直線で囲まれた部分の面積をそのまま積分で処理しようとすると、数学Ⅱで扱う多項式の積分の範囲では解決できません。
そこで、
「一橋大学の入試問題として出題されている以上、今までに学習した範囲の知識を使って、別の捉え方ができないか」
と考えてもらいました。
この生徒は以前に、円と直線によってできる弦について、円の中心から直線までの距離を求める問題を解いた経験がありました。
そこで、まず原点と接線 (l) との距離に注目するところまでは進むことができました。
しかし、本当に難しかったのはその先です。
この問題では、
面積 (S) を直接計算するのではなく、原点と接線との距離によって決まる量として捉える
という見方が必要になります。
原点と接線との距離が大きくなるにつれて、半円と接線で囲まれる部分の面積は小さくなります。
つまり、
面積 (S) を「原点から接線までの距離の関数」として見る
ことで、面積そのものを直接計算しなくても、そのとりうる値の範囲を考えることができます。
この「求めたい量を直接計算せず、別の量との関係から考える」という発想は、その生徒にとって、青チャートなどの問題集で繰り返してきた典型的な類題とは異なるものでした。
考え方を説明した後には、生徒自身で問題を解き直すことができました。
ただ、その後にまったく同じ発想を使う適切な類題を探しても、すぐには見つかりませんでした。
そこで、無理に似た問題集の問題を探すのではなく、一橋大学の別年度の過去問を解いていくことにしました。
この事例は、
青チャートができる
=志望校の問題もすべて解ける
とは限らないことを示しています。
一方で、この問題でも、点と直線の距離など、それまでに学習した数学の知識は必要です。
つまり、青チャートで身につける基礎や典型解法が不要なのではなく、それを土台として、志望校で必要になる問題の捉え方を過去問から学ぶ段階があるということです。
青チャートができるようになったら過去問で「足りないもの」を確認する
青チャートの問題をかなり解けるようになったのに成績が伸びない場合は、さらに青チャートの問題数を増やす前に、実際のテストや志望校の過去問から「何が足りないのか」を確認します。
解けない原因を整理すると、たとえば次のようになります。
| 解けない原因 | 次に確認すること |
|---|---|
| 公式や基本事項を忘れている | 基本事項・基本問題 |
| 典型的な解法を知らない | 青チャートの例題 |
| 解法は知っているが自分で選べない | 複数単元を混ぜた演習 |
| 知識はあるが問題の捉え方を変えられない | 入試問題・過去問 |
| 志望校独自の出題に対応できない | 志望校の複数年度の過去問 |
特に最後の2つは、青チャートをもう1周するだけでは解決しないことがあります。
先ほどの一橋大学の生徒も、青チャートのCompassの問題ができていなかったわけではありません。
必要だったのは、
「この公式を知っているか」
ではなく、
「この問題を、今まで持っている知識で処理できる形にどう捉え直すか」
という部分でした。
そのため、志望校が決まってきた段階では、青チャートを完全に終えてから初めて過去問を見るのではなく、過去問にも触れて、
① 青チャートで学んだ内容そのものが不足している
② 知識はあるが、テストになると使えない
③ 青チャートの典型問題とは異なる発想が必要になっている
のどこで止まっているのかを確認します。
①なら、青チャートの該当する内容へ戻ります。
②なら、単元名などのヒントがない問題を使って、解法を自分で選ぶ演習を増やします。
③なら、青チャートだけに戻り続けるのではなく、志望校の別年度の問題や入試問題を使って、その大学で必要になる考え方に触れていきます。
つまり、
青チャートを使っても数学の成績が上がらない
→青チャートが足りない
→もっと難しい問題までやる
と単純に考えるのではありません。
「青チャートの内容そのものが身についていないのか」「身についているがテストで選べないのか」「志望校では青チャートの典型問題とは違う発想が必要なのか」を切り分けることが重要です。
青チャートは大学受験の数学を学ぶうえで、基礎や典型的な解法を身につけるために使える参考書です。
しかし、最終的な目標は青チャートを完成させることではありません。
実際の入試問題を解けるようになることです。
そのため、青チャートである程度学習が進んだら、模試や過去問で現在の力を確認し、そこで見つかった不足に応じて、青チャートへ戻るのか、複数単元の演習をするのか、志望校の過去問を続けるのかを判断していきます。
数学が苦手な受験生は青チャートをどう使えばいい?
数学が苦手な受験生ほど、青チャートを最初から最後まで同じ方法で進めるのではなく、「今、自分はどの段階にいるのか」を確認しながら使い方を変えることが大切です。
私はこれまで、算数・数学専門の家庭教師として200名以上を指導してきました。
高校数学の指導でも、
- 高校1年生の定期テストで40点台から86点へ、約2か月で上がった生徒
- 高校1年生の定期テストで30点台から62点へ、約3か月で上がった生徒
- 中学3年生で高校数学を学習し、40点台から73点へ、約2か月で上がった生徒
などがいます。
ただし、これらはすべて青チャートだけを使って成績が上がった事例ではありません。
40点台から86点になった高校1年生は、青チャートを使っていません。
30点台から62点になった高校1年生は青チャートも使っていましたが、テスト対策では別の問題集にも取り組みました。
40点台から73点になった生徒は、青チャートと教科書を使って学習しました。
つまり、
「青チャートを使えば成績が上がる」
ということではありません。
重要なのは、現在の理解度に合った教材と問題を選び、できていないところを一つずつできる状態へ変えていくことです。
数学が苦手な受験生が青チャートを使う場合も、まず現在地を確認するところから始めます。
青チャートの進み具合を3段階で確認する
青チャートを何ページまで進めたかではなく、問題に対して自分がどの状態にいるのかを確認します。
大きく分けると、次の3段階です。
| 現在の状態 | 判断 | 学習の方向 |
|---|---|---|
| 解説を読んでも理解できない | 前提知識に不足がある可能性 | 教科書や前の単元へ戻る |
| 解説を読めば理解できるが、自力では解けない | 知識を自分で使える状態になっていない | その問題を自力で扱える状態を目指す |
| 解説なしで問題を解ける | 基本的な解法を使える | 入試問題で使えるかを確認する |
数学が苦手な受験生の場合、特に注意したいのが1段階目と2段階目の違いです。
たとえば、解説に書かれている式そのものの意味が分からないのであれば、その青チャートの問題を何度も繰り返すだけでは解決しないことがあります。
一方、
「解説を読めば全部分かる。でも、自分ではその式を思いつかない」
のであれば、前の学年まで戻る必要があるとは限りません。
この場合には、知識そのものよりも、問題文から必要な知識を取り出すところに課題があります。
どちらも「青チャートが解けない」という状態ですが、必要な勉強は違います。
そのため、
「できないからもっと繰り返す」
ではなく、
「なぜできないのかによって、次にすることを変える」
という使い方をします。
「解説を読んでも分からない」ときはどこまで戻る?
青チャートの解説を読んでも理解できない場合には、その問題に必要な前提知識のうち、自分で説明・計算できないところまで戻ります。
「高校数学が分からないから数学Ⅰの最初から全部やり直す」
と決める必要はありません。
反対に、分からないまま難しい問題だけを繰り返す必要もありません。
実際の指導でも、現在学習している単元とは別のところにつまずきの原因が見つかることがあります。
高校1年生で等比数列を学習していた生徒では、一般項を正しく求めることができませんでした。
そこで数列の公式だけを繰り返すのではなく、計算過程を確認していくと、中学校で学習する指数計算に問題があることが分かりました。
そこで指数法則を使った計算を練習してから等比数列へ戻ったところ、一般項を正しく答えられるようになりました。
この場合、
等比数列ができない
→等比数列の問題をさらに増やす
ではなく、
等比数列ができない
→どこで止まるか確認する
→指数計算に戻る
→指数法則を確認する
→等比数列へ戻る
という流れです。
高校数学では、このように以前学習した内容の上に新しい内容が積み重なっています。
たとえば、
平方完成が不安定なまま2次関数を進める、
三角比の理解が不十分なまま三角関数を進める、
指数計算が不安定なまま数列や指数関数を進める、
という状態では、現在の単元だけを繰り返してもなかなか安定しないことがあります。
戻る基準は学年ではありません。
「この問題を理解するために必要な知識のうち、どこから自分で扱えなくなっているか」まで戻ります。
そして、その部分ができるようになったら、再び青チャートの元の問題へ戻ります。
「解説なしで解ける」ようになったら次は何をする?
青チャートの問題を解説なしで解けるようになったら、次に確認したいのは「初めて見る問題でも、必要な知識を自分で選んで使えるか」です。
ここからは、単に同じタイプの問題を増やすだけではありません。
数学の入試問題では、一つひとつの知識は知っていても、それらを結びつけられないために解けないことがあります。
たとえば実際の指導では、微分の問題で、
「関数が極値を持つ」
という条件と、
「2次方程式が異なる2つの実数解を持つ」
という条件を結びつけられない生徒がいます。
それぞれを別々に聞けば、
「極値を調べるときは微分する」
「2次方程式が異なる2つの実数解を持つ条件は判別式で調べる」
と答えられます。
ところが3次関数の極値の条件を求める問題になると、
関数が極大・極小を持つ
→導関数が0になる異なる2点が必要
→導関数として得られた2次方程式が異なる2つの実数解を持つ
→判別式 (D>0) を考える
というつながりを自分では作れないことがあります。
これは、一つひとつの公式を知らないこととは別の課題です。
そこで、青チャートの基本的な問題を解けるようになった後には、
「どの公式を使うか」ではなく、「今持っている知識のうち、何と何を結びつければよいか」
を考える問題にも取り組みます。
さらに志望校が決まっているのであれば、実際の過去問へ進みます。
そこで解けなかった問題について、
知識そのものが不足していたのか
知識はあったが、自分で選べなかったのか
複数の知識を結びつけられなかったのか
今までとは違う問題の捉え方が必要だったのか
を確認します。
そして、必要なら青チャートへ戻ります。
このようにすると、
青チャート→過去問
と一方通行で進むのではなく、
青チャートで学ぶ→入試問題で試す→不足を見つける→必要なところへ戻る
という学習ができます。
数学が苦手な受験生に必要なのは、最初から難しい問題を大量に解くことでも、青チャートを何周もすることでもありません。
解説を読んでも分からないなら、必要なところまで戻る。解説を読めば分かるなら、自分で使える状態にする。自分で解けるようになったら、初めて見る入試問題で使えるかを試す。
この3段階を行き来しながら、現在の自分に必要な問題へ学習時間を使っていきます。
数学が苦手な受験生にとっての青チャートのゴールは、「青チャートを全部終わらせること」ではありません。
青チャートを利用しながら、自分に足りないものを見つけ、最終的に志望校の入試問題を自分の力で解ける状態へ近づけていくことです。
青チャートの使い方についてよくある質問
青チャートは例題だけでも大学受験に使える?
数学が苦手な段階では、まず例題を優先して学習して構いません。
ただし、「例題だけ」とは、解説を一度読んで終わりにすることではありません。
問題だけを見たときに、
「何を使えばよいか」を自分で判断し、解説なしで最後まで解ける状態
を目指します。
基本的な例題が安定してきたら、類題や練習問題、さらに入試問題へ進み、条件や問題の形が変わっても同じ考え方を使えるか確認します。
青チャートは全部解く必要がある?
青チャートの問題を、最初から最後まですべて同じように解く必要はありません。
現在の学力や志望校、受験までに残された時間によって、優先する問題は変わります。
特に志望校が決まってきたら、青チャートを全部終わらせてから過去問へ進むのではなく、実際の過去問にも触れてください。
そこで不足している単元や解法が見つかったら、青チャートの該当する問題へ戻ります。
青チャート→過去問→不足を確認→青チャート
と行き来することで、志望校に必要な学習へ絞りやすくなります。
青チャートは何周すればいい?
「3周」「5周」のように周回数を固定するより、解説なしで解けない問題がどれだけ残っているかで判断します。
1周目で自力で解けた問題と、解説が必要だった問題を分け、2周目以降は後者を優先して復習します。
以前できなかった問題が、時間を空けても自力で解けるようになったら、復習の優先順位を下げます。
目標は青チャートの周回数を増やすことではなく、自力で解けない問題を減らすことです。
青チャートが難しすぎる場合はどうすればいい?
解説を読んでも理解できない場合は、その問題に必要な前提知識まで戻って学習します。
必ずしも青チャートそのものをやめる必要はありません。
たとえば、数列で止まっていても、原因が指数計算にあることがあります。
その場合には数列の問題を繰り返すのではなく、指数法則を確認してから数列へ戻ります。
「今どの単元を勉強しているか」ではなく、「どこから自分で扱えなくなっているか」まで戻ることがポイントです。
青チャートのコンパス3までやれば十分?
コンパス3までで十分かどうかは、現在の学力と志望校の入試問題によって変わります。
数学が苦手な受験生なら、まずコンパス3程度までの問題を安定して解ける状態を一つの目安にできます。
ただし、コンパス4をすべてやる必要があるとも、すべて飛ばしてよいとも一律には決められません。
コンパス3・4に掲載されている入試問題を、「大学受験では、このような問題が実際に出題されている」と知るためのカタログとして見る方法もあります。
気になる入試問題があれば、その出典大学の過去問を調べ、似た考え方で解く問題を探して実際に挑戦してみると、青チャートと大学入試とのつながりが見えやすくなります。
青チャートから過去問へはいつ切り替えればいい?
青チャートを全部終えるまで待つ必要はなく、基本的な問題を自力で解けるようになってきたら過去問にも触れて構いません。
過去問を解く目的は、最初から高得点を取ることだけではありません。
「今の自分には何が足りないのか」を確認するためにも使えます。
知識が不足しているなら青チャートへ戻る。
典型的な解法は知っているのに選べないなら、複数の単元から出題される演習を増やす。
青チャートの問題は解けるのに、志望校特有の問題の捉え方ができないなら、その大学の別年度の過去問にも取り組む。
このように、青チャートと過去問を完全に分けず、必要に応じて往復することが大切です。
まとめ|青チャートは「終わらせる」より「自力で解ける問題を増やす」
数学が苦手な受験生が青チャートを使うときに最も大切なのは、何ページ進んだか、何周したかではなく、「解説なしで自分の力で解ける問題が増えているか」を確認することです。
この記事のポイントを整理すると、次のようになります。
- 青チャートの解説を読むだけで終わらず、問題を見て自分で考え方を選べる状態を目指す
- 解説を読んでも分からない場合は、無理に先へ進まず、必要な前提知識まで戻る
- 復習は全問題を同じ回数繰り返すのではなく、自力で解けない問題を優先する
- コンパス3・4を「入試問題のカタログ」として利用し、実際の大学の過去問へ学習を広げる
- 志望校が決まったら青チャートだけを続けず、過去問で不足しているものを確認して必要な学習へ戻る
基本となる流れは、
自分で考える
→必要なら解説で確認する
→自分の力で解ける状態にする
→別の問題で使えるか試す
→入試問題で不足しているものを確認する
です。
青チャートを使っているのに数学の偏差値やテストの点数が上がらない場合も、すぐに「もっと難しい問題を解かなければ」と考える必要はありません。
問題によって、
解説を読んでも分からないのか
解説を読めば分かるが、自力では解けないのか
青チャートでは解けるが、模試では解法を選べないのか
志望校では今までとは違う問題の捉え方が必要なのか
を分けて考えることが重要です。
私は数学専門の家庭教師として、現在の理解度を確認しながら、必要であれば前の単元まで戻り、「どこからやり直せばよいのか」「志望校に向けて何を優先すればよいのか」を整理して指導しています。
青チャートを使っているものの、
「解説を読めば分かるのに、自分では解けない」
「何周しても模試になると点数が取れない」
「受験まで時間がないのに、どこまでやればよいか分からない」
という場合には、教材を増やす前に、現在どこで止まっているのかを確認することから始めてください。
青チャートの使い方や大学受験の数学の進め方に迷っている場合は、家庭教師の体験授業・無料相談で、現在の理解度と志望校から必要な学習内容を一緒に整理できます。


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