高校に入ってから、
「授業を聞いても数学が分からない」
「公式は覚えたのに、問題になると解けない」
「解説を読めば分かるけれど、自分一人では解き方を思いつかない」
という状態になる高校生はいます。
このようなとき、今習っている単元の問題を繰り返したり、公式をもう一度覚え直したりするだけでは、なかなか解けるようにならないことがあります。
数学が分からないときに大切なのは、「今どの単元を習っているか」だけを見るのではなく、どこから理解できなくなっているのかを確認することです。
実際に高校生を指導していると、高校数学の問題で止まっていても、原因を確認すると中学数学や、それ以前に習った基本的な考え方まで戻ることがあります。
たとえば、3次式の展開や因数分解が分からない生徒に2次式の公式がどのようにできているかを聞いてみると、分配法則の使い方から曖昧だったことがあります。
二次関数の最大・最小が分からない場合も、高校の二次関数ではなく、中学で学習した「変域」を「値を取り得る範囲」として捉えられていないことがあります。
一方で、問題を間違えたからといって、必ず中学数学からすべてやり直す必要があるわけではありません。
必要なのは、実際に問題を解きながら「どこまでは自分で考えられるのか」を確認し、理解できていないところまで戻ることです。
この記事では、数と式・二次関数・三角比と三角関数・指数・微分・積分・数列・ベクトル・場合の数と確率について、実際の指導で見られたつまずきをもとに、高校数学が分からないときにどこまで戻って学習すればよいのかを解説します。
高校生本人だけでなく、「数学が苦手になっているようだけれど、どこからやり直せばよいのか分からない」という保護者の方も参考にしてください。
- 高校数学が分からないときは、どこまで戻ればいい?
- 高校数学が分からない原因は?実際の指導から分かる4つのつまずき
- 数と式・不等式が分からないときはどこまで戻る?
- 二次関数が分からないときは中学数学まで戻る?
- 三角比・三角関数が分からないときは何からやり直す?
- 指数・対数が分からないときは何を確認する?
- 微分・積分が分からないときは公式より何を理解する?
- 数列・Σが分からないときはどうする?
- ベクトルが分からないときは何を確認する?
- 場合の数・確率が分からないときは公式から始める?
- 高校数学を学び直すときは、どんな勉強方法がよい?
- 高校数学が全く分からないとき、参考書を変えれば解決する?
- 数学が苦手でも大学受験に向けて学び直せる?
- よくある質問
- まとめ 高校数学が分からないときは「どこまで戻るか」を問題から見つけよう
高校数学が分からないときは、どこまで戻ればいい?
高校数学が分からないときは、「高校1年生だから中学3年生まで戻る」というように学年だけで決めるのではなく、自分で考えて解けるところまで戻って確認します。
数学は、それまでに学習した内容を使って新しい内容を理解することが多い教科です。
そのため、現在取り組んでいる問題だけを見ても、なぜ解けないのかが分からないことがあります。
重要なのは、「どの問題を間違えたか」だけではなく、「その問題をどのように考えたか」まで確認することです。
学年ではなく「自力で解けるところ」まで戻る
数学の学び直しでは、学年を基準にするのではなく、「ここまでは自力で考えられる」というところを見つけ、そこから学習をつなぎ直します。
たとえば、高校数学の3次式の展開公式と因数分解公式の違いを理解できていない場合を考えてみます。
この場合、「3次式が苦手だから3次式の公式を覚え直そう」と考えるだけでは、原因が残ることがあります。
そこで、2次式の展開公式がどのように成り立っているのかを聞いてみます。
すると、公式を覚えてはいても、
「分配法則を使って式を展開し、その結果を整理すると公式になる」
というところを理解できていない場合があります。
この場合、戻るところは3次式ではなく、分配法則を使って式を展開できるところです。
反対に、3次式の問題を間違えたとしても、2次式の展開や分配法則を自分で説明して使えているのであれば、さらに前の内容をすべて復習する必要はありません。
二次関数でも同じです。
高校の最大・最小の問題が解けない生徒に確認すると、中学数学で学習する「変域」そのものを、
「変数が取り得る値の範囲」
として捉えられていないことがあります。
この状態で最大・最小の解き方だけを覚えても、条件が変わった問題になると再び分からなくなりやすくなります。
この場合は、中学の関数まで戻り、変域とグラフの関係から確認します。
つまり、
【学び直す範囲の考え方】
「高校数学が分からないから中学数学を全部やり直す」のではなく、今の問題を解くために必要な内容のうち、自力で扱えなくなったところまで戻る。
という考え方です。
解説を読めば分かるなら「理解できている」と考えていい?
解説を読んで内容が分かることと、その問題を自力で解けることは分けて考えます。
数学では、解説を読んだ直後であれば「なるほど」と理解できることがあります。
しかし、解説を閉じて同じ問題をもう一度解こうとすると、
「最初に何をすればいいのか分からない」
ということがあります。
この場合、解説そのものが理解できていないとは限りません。
不足しているのは、問題文から必要な考え方を自分で選び、解答として再現することです。
その際には答えが合っているかだけでなく、
- なぜこの公式を使ったのか
- 問題文のどの部分から、この解き方を使うと考えたのか
- 最初に何を考えたのか
といったことも確認します。
「解説を見れば分かる」から「何も見ずに自分で考えて解ける」まで進めることが、数学の学習では重要です。
家庭学習でも、
解説を読む → 内容を理解する → 解説を閉じる → 同じ問題を自力で解く → 類題でも確認する
という順番で進めると、「解説を読んだときだけ分かる」という状態なのか、自分で解けるところまで定着しているのかを確認しやすくなります。
「数学が全部分からない」ときは何を確認する?
「高校数学が全部分からない」と感じている場合でも、具体的な式や記号について質問すると、理解できているところと、理解できていないところを分けて考えられます。
「数学が苦手」「何も分からない」という感覚だけでは、どこから復習すればよいのかを決めることは難しくなります。
そこで私は、実際の問題を解いてもらうだけでなく、数学で使われる記号や式について質問することがあります。
たとえば、
「sinθは何を表しているのか」
「これは何の関数なのか」
と聞いてみます。
三角関数の問題を何度も解いたことがあり、公式を覚えている生徒でも、この質問に答えられないことがあります。
その場合は、三角関数の公式を追加で暗記する前に、sinやcosをどのようなものとして扱っているのかから確認する必要があります。
ほかの単元でも同様です。
「公式を知っているか」だけではなく、
「その式や記号は何を表しているのか」「なぜその計算をするのか」を説明できるか
を見ることで、どこまで理解できているのかが分かりやすくなります。
高校数学が全く分からないと感じているときに、最初から高校数学の教科書や問題集をすべてやり直す必要があるとは限りません。
現在の問題を実際に解き、考え方を説明し、どこから自力で扱えなくなっているのかを見つける。その位置が、学び直しを始める一つの目安になります。
高校数学が分からない原因は?実際の指導から分かる4つのつまずき
数学が分からない原因は、単に「公式を覚えていない」「問題演習が足りない」だけとは限りません。
実際に指導していると、公式は覚えていても成り立ちを理解していない、数学用語の意味を正しく捉えていない、図を描かずに式だけで考えている、といったことが原因になっている場合があります。
また、微分や数列、場合の数のように、一見すると異なる単元でも、詳しく確認すると「固定されているもの」と「動いているもの」を区別できていないという共通したつまずきが見つかることもあります。
そのため、問題を間違えたという結果だけを見るのではなく、「なぜそのように考えたのか」まで確認することが大切です。
ここでは、実際の高校数学の指導で見られるつまずきを4つに分けて説明します。
公式を覚えていても、成り立ちを理解していない
数学の公式を覚えていることと、その公式を理解して問題で使えることは同じではありません。
たとえば、3次式の展開公式と因数分解公式を学習した生徒でも、2つの公式の違いをうまく説明できないことがあります。
そこで、さらに基本的な2次式について、
「この展開公式は、どうしてこの式になるのか」
と聞いてみます。
公式をそのまま答えることはできても、式を一つずつ展開して公式を作ることができない場合があります。
このようなときに確認するのが分配法則です。
分配法則を使って、
「この項とこの項を掛ける」
「次にこちらの項を掛ける」
と順番に式を作っていくことができれば、展開公式がどのようにできているのかも確認できます。
一方、ここで式を作れなければ、3次式の公式をもう一度暗記するよりも、分配法則まで戻った方がよいことがあります。
これは、公式を覚えること自体が不要という意味ではありません。
公式を使うための前提となる考え方が身についていない場合は、公式だけを覚え直しても、問題が少し変わると解けなくなることがあるということです。
指数でも同じような確認ができます。
たとえば、
2^3×2^2
を見て (2^5) と答えられるだけでなく、「なぜ指数を足してよいのか」を累乗の意味から考えられるかを確認します。
自然数乗について理解できていれば、その考え方をもとにして、あとから (1/2) 乗などの指数へ学習を広げることができます。
新しい公式が分からないときほど、その公式をさらに覚えるのではなく、公式が成り立つところまで戻って確認することがあります。
数学用語や問題文の意味を理解できていない
計算方法を知っていても、「何を求める問題なのか」を理解していなければ、数学の問題を自力で解くことは難しくなります。
実際の指導では、計算そのものよりも、問題文に書かれている数学用語の意味から確認することがあります。
たとえば、不等式です。
「次の不等式を解きなさい」
という問題を何度も解いた経験があっても、そもそも「不等式を解く」とは何をすることなのかを説明できない生徒がいます。
不等式を解くというのは、計算手順だけを指しているのではありません。
左辺が右辺より大きくなる、あるいは小さくなる条件を満たす (x) の範囲を求めることです。
この意味を捉えていない状態では、
「移項する」
「負の数を掛けたり割ったりしたら不等号の向きを変える」
といった手順を覚えていても、それが何のための計算なのかが分かりにくくなります。
二次関数の「変域」も同様です。
変域という言葉を見たことがあっても、
「値を取り得る範囲」
という意味で捉えられていなければ、(x) の変域に対応する (y) の値域を考える問題でつまずくことがあります。
特に中学数学で学習する、0をまたぐ変域に対応した値域を求める問題で理解が曖昧なまま高校へ進むと、高校の二次関数の最大・最小でも分からなくなることがあります。
積分でも、
「2つのグラフで囲まれた部分の面積を求めなさい」
という問題で、積分の計算方法以前に、「グラフで囲まれた部分」が具体的にどの部分なのかを捉えられていないことがあります。
このような場合には、計算問題を増やす前に、問題文に書かれている言葉を図や式と結びつけて確認します。
数学が分からないときには、「計算できるか」だけではなく、「問題文が何を求めているのかを自分の言葉で説明できるか」を確認することも必要です。
図を描かず、式だけで考えようとしている
二次関数や積分などでは、図を描かずに式だけで処理しようとすることで、問題の条件を把握できなくなっている場合があります。
特に二次関数の最大・最小では、式を見てすぐに計算を始める生徒がいます。
しかし、最大値や最小値は、関数のグラフと与えられた変域の関係を見ながら考える必要があります。
そのため指導では、式だけで答えを出そうとせず、まずグラフを描くようにします。
グラフを描いたうえで、
- (x) はどこからどこまで動くのか
- その範囲で (y) はどのような値を取るのか
- 頂点はその範囲に入っているのか
- 最大になるのはどこか
- 最小になるのはどこか
を確認します。
これによって、最大・最小の公式や場合分けを単独で覚えるのではなく、グラフと変域を結びつけて考えることができます。
積分の面積問題でも同じです。
「2つのグラフで囲まれた部分」と書かれていたら、いきなり定積分の式を作るのではなく、まず2つのグラフを描きます。
そして、
「どこからどこまでが囲まれているのか」
「その範囲では、どちらのグラフが上にあるのか」
を図で確認します。
積分の計算ができることと、積分を使って面積を求める問題を理解できることは別です。
場合の数や確率でも、私はまず樹形図を描かせることがあります。
順列なのか組合せなのかをすぐに決めるのではなく、実際に場合を書き出すことで、「何を数えているのか」を確認できるからです。
数学では、図やグラフを書くことは単に見やすくするためだけではありません。
問題文に書かれた条件を整理し、自分が何を求めようとしているのかを確認するためにも、図を使うことが大切です。
「固定するもの」と「動くもの」を区別できていない
高校数学では、「何が固定されていて、何が動いているのか」を区別できないことが、理解を難しくしている場合があります。
このつまずきは、微分・数列・場合の数など、異なる単元でも見られます。
たとえば微分では、微分係数の定義式だけを見ても、その意味を理解することが難しい生徒がいます。
その場合には、いきなり定義式を覚えるのではなく、たとえば (y=x^2) の点 ((1,1)) における接線をどのように作ればよいかを考えます。
ここでは、グラフ上に固定した点と、そこへ近づけていく動く点を考えます。
2つの点は重なることはありませんが、動く点を固定した点へ近づけていくことはできます。
そこで、
「この2点を結ぶ直線の傾きはどうなるのか」
を考えていくと、接線の傾きと微分係数の関係を理解しやすくなります。
数列のΣでも、「動く文字」と「固定されている文字」の区別を確認します。
たとえば、
を考えます。
ここでは (k) が1から (n) まで動きますが、足している (n) 自体は変わりません。
したがって、
「(n)を(n)個足している」
と捉えられれば、Σが何を表しているのかを理解できています。
ところが、この問題を見て反射的に
と答えてしまうことがあります。
これは、Σを見ると決まった公式を使うという形で覚えており、何を足しているのかを確認せずに公式を当てはめている可能性があります。
場合の数や確率でも同じ視点を使います。
まず樹形図を描き、
「何を固定して、何を動かして場合を数えているのか」
を確認します。
この区別ができるようになると、順列や組合せの公式を選ぶときにも、「公式を知っているから使う」のではなく、「このように数えたいから、この考え方を使う」というつながりを作りやすくなります。
高校数学の単元はそれぞれ別々に見えますが、つまずきを詳しく確認すると、「公式の意味」「言葉の意味」「図による条件整理」「固定するものと動くもの」といった共通した部分に戻ることがあります。
そのため、数学が分からないときは、問題数を増やす前に「どこで考え方が止まっているのか」を確認することが重要です。
数と式・不等式が分からないときはどこまで戻る?
数と式や不等式が分からないときは、高校で習う公式を覚え直すだけでなく、その計算の土台となる分配法則や、「不等式を解く」とは何を求めることなのかまで確認します。
高校数学では、展開・因数分解・方程式・不等式などを使って、さらに新しい内容を学習していきます。
そのため、この段階で基礎となる計算や式の意味が曖昧になっていると、その後の二次関数や微分・積分などでも、式変形の途中で止まりやすくなります。
ただし、数と式が苦手だからといって、中学数学の計算問題を最初からすべてやり直す必要があるとは限りません。
実際に式を作ったり計算の理由を説明したりしてもらい、「どの考え方から使えなくなっているのか」を確認して、必要なところまで戻ります。
展開・因数分解の公式が混ざるなら分配法則まで確認する
展開公式と因数分解公式の違いが曖昧な場合は、公式をもう一度暗記する前に、分配法則を使って自分で式を展開できるかを確認します。
高校数学では、3次式について、
(a+b)^3
のような式の展開公式を学習します。
一方で、展開とは逆に、式を積の形に直す因数分解も学習します。
この2つを学習した生徒の中には、
「これは展開の公式だったか、因数分解の公式だったか」
と混乱してしまう生徒がいます。
この場合、私は3次式の公式だけを覚え直してもらうのではなく、まず2次式まで戻って確認します。
たとえば、
(a+b)^2
がなぜ
a^2+2ab+b^2
になるのかを聞きます。
公式として答えられるだけではなく、
(a+b)(a+b)
として、分配法則を使って一つずつ掛け合わせることができるかを確認します。
ここで式を正しく展開できれば、
「展開とは、掛け算の形になっている式を分配法則によって計算していくこと」
というところまで理解できていることが分かります。
一方、公式の形は覚えていても、
「なぜ (2ab) が出てくるのか分からない」
「どの項とどの項を掛ければよいのか分からない」
という状態であれば、3次式ではなく分配法則を使った展開まで戻って学習する必要があります。
これは、3次式の公式を使わないということではありません。
分配法則によって式がどのように展開されるのかを理解したうえで公式を見ると、公式を単なる文字の並びとしてではなく、計算をまとめたものとして捉えやすくなります。
因数分解についても同様です。
展開した式を見ながら、
「この式は、もともとどのような積の形だったのか」
と逆向きに考えることで、展開と因数分解の関係を確認できます。
「公式を覚えているか」だけではなく、「その公式を使わなくても、基本的な計算から式を作れるか」を確認することで、どこまで戻ればよいのかが見えてきます。
不等式については「何を求めているか」を確認する
不等式が分からない場合は、計算方法を練習する前に、「不等式を解く」とは何を求めることなのかを理解できているか確認します。
たとえば、
2x+1>5
という不等式があったとします。
計算方法だけを覚えていれば、
2x>4
として、
x>2
と答えることはできます。
しかし、ここで大切なのは (x>2) という答えを出せたことだけではありません。
「左辺 (2x+1) が右辺5よりも大きくなるような (x) の範囲を求めている」
と説明できるかを確認します。
「不等式を解きなさい」という問題文を、単に「移項して (x) を出す問題」と捉えていると、計算手順を忘れたときや、少し形式の違う問題になったときに、何をすればよいのか分からなくなることがあります。
たとえば (x=3) を代入すれば、
2×3+1=7
となり、
7>5
が成り立ちます。
一方、(x=1) なら、
2×1+1=3
なので、
3>5
は成り立ちません。
このように具体的な値を入れて確認すると、(x>2) は単なる計算結果ではなく、もとの不等式を成り立たせる (x) の範囲を表していることが分かります。
この意味を理解したうえで、
- なぜ移項するのか
- なぜ両辺に同じ数を足したり引いたりしてよいのか
- なぜ負の数を掛けたり割ったりすると不等号の向きが変わるのか
といった計算方法を学習していきます。
高校生で数学が分からないときには、計算ができないところまで戻るだけでなく、「その計算で何を求めているのか」が分からなくなったところまで戻ることも必要です。
数と式・不等式では、公式や計算手順を増やす前に、分配法則を使って式を作れるか、不等式が表している条件を説明できるかを確認することで、その後の高校数学につながる基礎を整理しやすくなります。
二次関数が分からないときは中学数学まで戻る?
二次関数が分からないときは、高校で習う平方完成や最大・最小の解き方だけでなく、中学数学で学習した「変域」やグラフの読み取りまで戻って確認することがあります。
二次関数では、式を計算できるだけでは解けない問題が多くなります。
特に最大値・最小値を求める問題では、平方完成によって頂点を求めるだけでなく、与えられた変域の中でグラフがどのような値を取るのかを考える必要があります。
そのため例えば、「平方完成ができる=二次関数を理解できている」とは限りません。
実際の指導では、高校の二次関数でつまずいているように見えても、確認すると中学数学で学習した関数や変域の理解が曖昧だったということがあります。
「変域」の意味が分からないなら中学の関数まで戻る
二次関数の最大・最小が分からない場合は、「変域とは値を取り得る範囲である」という中学数学の内容から確認することがあります。
たとえば中学数学では、関数について (x) の変域が与えられ、そのときの (y) の変域を求める問題を学習します。
ここで重要なのは、「変域」という言葉を知っていることではありません。
「(x) がこの範囲の値を取るとき、対応する (y) はどの範囲の値を取るのか」
と考えられることが必要です。
特につまずきが見つかりやすいのが、0をまたぐ変域です。
たとえば、
y=x^2
について、
-2≦x≦3
という変域が与えられているとします。
このとき、(x=-2) と (x=3) だけを代入して答えを出すのではなく、まず (y=x^2) のグラフを描いて確認します。

グラフを見ると、(x) が (-2) から3まで動く途中で (x=0) を通ります。
x=0のとき、
y=0
です。
グラフの最も低いところが ((0,0)) であり、(x=0) は今回の変域にも含まれています。
したがって、最小値は0です。
次に、最大値を考えます。
(y=x^2) のグラフは、(x=0) から左右に離れるほど (y) の値が大きくなります。
今回のxの変域は、
-2≦x≦3
なので、グラフを見ると左端の (x=-2) よりも、右端の (x=3) の方が高い位置にあります。
実際にそれぞれの値を確認すると、
x=-2のときy=4
x=3のときy=9
です。
したがって、この変域の中でグラフが最も高くなるのは (x=3) のときで、最大値は9と分かります。
よって、(y) の変域は、
0≦y≦9
となります。
ここで大切なのは、
「最大値を求めるときは端の値を代入する」
という手順だけを覚えないことです。
今回の問題であれば、グラフを見ることで、
- (x=0) のところが最も低い
- (x=-2) のときは (y=4)
- (x=3) のときは (y=9)
- したがって、最小値は0、最大値は9
ということを確認できます。
もし両端の (x=-2) と (x=3) だけを代入してしまうと、
4≦y≦9
と間違える可能性があります。
しかし、(x) は (-2) と3だけを取るのではなく、(-2) から3までの範囲を動きます。
その途中には (x=0) も含まれるため、(y=0) も取ります。
変域を「数字が書かれた条件」として見るのではなく、「グラフ上で (x) が実際に動く範囲」として捉えることが重要です。
この考え方が曖昧な場合は、高校の二次関数の問題を繰り返す前に、中学数学の関数まで戻って変域とグラフの関係を確認します。
最大・最小が分からないなら、まずグラフを描く
高校の二次関数で最大値・最小値が分からないときも、式だけで答えを出そうとせず、まずグラフを描いて変域との関係を確認します。
たとえば、
y=(x-2)^2+1
であれば、頂点は ((2,1)) です。
ここで、
「頂点の (y) 座標が1だから、最小値は1」
とすぐに答えることはできません。
問題で指定された (x) の変域に (x=2) が含まれていなければ、(y=1) を取らないからです。
そこで、平方完成によって頂点を求めたあと、グラフを描き、問題で与えられた (x) の変域を書き込みます。
そのうえで、
「この変域では、グラフのどこからどこまでを見るのか」
「頂点は変域の中に入っているのか」
「この範囲で一番低いところはどこか」
「この範囲で一番高いところはどこか」
を確認します。
最大値・最小値は、平方完成をしただけで決まるのではなく、指定された変域の中でグラフがどのような値を取るのかを調べて求めます。
この考え方ができるようになると、頂点が変域に含まれる場合と含まれない場合で、なぜ最小値が変わるのかも理解しやすくなります。
また、文字を含む変域など、条件によって場合分けが必要になる応用問題でも、場合分けそのものを暗記するのではなく、グラフと変域の位置関係から考えられるようになります。
二次関数が苦手な場合、平方完成の計算練習を増やすことだけが対策ではありません。
変域の意味を理解できているかを確認し、自分でグラフを描き、その範囲でどこが最大になり、どこが最小になるのかを説明できるところまで戻ることが大切です。
三角比・三角関数が分からないときは何からやり直す?
三角比・三角関数が分からないときは、sin・cos・tanの公式を覚え直すだけでなく、「直角三角形では角度が決まると辺の比が決まる」という三角比の意味から確認します。
高校数学で初めてsinやcosを学習すると、
「sinは何を表しているのか」
「なぜ辺の長さからsinの値を求められるのか」
「三角比と三角関数はどのようにつながっているのか」
が分からないまま、公式だけを暗記してしまうことがあります。
この状態では、直角三角形の辺の長さを求める基本的な問題には対応できても、図形が変わったり、単位円を使った三角関数へ進んだりすると、何をしているのか分からなくなることがあります。
そのため、私はまず、
「sinθとは何を表しているのか」
を説明できるか確認します。
sin・cosが分からないなら直角三角形の辺の比から確認する
sin・cosの意味が分からない場合は、まず「直角三角形では、1つの鋭角が決まると辺の長さの比も決まる」というところから確認します。
たとえば、同じ角度 (θ) を持つ2つの直角三角形を考えます。
三角形そのものの大きさが違っていても、対応する角度が同じであれば、この2つの三角形は相似です。
そのため、対応する辺の長さそのものは違っていても、辺どうしの比は同じになります。
三角比では、この性質を使って、
- 斜辺に対して向かい側の辺がどのくらいの割合か
- 斜辺に対して隣の辺がどのくらいの割合か
- 隣の辺に対して向かい側の辺がどのくらいの割合か
を表します。
ここで大切なのは、式の形だけを覚えることではありません。
三角比は単なる3つの公式ではなく、「直角三角形の辺の比が角度によって決まる」という関係を表しています。
ここで理解が難しい場合には、sin・cos・tanを繰り返し覚えるよりも、中学数学で学習した三角形の相似まで戻って確認することがあります。
「角度が同じなら、なぜ辺の比が同じになるのか」
を理解するためには、相似な図形では対応する辺の比が等しくなることを理解できている必要があるからです。
同じ角度 (θ) を持つ直角三角形なら、三角形の大きさが変わっても、
{向かい側の辺}/{斜辺}
や、
{隣の辺}/{斜辺}
の値は変わりません。
このことが分かれば、sinθやcosθが角度によって決まる値であることも理解しやすくなります。
sin・cosが分からないときは、「どの辺をどの辺で割るか」だけを覚えるのではなく、なぜその比が角度によって決まるのかまで確認することが大切です。
三角比から三角関数へどうつながる?
三角関数を理解するためには、直角三角形で学習したsin・cosを、単位円上の点の座標として捉え直します。
三角比を学習した段階では、主に直角三角形を使ってsin・cos・tanを考えます。
しかし、三角関数では角度の範囲が広がるため、直角三角形だけで考えるのではなく、単位円を使います。
ここで、三角比と単位円をまったく別の内容として覚えてしまうと、
「なぜ突然、sinθやcosθが座標になるのか」
が分からなくなることがあります。
そこで、直角三角形から単位円へどのようにつながるのかを順番に確認します。
まず、直角三角形で、
cosθ={隣の辺}/{斜辺}
sinθ={向かい側の辺}/{斜辺}
と考えていました。
ここで、斜辺の長さを1にしてみます。
すると、
cosθ={隣の辺}/{1}
なので、隣の辺の長さがそのままcosθになります。
同じように、
sinθ={向かい側の辺}/{1}
なので、向かい側の辺の長さがそのままsinθになります。
この「斜辺の長さが1の直角三角形」を円の中で考えたものが、単位円を理解する手がかりになります。

図では、
「直角三角形の辺の比」→「斜辺を1にする」→「横の長さがcosθ、縦の長さがsinθ」→「単位円上の座標」
という流れを確認できます。
半径1の円を考え、原点 (O) から角度θの方向に線を引きます。
その線と円との交点を (P) とします。
点 (P) から (x) 軸へ垂線を下ろすと、直角三角形ができます。
単位円の半径は1なので、この直角三角形の斜辺も1です。
そのため、三角比の定義から、横の長さは
cosθ
となり、縦の長さは
sinθ
となります。
横方向の長さは点 (P) の (x) 座標、縦方向の長さは (y) 座標に対応します。
したがって、単位円上の点 (P) は、
P(cosθ,sinθ)
と表せます。
ここで重要なのは、三角比で学習したsin・cosと、単位円で出てくるsin・cosは別のものではないということです。
直角三角形で学んだ辺の比を、斜辺が1の場合にして考えることで、単位円上の座標へつなげることができます。
ただし、このつながりを一度説明されただけで理解することが難しい生徒もいます。
その場合には、
直角三角形の辺の比 → 三角形の相似 → 斜辺を1とした直角三角形 → 単位円上の座標
という順番で、一つずつ確認します。
また、私は「sinθ」という式を見せて、
「これは値を表しているのか」
「これは何の関数なのか」
と質問することもあります。
公式を使った計算ができていても、こうした質問に答えられなければ、sin・cosの意味そのものが十分に整理されていない可能性があるからです。
三角比・三角関数が分からないときは、公式をいくつ覚えているかではなく、「直角三角形の辺の比」と「単位円上の座標」がどのようにつながっているのかを説明できるところまで戻って確認します。
指数・対数が分からないときは何を確認する?
指数・対数が分からないときは、指数法則や対数の公式を覚え直す前に、「累乗」が何を表しているのかを理解できているか確認します。
高校数学では、最初に自然数の指数を扱い、その後、指数の範囲を0や負の数、分数へと広げていきます。
そのため、
a^(1/2)
のような式を見たときに、「(1/2)乗という新しい計算方法」として覚えようとすると、指数の意味が分からなくなることがあります。
指数・対数の公式を覚えていても、指数が何を表しているのかを説明できなければ、少し形が変わった問題で使い方が分からなくなることもあります。
そこで、私はまず自然数乗について質問し、累乗の意味を理解できているかを確認します。
分数指数が分からないなら自然数乗まで戻る
(1/2)乗などの分数指数が分からない場合は、まず自然数乗の意味と指数法則を理解できているかを確認します。
たとえば、
2^3×2^2
を計算してもらいます。
ここで、
2^5
と答えられるだけではなく、
「なぜ指数の3と2を足してよいのか」
を説明できるか確認します。
(2^3) と (2^2) を実際に書けば、
2^3=2×2×2
2^2=2×2
なので、
(2×2×2)×(2×2)
2^5
となります。
つまり、
a^m×a^n=a^{m+n}
という指数法則は、単に「掛け算なら指数を足す」と覚えるだけではなく、同じ数を何個掛けているのかを考えると、その意味を確認できます。
この自然数乗の考え方を理解できていれば、指数を0や負の数、さらに分数へ広げるときにも、これまでの指数法則が成り立つように考えることができます。
たとえば、
a^(1/2)
を考えます。
指数法則を使えば、
a^{(1/2)+(1/2)}=a
となります。
つまり、a^(1/2)は、
「同じものを2つ掛けると (a) になる数」
として考えることができます。
したがって、(a>0) のとき、
とつながります。
ここで大切なのは、式だけを暗記することではありません。
自然数乗で理解していた指数法則を、分数の指数でも成り立つように広げて考えることで、分数指数の意味を理解していきます。
この部分が曖昧な場合には、分数指数の問題を繰り返すよりも、
「(a^3) は何を表しているのか」
「(a^3×a^2) がなぜ (a^5) になるのか」
といった自然数乗まで戻って確認します。
また、指数の意味が曖昧なまま対数へ進むと、対数も新しい記号と公式の集まりとして覚えやすくなります。
対数は指数と切り離されたものではなく、たとえば、
2^3=8
という関係を、
と表すことができます。
つまり、「2を何乗すると8になるのか」を表しているのが (log_2 8) です。
指数と対数の関係をこのように捉えられれば、対数の式も単なる記号としてではなく、指数とのつながりから理解しやすくなります。
高校生で数学が分からないとき、指数・対数については新しい公式をさらに覚える前に、自然数乗の「累乗」の意味と指数法則を自分で説明できるところまで戻って確認することが大切です。
負の指数・0乗も、「指数法則が成り立つように指数の範囲を広げる」という流れにすると、分数指数まで自然につながります。
指数・対数については新しい公式をさらに覚える前に、自然数乗から0乗・負の指数・分数指数へどのように考え方がつながっているのかを説明できるところまで戻って確認することが大切です。
微分・積分が分からないときは公式より何を理解する?
微分・積分が分からないときは、計算公式を覚え直すだけではなく、「微分では何を求めているのか」「積分ではどの部分の面積を求めているのか」を図やグラフと結びつけて理解することが大切です。
微分・積分では、
(x^n)’=nx^{n-1}
などの公式を使った計算ができていても、微分係数や接線の意味を理解できていないことがあります。
積分でも同様に、定積分の計算はできても、「グラフで囲まれた部分の面積」と言われると、どの部分を求めればよいのか分からなくなることがあります。
この場合、さらに多くの公式を暗記するのではなく、微分なら「接線の傾き」、積分なら「グラフと面積」という基本的な意味まで戻って確認します。
微分係数が分からないなら「2点を結ぶ直線の傾き」から考える
微分係数の定義が分からない場合は、いきなり極限を含む式から理解しようとするのではなく、「曲線上の2点を結ぶ直線の傾き」から考えると理解しやすくなります。
実際の指導でも、微分係数の定義から説明するだけでは理解が難しかった生徒に、
y=x^2
の点 (1,1) における接線をどのように作ればよいか、というところから考えてもらったことがあります。
まず、曲線上の点A(1,1)を固定します。
そして、同じ曲線上に別の点 (B) をとります。
このとき、点 (A) は固定した点、点 (B) は曲線上を動かす点です。
最初は、この2点を結ぶ直線 (AB) の傾きを考えます。
点 (B) が点 (A) から離れている間は、直線 (AB) は2点を通る直線です。
では、点 (B) を少しずつ点 (A) に近づけていくと、直線 (AB) の傾きはどうなるでしょうか。
ここで大切なのは、「固定した点」と「動かす点」は、途中で同じ点にしてしまうのではなく、異なる2点のまま限りなく近づけていくと考えることです。
たとえば、(y=x^2) 上の動く点を
B(1+h,(1+h)^2)
とすると、2点 (A)、(B) を結ぶ直線の傾きは、
{(1+h)^2-1}/{(1+h)-1}
です。
これを整理すると、
2+h
となります。
ここで (h) を0そのものにするのではなく、0ではない値のまま0に限りなく近づけると、(2+h) は2に近づいていきます。
この2が、点 (1,1) における接線の傾きです。

つまり、微分係数の定義に出てくる極限は、単に複雑な式を計算しているのではありません。
「曲線上の異なる2点を結ぶ直線の傾きを考え、動く点を固定した点へ限りなく近づけることで、接線の傾きを求めている」と捉えることができます。
この意味を理解してから、
を見ると、それぞれの式が何を表しているのかを結びつけやすくなります。
高校数学で微分が分からない場合、微分公式を使えるかどうかだけでなく、
「微分係数は何を表しているのか」
「なぜ2点を使うのか」
「どちらの点を固定し、どちらの点を動かしているのか」
を説明できるか確認することが重要です。
積分の面積問題が分からないならグラフを描く
積分で「グラフに囲まれた部分の面積」が分からない場合は、積分計算を始める前に、必ずグラフを描いて「どの部分の面積を求めているのか」を確認します。
実際の指導でも、「2つのグラフで囲まれた部分の面積」を求める問題で、積分そのものよりも、「グラフで囲まれた部分」がどこなのかを理解できていないことがあります。
この場合、私はまずグラフを描いてもらいます。
たとえば、2つの関数
y=f(x)
y=g(x)
によって囲まれた部分の面積を求めるのであれば、いきなり
と式を作るのではなく、
「2つのグラフはどこで交わるのか」
「どちらのグラフが上にあるのか」
「どこからどこまでが囲まれているのか」
をグラフ上で確認します。
この3点が分からないまま積分の式だけを作ろうとすると、
- 積分区間をどこにすればよいか分からない
- どちらの関数からどちらを引けばよいか分からない
- 問題で求めている面積がどこなのか分からない
という状態になりやすくなります。
反対に、グラフを描いて求める部分を確認できれば、
「上のグラフ-下のグラフ」で縦方向の長さを作り、それを積み重ねて面積を求める
という積分の式の意味も捉えやすくなります。
特に、グラフの上下関係が途中で入れ替わる問題では、図を描かずに式だけを見ていると、積分区間を分ける必要があることにも気づきにくくなります。
そのため、私は積分の面積問題では、まずグラフを描き、「どこが囲まれた部分なのか」を目で確認してから式を立てることを重視しています。
微分・積分は公式が多く見える単元ですが、公式だけを覚えても、問題の形が変わると何を使えばよいのか分からなくなることがあります。
微分では「2点を結ぶ直線の傾きが接線の傾きへ近づいていくこと」、積分では「グラフのどの部分を面積として求めているのか」を理解できるところまで戻ることが、微分・積分を学び直すときの基本になります。
数列・Σが分からないときはどうする?
数列やΣが分からないときは、公式を覚え直す前に、「何を順番に足しているのか」「どの文字が変わり、どの文字が固定されているのか」を確認します。
数列では、等差数列・等比数列の和やΣを使った計算など、覚える公式が増えていきます。
そのため、公式に数字を代入する基本的な問題は解けても、式の形が少し変わると何をすればよいのか分からなくなることがあります。
この場合は公式の練習を増やすのではなく、Σを使わずに実際に式を書き出し、意味を確認するところまで戻ります。
Σの意味が分からないなら「何を足しているか」を書き出す
Σが分からない場合は、まずΣを使わずに式を書き出し、「何を」「何回」足しているのかを説明できるか確認します。
たとえば、
を考えます。
この式では、(k) が
と変化します。
一方、足している (n) は、(k) が変わっても変化しません。
つまり、
n+n+n+・・・+n
となり、(n) を全部で (n) 個足しているので、
となります。
私はこのような問題で、
「(n) が何個ありますか」
と確認することがあります。
ここで「(n) が (n) 個」と答えられれば、Σの表し方をある程度理解できていると考えられます。
一方で、この式を見て、
と答えてしまう場合があります。
これは、
1+2+3+・・・+n
の和を求める公式を覚えていて、Σの中に何が書かれているのかを確認せず、公式を当てはめている可能性があります。
と、
では意味が違います。
前者では (k) が
1,2,3,・・・,n
と変わるので、
1+2+3+・・・+n
となります。
一方、後者では変化するのは (k) であり、足している (n) は固定されています。
そのため、
n+n+n+・・・+n
となります。
ここで重要になるのが、「動く文字」と「固定されている文字」を区別することです。
数列の学習では、文字が複数出てくると、それぞれが何を表しているのか分からなくなる生徒もいます。
その場合には、あえて「動く文字」と「固定の文字」が混ざった式を使い、
「この式では、どの文字が変わっていますか」
「この文字は変わりますか」
「実際に書き出すと何を足していますか」
と確認します。
たとえば、
であれば、(n) は固定したまま、(k) が1から (n) まで変化します。
したがって、まずは
(n+1)+(n+2)+(n+3)+・・・+(n+n)
と書き出して考えます。
このように、いきなりΣの公式を使うのではなく、実際に数項を書き出すことで、「何を足しているのか」を確認できます。
また、数列の問題では、公式そのものを覚えていても、どの問題でその公式を使えばよいのか分からないことがあります。
そのため、公式を使って正解したときにも、
「どのように考えることをきっかけとして、この公式を使うと分かったのか」
まで確認することが大切です。
解説を見ながら公式を当てはめられただけでは、次の類題でも同じ考え方を使えるとは限りません。
一度解説を確認したら何も見ずにもう一度解き、さらに同じ考え方を使う類題でも、
- 何を求める問題なのか
- どの文字が動いているのか
- どの文字が固定されているのか
- Σを使わずに書くとどのような和になるのか
- なぜその公式を使うのか
を自分で説明できるか確認します。
数列・Σが分からないときは、公式をさらに暗記するのではなく、Σを実際の足し算に戻し、「何を足しているのか」「どの文字が動いているのか」を自分で説明できるところまで戻って確認することが大切です。
ベクトルが分からないときは何を確認する?
ベクトルが分からないときは、公式を覚え直すだけではなく、「その式で何を求めているのか」と、内積を使った式変形ができているかを確認します。
ベクトルでは、成分表示や内積など新しい記号や公式が多く出てきます。
そのため、公式そのものは覚えていても、
「なぜここで内積を使うのか」
「なぜ辺の長さを求めるのに2乗するのか」
といった式の意味を理解できていないことがあります。
また、ベクトルの考え方ではなく、途中で必要になる代数計算につまずいている場合もあります。
そのため、ベクトルが苦手だからといってベクトルの単元だけを繰り返すのではなく、実際に問題を解いてもらい、どの段階で止まっているのかを確認します。
長さを内積で求める意味を理解できている?
ベクトルを使って辺の長さを求める問題が分からない場合は、「長さの2乗を内積として表せる」という関係を理解できているか確認します。
たとえば、ベクトルの大きさについて、
という関係があります。
この関係を使えば、ベクトルで表された辺の長さについても、いきなり長さそのものを求めるのではなく、長さの2乗を内積を使って計算することができます。
たとえば、
と表せる場合、辺 (AB) の長さについて、
と考えます。
さらに、
と表すことができます。
ここで、
という関係を理解していないと、
「辺の長さを求める問題なのに、なぜ内積を計算しているのか」
が分からなくなります。
実際の指導でも、辺の長さを求めるときに、あえて長さの2乗を内積で計算するという解き方を理解できないことがあります。
この場合は、計算方法だけを教えるのではなく、
「この式は何を求めていますか」
「最後に求めたいのは長さですか、それとも長さの2乗ですか」
と確認します。
ベクトルでは式だけを追っていると、途中で何を計算しているのかが分からなくなりやすいためです。
「長さを求めたいから、まず長さの2乗を内積で表して計算している」と説明できることが、公式を使えること以上に重要です。
内積の式変形ができないなら代数計算も確認する
内積を使う方針は分かっているのに計算できない場合は、ベクトルそのものではなく、式の展開などの代数計算まで戻って確認します。
たとえば、
を計算するときには、
と展開します。
また、
であれば、
と計算します。
この式変形を見て「ベクトル特有の新しい計算」と捉えてしまうと、内積の計算が複雑に感じられることがあります。
しかし、式の形として見ると、
a(b+c)=ab+ac
という分配法則と同じように考えることができます。
この場合、ベクトルの公式をさらに覚えるよりも、文字式の展開や分配法則をどこまで理解できているのかを確認します。
ベクトルのどこでつまずいているかは、1問解いてもらうと分かりやすい
「ベクトルが分からない」という場合でも、実際にはつまずいている場所は生徒によって異なります。
そこで、私は問題を実際に解いてもらい、どの段階から自力で進めなくなるのかを確認します。
たとえば、
とし、(AB) の長さを求める問題を考えます。
この問題では、まず
と表せるかを確認します。
ここで止まるのであれば、内積の計算以前に、位置ベクトルから2点間のベクトルを表す考え方を確認する必要があります。
次に、
まで書けるか確認します。
ここまでできても、その先に進めない場合には、
「絶対値の付いた式はどう考えるのか」
を聞いてみます。
そこで、
と考えられるかを確認します。
ここで止まるのであれば、ベクトルの大きさと内積の関係を理解できているかを確認する必要があります。
さらに、この式までは作れても、
を展開できない場合もあります。
この場合には、
と展開できるかを確認します。
ここで止まるのであれば、ベクトルの意味というより、分配法則を使った式の展開につまずいている可能性があります。
そのため、正解できなかったという結果だけを見るのではなく、「どこまでは自分で考えられ、どの式から書けなくなったのか」を見ることが重要です。
これは、この記事で紹介しているほかの単元にも共通します。
「ベクトルが苦手だからベクトルを最初からやり直す」と決めるのではなく、実際の問題を使って、考え方が止まった場所を探します。
ベクトルが分からないときは、1問を最初から解いてもらい、「ベクトルの表し方」「長さと内積の関係」「内積を使う理由」「式の展開」のどこで止まるのかを確認してから、必要なところまで戻ることが大切です。
場合の数・確率が分からないときは公式から始める?
場合の数・確率が分からないときは、順列・組合せなどの公式を覚え直す前に、まず樹形図を描き、「何を固定し、何を動かして数えているのか」を確認します。
場合の数では、
や、
といった公式を学習します。
しかし、公式を覚えていることと、問題を見て適切な数え方を選べることは別です。
実際には、
「この問題は順列なのか組合せなのか分からない」
「同じものを何度も数えてしまう」
「解説を読めば分かるが、自分では式を立てられない」
という状態になることがあります。
この場合、順列と組合せの公式をさらに暗記するのではなく、実際に場合を書き出して、どのように数えているのかを確認するところまで戻ります。
順列・組合せを選ぶ前に樹形図を描く
場合の数が分からないときは、最初から順列や組合せの公式を選ばせるのではなく、まず樹形図を描いて、起こり得る場合を自分で整理できるか確認します。
たとえば、A、B、Cの3人から2人を選んで、1列に並べる場合を考えます。
まずAを最初に並べると、
- A → B
- A → C
の2通りがあります。
同じようにBを最初にすれば、
- B → A
- B → C
Cを最初にすれば、
- C → A
- C → B
となります。
したがって、
の6通りです。
この段階では、まだ
という公式を使わなくても数えることができます。
樹形図を描くと、
「最初の1人を決める」→「残った人から次の1人を決める」
という数え方が見えてきます。
そのうえで、
「最初の1人は3通り」
「次の1人は残り2通り」
だから
3×2=6
と考えます。
ここまで理解してから、
という順列の式につなげます。
一方、A、B、Cの3人から単に2人を選ぶだけであれば、
[AB,AC,BC]
の3通りです。
この場合、ABと、BAは同じ2人を選んでいるので、別の場合として数えません。
ここで初めて、
「並べる場合」と「選ぶだけの場合では何が違うのか」
を確認できます。
順列・組合せを、
「並べるならP、選ぶならC」
とだけ覚えるのではなく、実際に書き出したときに、どの場合を別のものとして数えるのかを理解することが重要です。
「何を固定し、何を動かすか」を説明できる?
場合の数・確率の問題では、「何を固定して、残りをどのように動かして数えるのか」を説明できるか確認すると、つまずいている部分を見つけやすくなります。
私は、場合の数が分からない生徒には、まず樹形図を描いてもらいます。
そのときに確認するのが、
「何を固定し、何を動かしているのか」
です。
先ほどのA、B、Cの3人から2人を並べる問題であれば、まずAを1番目に固定します。
すると、2番目にはBまたはCが入ります。
次にBを1番目に固定し、2番目を変えます。
最後にCを1番目に固定し、同じように残りの場合を調べます。
このように考えると、
固定するものを1つ決める → 残りを動かす → 固定するものを変える
という順序で、漏れや重複を減らしながら数えることができます。
これは、人数や条件が増えた問題でも重要です。
たとえば、
「Aは必ず端に並ぶ」
という条件が付いた場合には、まずAの位置を固定してから、残りの人の並び方を考えることができます。
反対に、条件を読んですぐ計算式を作ろうとすると、
「なぜここで掛け算をするのか」
「なぜこの場合は分けて考えるのか」
「同じ場合を2回数えていないか」
が分からなくなることがあります。
確率についても同じです。
確率の公式は、
という形になりますが、その前提として、場合の数を正しく整理できることが必要です。
そのため、確率の計算でつまずいている場合にも、すぐに確率の公式へ戻るとは限りません。
まず、
「起こり得る場合をすべて挙げられるか」
「条件に合う場合だけを取り出せるか」
「同じ場合を重複して数えていないか」
を確認します。
ここができていなければ、戻って確認するのは確率の計算ではなく、場合の数の数え方です。
また、樹形図で正しく数えられるようになったら、そこで終わりではありません。
次に、
「この樹形図を、なぜ掛け算で表せるのか」
「この数え方を順列や組合せで表すとどうなるのか」
と確認します。
樹形図で具体的に数える → 何を固定し何を動かしたか説明する → 掛け算で表す → 順列・組合せの式につなげる
という順番で確認すると、公式と実際の数え方を結びつけることができます。
高校数学で場合の数・確率が分からないときは、PやCの公式を覚え直すところから始めるのではなく、まず樹形図を描き、「何を固定し、何を動かして数えているのか」を説明できるところまで戻って確認することが大切です。
確率の部分に、「場合の数を正しく整理できるか」を確認できる具体例を追加した形に修正します。
「何を固定し、何を動かすか」を説明できる?
場合の数・確率の問題では、「何を固定して、残りをどのように動かして数えるのか」を説明できるか確認すると、つまずいている部分を見つけやすくなります。
私は、場合の数が分からない生徒には、まず樹形図を描いてもらいます。
そのときに確認するのが、
「何を固定し、何を動かしているのか」
です。
たとえば、A、B、Cの3人から2人を並べる問題であれば、まずAを1番目に固定します。
すると、2番目にはBまたはCが入ります。
次にBを1番目に固定し、2番目を変えます。
最後にCを1番目に固定し、同じように残りの場合を調べます。
このように考えると、
固定するものを1つ決める → 残りを動かす → 固定するものを変える
という順序で、漏れや重複を減らしながら数えることができます。
これは、人数や条件が増えた問題でも重要です。
たとえば、
「Aは必ず端に並ぶ」
という条件が付いた場合には、まずAの位置を固定してから、残りの人の並び方を考えることができます。
反対に、条件を読んですぐ計算式を作ろうとすると、
「なぜここで掛け算をするのか」
「なぜこの場合は分けて考えるのか」
「同じ場合を2回数えていないか」
が分からなくなることがあります。
確率についても同じです。
たとえば、
「1枚の硬貨を2回投げるとき、少なくとも1回は表が出る確率を求めなさい」
という問題を考えます。
公式を使う前に、まず起こり得る結果をすべて書き出してみます。
1回目と2回目の結果を順番に表すと、(表,表)(表,裏)(裏,表)(裏,裏)の4通りです。
この4通りのうち、「少なくとも1回は表が出る」のは、(表,表)、(表,裏)、(裏,表)の3通りです。
したがって、求める確率は、3/4となります。
この問題では、答えが3/4と出せるかだけを見るのではなく、
「全部で何通りありますか」
「なぜ4通りになるのですか」
「『少なくとも1回』とは、どの場合を含みますか」
と確認します。
ここで樹形図を描くのであれば、まず1回目の結果を表・裏に分け、それぞれについて2回目の表・裏を考えることで、4通りを漏れなく整理できます。
また、
「少なくとも1回は表」
という条件を読んだときに、(表,表)を除いてしまう生徒もいます。
この場合、確率の公式が分からないのではなく、問題文にある「少なくとも」という言葉の意味を正しく捉えられていないことになります。
反対に、条件の意味は理解できていても、(表,裏)と、(裏,表)を同じものとして数えてしまう場合には、1回目と2回目を区別して場合を整理するところを確認する必要があります。
このように、同じ確率の問題を間違えていても、
- 起こり得るすべての場合を挙げられない
- 場合を重複して数えている
- 「少なくとも」などの条件を正しく読めていない
- 条件に合う場合を取り出せない
では、つまずいている原因が異なります。
そのため、確率の計算でつまずいている場合にも、すぐに確率の公式へ戻るとは限りません。
まず、
「起こり得る場合をすべて挙げられるか」
「条件に合う場合だけを取り出せるか」
「同じ場合を重複して数えていないか」
を確認します。
ここができていなければ、戻って確認するのは確率の計算ではなく、場合の数の数え方や問題文の意味です。
また、樹形図で正しく数えられるようになったら、そこで終わりではありません。
次に、
「この樹形図を、なぜ掛け算で表せるのか」
「この数え方を順列や組合せで表すとどうなるのか」
と確認します。
樹形図で具体的に数える → 何を固定し何を動かしたか説明する → 掛け算で表す → 順列・組合せや確率の式につなげる
という順番で確認すると、公式と実際の数え方を結びつけることができます。
高校数学で場合の数・確率が分からないときは、公式を覚え直すところから始めるのではなく、具体的な場合を書き出し、「全部で何通りあるのか」「条件に合うのはどれか」を自分で説明できるところまで戻って確認することが大切です。
高校数学を学び直すときは、どんな勉強方法がよい?
高校数学を学び直すときは、公式を最初から覚え直すだけではなく、「なぜその考え方を使うのか」を確認し、解説を閉じて自力で再現し、さらに同じ考え方を使う類題まで解けるか確認します。
高校生で数学が分からない状態になると、
「教科書を最初から読み直そう」
「公式を全部覚え直そう」
「問題集を最初から解き直そう」
と考えることがあります。
もちろん、必要な単元まで戻って基礎を確認することは大切です。
ただし、この記事でここまで見てきたように、高校数学でつまずく原因は生徒によって違います。
分配法則まで戻る必要がある場合もあれば、変域の意味、三角形の相似、累乗、グラフの読み方などを確認することで、その先の内容がつながる場合もあります。
そのため、学び直す範囲を広げることよりも、実際の問題を使って「どこから自分で考えられなくなるのか」を確認し、必要な内容を学び直すことを重視します。
公式を覚え直す前に「なぜそうなるか」を確認する
公式を使えないときは、すぐに暗記し直すのではなく、その公式が何を表し、なぜその形になるのかを確認します。
微分であれば、微分係数の公式を覚えるだけではなく、曲線上の2点を結ぶ直線の傾きを考え、その2点を限りなく近づけることで接線の傾きを求めるという意味を確認します。
このように、公式の成り立ちや意味を確認するのは、証明をすべて暗記するためではありません。
「この問題を見たときに、なぜこの公式を使うのか」を自分で判断できるようにするためです。
公式を使って正解した場合でも、
「なぜこの公式を使いましたか」
「問題文のどの部分を見て、この考え方を使うと判断しましたか」
と確認すると、公式を理解して使っているのか、それとも形だけを覚えているのかが分かりやすくなります。
高校数学の勉強では、公式の数を増やすだけでなく、問題と公式を結びつける考え方を理解することが重要です。
例題は解説を見たあと、何も見ずにもう一度解く
解説を読んで理解できた問題は、そこで終わりにせず、解説を閉じて何も見ずに最初から解き直します。
高校数学が苦手な生徒の学習では、
「解説を読んだら分かった」
「先生に説明してもらったら解けた」
という状態を、「できるようになった」と考えてしまうことがあります。
しかし、解説を見ながらであれば、次に何をすればよいのかがすでに示されています。
本当に確認したいのは、何もない状態から、
「何を使う問題なのか」
「最初に何を求めるのか」
「どの公式を使うのか」
「どのような式を立てるのか」
を自分で考えられるかどうかです。
そのため、私は説明した直後に問題が解けただけでは、「できるようになった」とは判断していません。
一度説明を聞いて理解できたら、その後にもう一度、何も見ずに問題を解いてもらいます。
たとえば、最初に解けなかった問題について、
① まず自分で解く
↓
② どこで考え方が止まったのか確認する
↓
③ 必要な考え方や公式を確認する
↓
④ 解説を閉じる
↓
⑤ 同じ問題を最初から自力で解く
という流れで確認します。
ここで答えが合っているかだけを見るのではありません。
問題文から必要な考え方を自分で選び、式を立て、最後まで解けるかを確認します。
途中でまた解説を見なければ進めないのであれば、その部分はまだ自力で再現できていません。
このように、アウトプット → 必要な内容をインプット → もう一度アウトプットという形で確認すると、「分かった」と「自分で解ける」を分けて考えられます。
同じ考え方を使う類題でも解けるか確認する
同じ問題を解き直せたら、次に同じ考え方を使う類題を解き、本当に考え方が定着しているか確認します。
一度解いた問題は、解答そのものを覚えていることがあります。
そのため、同じ問題を解けただけでは、その解法を理解したのか、解答の手順を覚えていたのかを区別できない場合があります。
そこで、数字や条件、問題の表現などを変えた類題を使います。
たとえば、二次関数の最大・最小について学び直したのであれば、最初に解いた問題だけでなく、定義域や頂点の位置が異なる問題でもグラフを描いて考えられるか確認します。
数列でΣを学び直したのであれば、同じ形の式だけではなく、固定される文字と動く文字が変わった式でも、
「何を足しているのか」
を説明できるか確認します。
ベクトルなら、同じ数値を使った問題を繰り返すだけではなく、別の問題でも、
「なぜ長さの2乗を内積で表すのか」
を説明しながら式を立てられるか確認します。
ここで類題が解けなければ、
「どのように考えることをきっかけとして、前の問題は正解できたのか」
をもう一度確認します。
前の問題では解説の式を覚えていただけなのか、問題文から必要な考え方を選べていたのかを整理するためです。
私の指導でも、同じ問題と類題を家庭学習として取り組んでもらい、次の指導時には、その中からもう一度問題を選んで解いてもらいます。
確認するのは正解・不正解だけではありません。
問題を見たときに正しい考え方を自分で選び、式を立てられるかを見ます。
高校数学を学び直すときは、問題数を増やすことだけを目的にするのではなく、
問題を解く → つまずきを見つける → 必要な内容を学び直す → 何も見ずに再現する → 類題で確認する
という流れを繰り返すことが大切です。
「解説を読めば分かる」状態で終わらず、「何も見ずに自分で考え方を選び、類題まで解ける」状態まで確認することが、高校数学を学び直すときの基本になります。
「高校数学を学び直すときは、どんな勉強方法がよい?」の最後に、ここまで説明した流れを一覧できる表として入れるのが自然です。本文を読んだあと、実際の家庭学習で何をすればよいか確認できる形にします。
高校数学を学び直す手順
ここまでの流れを整理すると、高校数学の学び直しは「分からない単元を最初から全部やり直す」のではなく、実際の問題からつまずいている場所を見つけ、必要なところまで戻るという進め方になります。
| 手順 | 取り組むこと | 確認するポイント |
|---|---|---|
| ① まず自力で問題を解く | 教科書・問題集・模試など、現在解けない問題に何も見ずに取り組む | どこまでは自分で考えられるか |
| ② 止まった場所を確認する | 問題文の理解、公式の選択、式の立て方、計算など、どこで進めなくなったかを見る | 「分からない」で終わらせず、どの段階で止まったか |
| ③ 必要なところまで戻る | 前の単元や中学数学も含め、問題を解くために不足している内容を確認する | 学年単位ではなく、必要な内容まで戻れているか |
| ④ 考え方や公式の意味を理解する | 解説を読み、必要な知識や公式を確認する | 「なぜこの公式を使うのか」を説明できるか |
| ⑤ 解説を閉じて同じ問題を解く | 何も見ずに、最初からもう一度解く | 考え方を自分で選び、式を立てられるか |
| ⑥ 同じ考え方を使う類題を解く | 数字や条件などが変わった問題に取り組む | 解答を覚えたのではなく、考え方を使えているか |
| ⑦ 時間を空けてもう一度確認する | 後日、同じ問題や類題をもう一度解く | 考え方が定着し、自力で再現できるか |
たとえば、二次関数の最大・最小が解けなかったからといって、すぐに二次関数を最初からすべて復習するとは限りません。
実際に問題を解いて、
「変域の意味が分からない」
ところで止まっているのであれば、中学数学の関数まで戻って変域の意味を確認します。
一方、変域は理解できているものの、最大値・最小値を判断できないのであれば、グラフを描いて頂点と定義域の位置関係を確認します。
このように、
「何年生の内容まで戻るか」ではなく、「この問題を解くために何が不足しているのか」から戻る場所を決める
ことがポイントです。
そして、学び直した直後に同じ問題が解けただけで終わりにしません。
自力で問題を解く → つまずきを特定する → 必要な内容まで戻る → 解説を閉じて再現する → 類題で確認する → 後日もう一度解く
という流れまで行うことで、「説明を聞けば分かる」状態から、自分で考えて解ける状態になっているかを確認できます。
高校数学が全く分からないとき、参考書を変えれば解決する?
高校数学が全く分からないと感じているとき、すぐに参考書や問題集を変えるのではなく、まず「今使っている教材のどこから分からなくなっているのか」を確認することが大切です。
高校数学の勉強が進まなくなると、
「今の参考書が難しすぎるのではないか」
「もっと分かりやすい参考書に変えた方がよいのではないか」
と考えることがあります。
もちろん、現在のレベルに対して教材が難しすぎる場合には、より基本的な参考書へ変更することも選択肢になります。
しかし、参考書を変えれば必ず解決するとは限りません。
たとえば、二次関数の問題が分からない原因が、中学数学で学習した「変域」の意味を理解できていないことにある場合、別の二次関数の参考書に変えても同じところで止まる可能性があります。
三角比が分からない原因が三角形の相似にあれば、sin・cosの説明が詳しい参考書を何冊読んでも、前提となる知識が不足したままになることがあります。
そのため、教材を選び直す前に、「参考書が合っていない」のか、「その参考書を理解するために必要な内容が抜けている」のかを分けて考える必要があります。
参考書を買う前に「どこで止まっているか」を確認する
新しい参考書を買う前に、現在解けない問題を1問使って、「問題文の理解」「考え方の選択」「式を立てる」「計算する」のどこで止まっているのかを確認します。
たとえば、問題を解いてもらい、
① 問題文の意味を理解できているか
② 何を求める問題なのか分かっているか
③ 必要な公式や考え方を選べるか
④ 式を立てられるか
⑤ 計算を最後まで進められるか
という順番で見ていきます。
ここで③の「必要な考え方を選ぶ」ところで止まっているのであれば、まずその問題で使う基礎事項を確認します。
④までできていて、⑤の計算で何度も間違えるのであれば、参考書の説明ではなく、それ以前の計算や式変形を復習する必要があるかもしれません。
また、解説を読んだときの反応も確認します。
解説を読めば、
「なぜこの式になるのか」
「なぜこの公式を使うのか」
まで説明できるのであれば、知識がまったくないとは限りません。
一方、解説に書かれている式そのものの意味が分からないのであれば、現在の教材より前の内容まで戻る必要があります。
「高校数学が分からないから、もっと簡単な参考書にする」という決め方ではなく、「この問題のどこから分からないのか」を確認してから教材を選ぶことが重要です。
必要な内容が分かれば、
- 今の参考書の基本例題まで戻る
- 教科書の該当部分を読み直す
- 前の単元へ戻る
- 中学数学の該当単元を復習する
- 現在より基本的な教材へ変更する
といった選択ができます。
参考書を変えること自体が目的なのではなく、現在不足している内容を学習できる教材を使うことが目的です。
一人でつまずきの原因を見つけられないときはどうする?
自分だけでは「どこから分からないのか」が分からない場合は、解けなかった問題や答案を使って、解く過程を一つずつ確認します。
高校生から、
「数学が全部分からない」
「何を勉強すればよいのか分からない」
という言葉が出ることがあります。
しかし、実際に問題を一緒に確認すると、本当にすべてが分からないとは限りません。
問題文は読めている。
使う公式も分かっている。
式も途中までは立てられている。
ところが、ある式変形から進めなくなっている。
という場合もあります。
反対に、計算自体はできても、
「なぜこの公式を使うのか」
が分からず、最初の式を自分では立てられない場合もあります。
そのため、私は正解・不正解だけではなく、間違えた問題について、
「どのように解こうとしましたか」
と確認します。
本人がミスの原因を見つけられない場合には、どのように問題を読んで、どのように考え、どの式を立てたのかを順番に話してもらいます。
その過程を確認すると、問題文の読み違い、公式の意味の取り違え、前の単元の理解不足などが見つかることがあります。
たとえば、「計算ミスが多い」と思っていた問題でも、途中の計算そのものではなく、最初に問題文を読み違えていたことが分かる場合があります。
この場合、計算問題を大量に解くことが対策になるとは限りません。
必要なのは、問題文のどの情報から、何を考えるべきだったのかを確認することです。
また、学校の定期テストや模試、現在使っている問題集は、つまずきを確認する材料になります。
間違えた問題を、
「できなかったからもう一度解く」
だけで終わらせるのではなく、
「どこまでは自力でできたのか」
「どこから分からなくなったのか」
「その部分を理解するには、何まで戻る必要があるのか」
という順番で確認します。
自分だけでは原因を特定できない場合には、学校の先生や塾・家庭教師などに質問するときも、
「この問題が分かりません」
だけではなく、途中まで書いた答案を見せると、つまずいている場所を確認しやすくなります。
高校数学が全く分からないと感じたときは、参考書を次々に変える前に、今使っている教科書・問題集・テストや模試を使って「どこから自力で進めなくなるのか」を確認し、その原因に合った内容まで戻って学習することが大切です。
「参考書を買う前に『どこで止まっているか』を確認する」の後に、これまでの記事で扱った内容を一覧化した「単元別に戻る目安」を入れると、読者が自分の状況と照らし合わせやすくなります。
高校数学で分からないときの「単元別に戻る目安」
どこまで戻ればよいか迷ったときは、「今勉強している学年」ではなく、「その問題を解くために必要な内容をどこまで理解できているか」から考えます。
ここまで紹介してきた内容を、単元別に整理すると次のようになります。
| 高校数学の単元 | このような状態なら確認する | 戻って確認する内容 |
|---|---|---|
| 数と式・展開・因数分解 | 三次式の展開・因数分解の公式が混ざる、式を展開できない | 分配法則、二次式の展開・因数分解 |
| 不等式 | 計算はできても「不等式を解く」の意味が分からない | 不等号の意味、xが取り得る範囲 |
| 二次関数 | 変域や最大値・最小値が分からない | 中学数学の関数、変域、グラフの読み方 |
| 三角比・三角関数 | sin・cosが何を表しているか説明できない | 直角三角形、相似、辺の比 |
| 指数・対数 | 0乗・負の指数・分数指数の意味が分からない | 自然数乗、累乗、指数法則 |
| 微分 | 微分係数の式は使えても意味が分からない | 2点を通る直線の傾き、関数・グラフ |
| 積分 | 面積問題で積分区間や引き算の順序が分からない | 関数のグラフ、交点、囲まれた部分の確認 |
| 数列・Σ | Σの公式は覚えているが、何を足しているのか分からない | Σを使わずに和を書き出す、固定する文字と動く文字の区別 |
| ベクトル | 長さを求めるときに、なぜ内積を使うのか分からない | ベクトルの大きさと内積の関係 |
| ベクトルの計算 | 内積を使うことは分かるが式を展開できない | 分配法則、文字式の展開 |
| 場合の数 | P・Cのどちらを使えばよいか分からない | 樹形図、場合の書き出し、何を固定して何を動かすか |
| 確率 | 公式は知っているが、分母・分子に何を入れるか分からない | 起こり得る場合の整理、条件に合う場合の数え方 |
この表は、「この単元ができなければ、必ずここまで戻る」というものではありません。
たとえば、二次関数の最大値・最小値を間違えた生徒全員が、中学数学の関数からやり直す必要があるわけではありません。
まず問題を解いてもらい、
「変域とは何か説明できますか」
「この条件でxはどこからどこまで動きますか」
「グラフを描くと最大値はどこで取りますか」
と確認します。
変域の意味から分からなければ、中学数学の関数まで戻ります。
一方、変域を理解し、グラフも描けているのであれば、中学数学まで戻る必要はなく、現在の二次関数の問題の中で最大・最小の考え方を確認すればよい場合があります。
単元名だけを見て復習範囲を決めるのではなく、実際の問題を解いたときに「どの考え方から使えなくなるのか」を確認して、戻る場所を決めます。
「高校数学が全く分からない」と感じている場合でも、すべての単元を中学数学からやり直すとは限りません。
現在使っている教科書や問題集、定期テスト、模試などから数問を選び、
問題文を理解する → 必要な考え方を選ぶ → 式を立てる → 計算する → 答えまで出す
のどこで止まるのかを確認します。
そのうえで、上の表を参考にしながら、必要な内容まで戻ります。
高校数学の学び直しでは、「何年分戻るか」を先に決めるのではなく、実際の問題からつまずきを見つけ、その問題を自力で解くために必要なところまで戻ることが基本です。
数学が苦手でも大学受験に向けて学び直せる?
数学が苦手でも、大学受験に向けて学び直すことはできます。
ただし、最初から志望校レベルの問題を繰り返すのではなく、「現在どこまで自力で解けるのか」を確認し、必要な基礎まで戻ることが大切です。
高校生になると、学校の授業と並行して大学受験を意識するようになります。
そのため、数学が分からなくなっていても、
「受験問題を解かなければならない」
「難しい問題集を進めなければならない」
「今さら中学数学や高校数学の基本問題まで戻っている時間はない」
と考えることがあります。
しかし、志望校の過去問や受験用の問題集が解けない原因が、さらに前の内容にあるのであれば、そのまま難しい問題を繰り返しても、解説を読んで解き方を覚えるだけの学習になりやすくなります。
大学受験に向けた学び直しでも、まず必要なのは、現在地を具体的に確認することです。
まず志望校レベルより「現在どこまでできるか」を確認する
大学受験の勉強を始めるときは、志望校の問題と現在の実力との差だけを見るのではなく、教科書や基本問題を使って「どこまでは自力で考えられるか」を確認します。
たとえば、志望校の過去問で二次関数の問題が解けなかったとします。
この場合、
「二次関数が苦手だから、過去問の二次関数をたくさん解く」
とすぐに決めるのではなく、
- 問題文の条件を読み取れるか
- グラフを自分で描けるか
- 変域を理解できているか
- 最大値・最小値を判断できるか
- 必要な式変形や計算ができるか
と分けて確認します。
もし「変域」の意味から曖昧なのであれば、大学受験用の問題集を増やすより、中学数学の関数まで戻って確認する方が先です。
一方、基本的な二次関数は自力で解けるものの、複数の条件を整理するところで止まっているのであれば、中学数学まで戻る必要はありません。
現在の高校数学の標準的な問題を使って、条件を整理して解法を選ぶ練習をする方が適しています。
このように、「大学受験だから受験問題から始める」のではなく、受験問題を解くために必要な内容のうち、どこまで身についているかを確認します。
特に、「高校数学が全く分からない」と感じている場合には、最初から高校数学全体の復習計画を立てるより、いくつかの基本問題を実際に解いてみる方が、戻る場所を見つけやすくなります。
たとえば、
数と式では、展開・因数分解を自力でできるか
二次関数では、グラフと変域を理解できるか
三角比では、sin・cosが何を表すか説明できるか
指数では、自然数乗・0乗・負の指数・分数指数がどのようにつながっているか説明できるか
数列では、Σを使わずに何を足しているのか書き出せるか
などを確認します。
ここで止まったところが、学び直しを始める一つの目安になります。
また、模試や過去問を使って確認するときも、点数だけで判断しないことが重要です。
間違えた問題について、
「まったく考え方が分からなかったのか」
「考え方は合っていたが計算で間違えたのか」
「途中までは進めたが、その先で使う知識がなかったのか」
を分けて見ます。
たとえば、基本的な設問で考え方そのものが分からないのであれば、教科書や基本的な問題集まで戻って、その単元を確認します。
反対に、基本問題は自力で解けているのであれば、同じ基礎問題を何度も繰り返すより、標準問題や入試問題へ進んだ方がよい場合があります。
つまり、「間違えたから基礎に戻る」のではなく、「考え方が身についていないから基礎に戻る」ということです。
大学受験では、限られた時間の中で学習を進める必要があります。
だからこそ、分からない単元をすべて最初から復習するのではなく、
① 実際に問題を解く
↓
② どこで考え方が止まるか確認する
↓
③ 必要な基礎まで戻る
↓
④ 解説を閉じて自力で解き直す
↓
⑤ 同じ考え方を使う類題で確認する
↓
⑥ 基礎が身についたら受験レベルへ進む
という順番で進めます。
また、受験問題では、公式を知っているだけでは解けない問題も増えてきます。
そのため、正解した問題についても、
「問題文のどの情報をきっかけに、この考え方を使うと判断したのか」
を確認することが大切です。
ここを自分の言葉で説明できれば、数字や条件が変わった問題でも同じ考え方を使いやすくなります。
反対に、
「この問題ではこの公式を使うと覚えていた」
という状態であれば、類題になると再び解けなくなることがあります。
大学受験に向けた数学の学び直しでは、現在の偏差値や志望校との差だけを見て復習範囲を決めるのではありません。
現在の問題をどこまで自力で解けるかを確認し、必要なところだけ基礎まで戻り、自力で再現できるようになったら次のレベルへ進むことが重要です。
数学が苦手な高校生ほど、志望校レベルの問題を急いで繰り返すのではなく、「今どこで止まっているのか」を問題から特定し、そこから受験に必要な内容へつなげていくことが、大学受験に向けた学び直しの基本になります。
よくある質問
数学が分からないのは勉強時間が足りないから?
勉強時間を増やすだけで解決するとは限りません。
たとえば、三角比を学習しているものの、その前提となる三角形の相似を理解できていなければ、同じ問題を長時間繰り返しても考え方がつながらないことがあります。
まず確認したいのは、「何時間勉強したか」よりも、解けなかった問題のどこで考え方が止まっているかです。
必要な知識が不足しているのであれば、その内容まで戻ります。
一方、考え方は理解できているものの演習量が少なく、時間が空くと解き方を思い出せないのであれば、同じ考え方を使う問題を繰り返して定着させる必要があります。
勉強時間を増やすかどうかは、つまずいている原因を確認してから考えます。
数学が全くできなくても大学受験はできる?
現在数学が苦手でも大学受験に向けた学習はできますが、志望校で必要な数学の範囲と現在の理解度を確認する必要があります。
「数学が全くできない」と感じていても、実際に問題を解いてみると、すべての内容が分からないとは限りません。
計算はできるものの関数が苦手な場合もあれば、公式は覚えていても、問題を見たときにどの公式を使うのか判断できない場合もあります。
また、大学・学部によって必要な数学の範囲や入試問題の内容は異なります。
そのため、まず志望校で必要な数学と現在できる内容との差を具体的に確認し、必要な基礎から学習計画を立てることが大切です。
数学が苦手なら文系を選んだ方がいい?
数学が苦手という理由だけで、すぐに文系を選ぶ必要はありません。
文理選択では、現在の数学の成績だけではなく、進みたい学部や大学、将来学びたい内容も含めて考える必要があります。
特に、「数学が苦手」の中身を確認することが重要です。
中学数学の内容から大きく抜けているのか、高校数学の特定の単元だけでつまずいているのか、学校の進度が速く復習が追いついていないのかによって状況は異なります。
理系を希望しているのであれば、数学が苦手というだけで選択肢から外す前に、現在どこでつまずいているのかを具体的に確認するところから始めます。
学校の数学の授業が分からなくなったら予習と復習のどちらを優先する?
すでに授業の内容が分からなくなっている場合は、まず復習を優先します。
ただし、今週習った内容だけを繰り返すとは限りません。
たとえば、高校の二次関数で最大値・最小値が分からない原因が、中学数学で学習した変域の理解にあるのであれば、そこまで戻ります。
一方、現在の内容を理解できていて、学校の授業についていけているのであれば、短時間の予習によって次の授業で扱う用語や公式を確認しておく方法もあります。
現在の授業を理解するために不足している内容がある場合は、予習より先にその部分を復習することを優先します。
数学が分からない高校生に保護者は何をすればいい?
まず「もっと勉強しなさい」と勉強時間を増やすより、どの問題で困っているのかを確認することから始めます。
本人も「数学が分からない」としか説明できず、どこから分からなくなったのか整理できていない場合があります。
そのようなときは、
「どの単元が分からないの?」
と広く聞くより、
「この問題はどこまで分かった?」
「解説のどこから分からなくなった?」
と、実際の教科書や問題集、テストを見ながら確認する方が具体的です。
家庭だけで原因を特定することが難しい場合には、途中まで解いた答案や使用している教材を学校の先生や指導者に見てもらい、どこまで戻って学習すればよいのかを整理する方法もあります。
まとめ 高校数学が分からないときは「どこまで戻るか」を問題から見つけよう
高校数学が分からなくなったときに、最初からすべての公式を覚え直したり、中学数学を全部やり直したりする必要があるとは限りません。
大切なのは、実際の問題を解いて、「どこまでは自分で考えられ、どこから進めなくなるのか」を確認することです。
この記事のポイントを整理すると、
- 学年ではなく、自力で理解・再現できるところまで戻る
- 公式を覚えていても、意味や成り立ちを説明できるか確認する
- 二次関数なら変域、三角比なら相似、指数なら累乗など、必要に応じて前の単元まで戻る
- 解説を読んだだけで終わらず、何も見ずに同じ問題を再現し、類題でも解けるか確認する
- 大学受験でも、難しい問題を増やす前に、現在どこまで自力で解けるかを確認する
という流れになります。
私の指導でも、説明を聞いた直後に正解できただけでは、「できるようになった」とは判断していません。
必要な内容まで戻って確認したあと、解説を閉じてもう一度解き、さらに同じ考え方を使う類題でも考え方を再現できるか確認します。
「高校数学が分からない」という大きな悩みのまま考えるのではなく、まず1問を使って「どこから分からないのか」を具体的にすることが、学び直しの第一歩です。
一人で確認することが難しい場合は、現在使っている教科書・問題集・定期テスト・模試などを用意したうえで、ご相談ください。
体験授業・ご相談では、問題を実際に解いてもらいながら、どこで考え方が止まっているのか、どの内容まで戻る必要があるのかを整理します。
そのうえで、現在の理解度と志望校を踏まえ、これから取り組む内容を一緒に確認していきます。

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